INDOMITABLE KING-運命の剣と奴隷剣闘士と犯される女達の物語-
「INDOMITABLE KING-運命の剣と奴隷剣闘士と犯される女達の物語-」

 ★★★★☆(星、3.7)
 プレイ時間:約12時間

 初めの初め、買った当初はですね、なんかウィンドウ画面が素っ気なくて物足りないなあ、と思ってました。
 他の大手(といっても同人だけど)の作品はだいたい吉里吉里・NScripterとかで、これはライブメーカー製じゃないですか。
 だからかな、
 音声の再生がすこーし遅れてるかな、とか、なんか文字フォントが格好悪いとか。
 これは個々人の体感でしょうけど、「自動文字送り」にしてもセリフが終わって次のページにいくまで少し時間が掛かって、はあはあ 今が(色々な)山場なのに! という事も不満だったり。

 環境にもよるかも知れないけど、windowsの「スタート」ボタンの一覧にショートカットアイコンが毎回作られて、これ家族共用PCだったら結構まずいよなあ、とか、細かいことも。

 文字ウィンドウの大きさの関係で2行までしか表示できないのか、文章もいかにも簡素で、アホっぽいなあー、とか思ってしまったり。
 画面周囲の飾りがけっこう大きくて、その為に(画面に入れようとして)分かりにくい姿勢になってしまって、エロさを感じにくいかなあ、と邪推することもありました。

 あ、そうそう、誤字もちょっと多かったです。「保健」→「保険」とか「直に」→「時期に」とか・・・漢字の誤変換なんかは、気にしない人は気にしないかも知れませんが・・・

 ですが、ですがね(こっからが大事よ)、
 吉里吉里だろうとライブメーカーだろうと関係ない、ノベルの醍醐味ってやつを味わった気分でしたね。
 自分はあまり、エロくらいしかノベルをやらないんだけど、他の大手の作品では感じ得なかった、感動・・・そう、言うなら感動、その凄みに圧倒されるというか・・・、そんな感覚が初めて起きたんです。

 これも一重に、世界観がしっかりしてるせいでしょうか。しっかりと考えられて、描写されている。単なる絵と、文章の紙芝居じゃない。
 文章の背景にある、人々の暮らしぶりとか、息遣いまで感じられる。

 それは例えば、主人公が下層民の身分から上流民までのし上がることで世界を立体的に活写できるだとか、エロの相手も下層の人妻とか上流の図書館司書とかあって、やっぱ性はどの時代どの文化でも有りますし、欠かせないから胸に来る、という事もあるかも知れない。
 恐らく一番最初に遭遇するであろうエロが、『下層のパン屋の裏でその従業員が隙間からけつだけ出して売春? している』とか、すげえと思いました。
 これを初めに持ってくるあたり・・・エロ&世界観というのが、作者さんの主張なのかなと、勘ぐったり。

 初めは余りにシンプル過ぎて正直小馬鹿にしてた文章ですが、やっぱりこれが良いんだと思います。
 これが淡々と積み上げられていて、胸に来るんだなあと。

 ちょっと人生観が見えるような、ギルファー(主人公)の語りもいいのかも知れません。
 流れの中の1ステップとして戦闘を入れたことも、没入感を深めている気がします。やはり序盤の大剣のシーン・・・ベルセルクとかでもお馴染みかも知れませんが、燃えますしね。
 選択肢しだいで、相手の服を剥がすことが生き甲斐の剥き屋から地下クラブの男優、国の皇帝になったり、ラスボスさえペット扱いの超級の闇の帝王になれるのも、幅があって飽きさせません。
 (*その意味で、”主人公の中に、闇か正義の力が渦巻いてる”っていうのは、とても良い設定ですし、匂わせ方が上手かったと思います。どう転んでも納得できるし、格差のある社会での”闇”が雰囲気あって、悪いこと=エッチもするだろう、と納得がいく・・・。
 善悪が選択肢で上下する、っていうゲーム的な事もストレートにはまってますしね。これが「正義の勇者」だと、相当おかしな言動にも取れるのですが、闇の力を抱えているなら、そういう事もあろうだろうと・・・。)

 そんな訳で、初めの一周目とか、どうしても敵に負けるし、えろシーンも少ないのですが、すげえ楽しめました。(*2周目以降、エロはかなり追加されます)
 単純に世界観に驚くというか。いわば古代ギリシャの世界なんで、そう新しくは無いんですが、そこに血肉がある・・・というか・・・。(やっぱエロ作品なので書いてて恥ずかしいですが。ひょっとして感動してんの、俺だけ? 俺、間違い? みたいな)

 さて(肝心の)えろについてですが、一人で相当な量を描いておられるせいか、やっぱりちょっとハダカとかは、ハンコ絵っぽかったです。
 111はおっぱいが好きなのでこう、大きさだけじゃなく、形! にもこう、区別を付けて欲しいのです・・・と言っても、世にあるCG集みても、ほとんどそこに注力してるモノが無くて寂しいのですけど。
 個人的に思ったのは、体型のバリエーション付けるためにはおっぱいの大小だけじゃなく、ちょっとぽにっとしてる胴回りの部分とかも、細くしたりとか・・・、考えてみれば、もうちょっと手軽に区別が付けられるのではないかな、と思いました。

 とりあえず巨乳が大めだった気もします、アスタウスは僕っ子なら貧乳が良かったですねえ・・・、あと司会のフェアリーの子も、ちょっと胴回りが予想よりたくましくて、ううーん・・・と。身体がちっちゃいミミミィが、脱がしてみるとバインバインなのは、なんか違うかな・・・とか。
 仲間は忘れたんですけど、悪3人組の落ち着いた女の子は、だいぶ腕とか腰まわり細い方が、それらしい・・・気がしたというか。

 ヒロイン級の女の子になると、ガラっと打って変わってラブラブエッチ模様になるのは、シチュエーションをたくさん用意しようとしてるのかなあ、と少し冷めたりしました。だってさっきまでこのギルファー、ムラムラきて街角の女の子をレイプしてましたよ、みたいな。
 ムリして「処女なのに感じちゃう!!」とか、アヘ顔にさせるとか、そこは自分的にはちょっと? でした。
 いややっぱり、処女なのに感じちゃうとかアヘは、えろいんです。えろいんですが、そこに唐突感とかあると察しちゃって萎えますし、そう毎回毎回、アヘらなくても・・・って気にもなります。
 エロゲーを嗜む多数派の人は、どう思ってるかは分からないですが・・・。

 逆にそういうテンプレを踏襲したようなエロ場面とは反対に、いかにもこの作品の世界観を汲んだ、みたいな、ファンタジー入ったエロスだと、かなりツボりましたです。
 夢魔に負けて女の子がエロ漬けにされるとか、お気に入りで、2回くらい使いました。やっぱり常々RPGとかやって、そういうシーンを妄想してた、ってのもありますし・・・うん。
 触手属性とかないので、ラミアとのセックスとか、わりと自分的にはムリなはずなのですが、まんこはちゃんとまんこであって、普通に興奮できたので良かったです。なんか読んだ後、お姉さんぽいしラミアも悪くないなあ、とか思ったり。
 価値観を新しく芽生えさせるというのは、すごい事だと思います。いかにもなエロのテンプレをなぞって射精を促すより、何倍も。

 キャラクターの造形も、高貴な出の神官のエルフなのにマゾだったり、「交換!」と迫る大柄の女がかわいかったり、男装させられてる女だったり(ここは貧乳が良かったなあ・・・)ギャップ萌え、という面白さがありました。
 
 そんな訳で、エロを置いても是非、物語をぜんぶ見納めたかったのですが、CGコンプ率93%が限界でした・・・。
 おそらく、「負けた際」の分岐とかもあるのでしょうが、一回強くなった自分を手放すというのは、勇気がいるものです・・・。心情的に。
 弱くなると負けるわけで、そうなるとやっぱり、物語的にも割と屈辱があるというか・・・自ら進んでは、なかなか・・・。

 それにコンプを目指したさい、選択肢がかなり膨大(出てきにくいのもある)のも、壁になりました。
 導入が難しいとは思うのですが、全体のフラグの見取り図が最終的に出現して、ああ、この選択肢からのこのシーンが埋まってないんだな、とか把握できたらとても分かりやすかったと思います。
 なんなら、見取り図の空欄の前のシーンをクリックすると、そこから始まるとかしたら、とても快適だと思います。
 物語的に味がなさ過ぎになってしまうので、5周くらいしたら・・・を条件にした方が良さそうですが。

 『エンディングの条件表示』があって、かなりこの点で苦労なさったことは想像が付くのですが・・・。

 タイトルと世界観から、負けた相手を徹底的に陵辱するっていうだけのヌキゲーを予想してたんですが、それは(良い意味で)裏切られました。
 観客の前でそのまま犯すってシーンもあって良かったと思うのですが、ガチの殺し合いをしてる訳で、なかなか難しかったかも知れません。


 なにか心に残る作品だったなあ、というのが自分の感想です。
 いい意味での同人らしいというか。垢抜けてない、っていうのもあるかも・・・?
 プロの作品はヌけますが、まったく何も残らないですからね・・・それが良いか悪いかは、その人しだいでしょうが。

 このサークルさんのADVですが、前作の「陵辱収容所-絶望の未来-」といい、設定・世界観が秀逸ですね。魅力的に映ります。

<作者様のコメントを頂けました(ありがとうございました!)>
ゲームの感想読みました
具体的な感想でかなり参考になり、これからの製作の参考にしたいと思います

当サークルのゲームを取上げていただいてありがとうございました