アルフール小国物語[あやえも研究所]

Unity、CryENGINE3、そして本作の使用ツールであるUnrealエンジン…。
インディーズと3Dゲームの距離はますます近くなっております。
またこれら3Dエンジンは外人さんが大好きなFPSというジャンルの進歩と日進月歩でもありました(実際、被写体に一番接近しますし)

そんな状況を鑑みる時、本格和製FPSである本作はどのような調理の仕方をしてるのか…気になったので遊んでみました。

エロ同人でこれらの3Dエンジンはまださほど使われておらず、ひょっとしたらアービトラージを取れるのでは、みたいな想いもやはりあるものです…
(Unity製の同人エロゲで真っ先に思いつくのが[Grand Cutie Anal]…w 日本製でも[フライングメイドさん][ドアドア2Dアクション]とかは結局2Dにしちゃってる)
自分もエロとFPSの両立を…とか考えたりもするし…([エロFPS])

*オンライン版のテストVerも公開されてる様です!*

概要


このテの3Dゲームエンジンで同人サークルが制作した場合に直面する問題・限界点、そして成果物…がすごく分かりやすく明示されてる気がします。
資金力があるゲーム会社や、"試しに作られた"デモでは判明しづらかった所が。
試金石としてとても有用な一作でしょう…


まず自分のPCはwin7,メモリは8GBですが、グラフィックボードを特別に積んでないのにとりあえず動くんですな…(少し前のDirectXからメモリの使い方が変わったとか? 詳しく知りませんが…)
一昔前は3D作品というと、グラボが動作条件の印象があった物ですが。
そして一般向けとはいえ、3Dゲームなのに1050円。これまた少し前の常識では、すごく安く感じます。

ゲームエンジンが生む臨場感!


FPSとしては、これがツールの力でしょうか(もちろんそれを使いこなしたサークルさんのお力もあります)ステージが広く、山や川の環境もしっかり作られて臨場感がありますねー。あえて相棒のボイスの誘導を無視できたり、面白いです。

エイム(狙撃)で敵を撃った時の楽しさ! もちろんリアルタイム3Dなので狙撃も別シーンでは無いんだよなあ…(隔世の感がある)

ガンシューティングのように"ボタンを離したら物陰に退避、押していたら敵に向き合う"なんていう一部分の制限ではなく、自然と岩陰に隠れ、山肌を飛び越えるか回り込み、自律的に動く敵を相手取る… そういった駆け引きを確かに感じ取れます。
世界の構築度の高さゆえに、感じる面白さ。
"撃たれてる! →物陰に隠れ、どこから撃たれたか様子を探る"と自然に考え、自然に判断したことがちゃんと手応えがある…という。

 きもちよーく高いところから飛び降りたら… 死ぬw

難易度はけっこー銃撃戦ぽい!(単に自分がFPS慣れしてないだけでしょうか)

初心者向けならヒャッハー突撃でマシンガン連発でもまぁいけますが、"普通"でかなり苦戦。
高台から集中砲火され、コンティニューしまくりでした…(ステージ長いですが中継地点も多いので大丈夫。繰り返すうちに敵の出現箇所を覚える…。ここは旧来のゲーム攻略ぽいですねw)
ダメージ食らっても物陰に隠れてると回復するので、ヒットアンドアウエーを考えて、戦略的に動きましょう、と。(ステージ1では放っておくと相棒が倒してくれますが。これからの展開次第では孤軍奮闘もありそう)

ミニゲームもあって、こちらはサバゲー感覚で楽しめるのだ(ゴールじゃなくて敵殲滅が目的)

製品版だと行動によるストーリー分岐もあるみたい? で、そこも楽しそうです。

狙撃好きなので、1面みたく敵がこっちに遮二無二突っ込んでくる感じじゃなく、ひたすら気付かれず始末するミッションとかあったらいいなあ…。

もちろん限界を感じる所も


臨場感の恩恵を感じる本作ですが、それだけに限界を感じちゃったり、違和感が目立ったりも。
"どこへでもいける!"とマップの広さに浮かれていると、案外何もない所でつっかえて(移動限界エリア)冷めたり。
敵の人間らしくないAI(急激に近づいてみた時の挙動)とか、撃たれて大げさに跳んだり、倒れている兵士が細かく揺れてたりだとか。

個人が3Dゲームを作るなら、こういった部分をどう上手く回避するか…ですね。
お金掛けまくった、力ずくでの解決は海外の弩級作品がやるでしょうから、小粋な回避案を考えなければ…

岩向こうで敵の集団が謎のジャンプ演舞を行なっていたり、ねえちゃんがジャンプ姿勢のまま岩につっかえてたりするのは仕方がないんですかね…

ゲーム的な部分では、敵に弾が当たったのが分かりにくいかな?
派手な血液エフェクトがある訳じゃなし、かと言って撃たれた箇所に応じてうずくまる、みたいな所作も無かったですし(エイム以外は何発か撃たないといけないし)

和式FPSとしては


(そもそもあまり最近の洋ゲーを知らないですが…)
ステージ中・イベントに限らず、顔窓があるのはとても日本製ぽいです。(一人称っていう前提が覆りかねないのに)
おかげで、Qボタンでお姉ちゃんに声を掛けて萌える、みたいな要素が出てますね…

イベント・デモ画面。ちょっと演出に、リソースの制約を感じる?

プレイしてると身を屈み込んで岩陰にキッチリ隠れたい、走りつつ前転して安全地帯へ転がり込みたい… という気持ちになりますが、そもそもキーボードとマウスの二丁使いなので"あれこれしてみたいけど、その為に操作がやたら複雑になる"というFPSというジャンル全般の問題点も感じました。
(自分的には左Shiftのダッシュさえもあんまり上手く使えない… 走ってる感じがどうも。かなり大切ぽい要素なんですが)

…むしろ、これにエロをどう絡めるかが日本ぽい気もしたり…

*ミニゲームやり込んで見て分かった、これ敵の装填の間にこちらから打って出る事も大切ですね…。リアル銃撃戦だ

製品版プレイ(クリア) 


全7面、自動セーブされてるらしく、途中から続行も可能。
ステージ選択もできる。
自分の通ったルートではとりあえず、相棒とはぐれる、みたいなシチュは無かったですね…

製品版のマニュアルにはしゃがむ・息止めというコマンドもありました。
(エイムの時に息潜めると上下揺れが止む。しばらく止め続けてると息が続かなくて、激しく乱高下するという細かさ)

とりあえず一番簡単な難易度でクリア。
もう一周するには、ちょっと同じ戦い方の繰り返しで…飽きちゃってるのと、さすがにアラが見えてきちゃったかな…と。

やりがち3Dゲームデザインを学んでみる


思うのは、2Dよりも数段複雑な地形を持つ3Dゲームですが、それでも"ここで狙撃させる""ここはがーっと突貫して欲しい"という意図で持ってステージを構成するのは変わらないのだな、と。
(それでも自由度が高いだけに、作者の思惑とは違った行動を取ったり、不自然になったりしますが…。本当3Dって、手間は掛かるけど面白さのリターンがそんなに見合ってないというか)

"小屋の中に立て篭も"…らない。それっぽい感じだけど。このようにドラマ性を出すシチュってのも矢継ぎ早に必要なのかなーとも。

そういった面設計の意図を感じる事もありますが、基本的にはどうも各場面でバリバリ弾撃っては引き返し、という同じ戦い方の繰り返しになってしまうのが寂しい所でした。銃器も大分したら、狙撃系とバリバリ撃つ系…で、そんなに違いはないかな、と。ザコ敵も見た目一種類ですし(それぞれアルゴリズムは違うでしょうが)

恐らくこれは難易度上がっても、敵の出現位置を覚えるだけでしょう。
つまり3Dの新世代のゲームでありながら、攻略方法がやはり"覚えゲー"なのだと。

3Dのゲーム感覚としては、いかにもゲーム的な不文律である"出現位置"なんて物より、自身が確実に強くなるという解法、銃器の扱いや有利な身のこなし方が分かるとか、あるいは動かしやすいカスタマイズを徹底する…とかが楽しいでしょう。
それでこそ、"没入感を保ったまま"手応えあるリトライが出来るのかなと…。

細かくギミックや(○○を撃つと建物が倒壊する…とかですかね)演出やステージ変化を組んで飽きさせないか、あくまでリアルさを追求するか…。デザインとして分かれる所でしょうか…?

主観視点で、ましてリアルで、気持よく遊ばせるのは難しいのでしょうな…


FPSなので仕方ない…のでしょうか、しゃがんでる・ダッシュしてるという、自身の今の状態が分かりづらいかな…
敵が何もしないで倒れる時もありました。
多分ねえちゃんの狙撃だと思うのですが、そういう所は分かりやす過ぎるくらい示して欲しいなと…。

"○HITコンボ!"とかは表示してるのですし、戦績とかねえちゃんの残HPとかが通知されれば盛り上がると思うんですよね。
(と言うか相棒はやられない? 放置していても、相棒が勝手に倒していっちゃう…)

すごく次世代っぽい海辺のグラ

そういういかにもゲーム的な表示(HUD要素)をFPSにどれだけ入れるか…は一つの課題な気もしますが、少なくとも今だと少なすぎる塩梅かなと。
プレイの際の便宜や、手応えが増す表示はあっても良い…と思います。
そういった表示以外で、伝えられてる訳でもないですし。

武器チェンジのマウスグリッドの精度があんまり良くなかったり…ポテンシャルの高さは充分に感じるのですが、今いち"気持よく"遊べてない、惜しさがありましたね…。

FPS(リアルタイム3Dゲー)で没入感が萎えた時の悪感情は想像以上


難しいのでしょうが、空中に浮きまくってる銃・ジャンプを繰り返すねえちゃん、全然こっちに来ない敵…に、どうも萎えてしまう。
"もっと川とかをジャブジャブ渡りてえ!""ねえちゃんと敵がゼロ距離だったら、むしろ組み敷かれたりして欲しい"みたいな要求も次々と出て来ますね…。

爆撃されるので走って逃げろ! 数は少ないですが、演出自体は制限の中でかなり頑張ってる気がします。

ただ言えるのは、このリアル・没入感が挫かれた時の"冷め"は半端ないなと。
今作は同人だし1050円ですし仕方ないですが、どうも見た目は一様にキレイなのに、"面白い・面白くない"洋FPSがある…っていう差を、少し距離感を持って捉えるようになったかも…

実は本質はお姉ちゃん萌えゲーなのかも知れぬ


そんな訳で勉強になりつつも、大体は想像の範疇だった訳ですが…一つ、予想外のことが。
それはおねえちゃんを相棒にした時の、おねえちゃん可愛さです。

お姉ちゃんデレ

戦闘では物凄く頼りになり、バリバリと敵をなぎ倒すねえちゃん。
しかし(なぜか)命がけの銃撃戦中にも関わらず、のほほん会話を挟んで来たり。
ヒロインと共闘というのは良いものです、特にそれが主観視点=FPSなら…

高所恐怖症が判明したりと、抜かりなく萌えポイントも入れて来ます。
(というか最後の場面になると思い切りデレます。禁断の姉弟愛が見えます?)

むしろ実績入れるなら、お姉ちゃんにどれだけ被弾させなかったか、どれだけ助け、盾になったか…を判定する"おねえちゃん評価"を計上、それでイベントを発生させるのもアリなんじゃないかと、それが和式FPSの立ち位置なんじゃないかと…。そんな気がしました。

細かいこと


●兵器マニアじゃないから、いまいち銃の強弱がわからない…

●ストーリーモードは前のステージの持ち武器を継続して欲しかったな…

●シナリオ、たった奴隷2人に軍隊動かしてるように見えるのですが…w あと敵のボスの造形、少し浅過ぎな気も…。通信傍受されてる事に気づいたなら、偽情報流したりしませんか…?
でも最後のラスボスぶりにはウケましたし、戦うのが面白かったです。ラストの演出も心憎くてGood!
別にリアルじゃなくても良いんじゃないか、面白ければ…という気もする。

●たまに足元が固まって動けなくなるバグがあるんだよなあ…(多分めりこんで)

あやえも研究所のBlog : [新作]アルフール小国物語