四季の狂剣・神無絶景・前編 (製品版)

ACT, 一般向け製品版の感想, 四季の狂剣・神無絶景

参考動画:

⇒後編感想

剣客同士のバトルを完全再現

日本人なら”枯れ野で向かい合う、日本刀と鎖鎌の武芸者”みたいなシチュには、血が滾る物があるでしょう。

お互いの流派や奥義がぶつかりあう真剣勝負、「先の先・後の先」といったフレーズに、「距離を取って走っていた二人が、ふいに背中合わせになり、どっちが先に動くか」「お互いの刃が交錯し、ゆっくりと負けた方が倒れる」という剣客モノ、あるいは「一撃を貰って膝を着いた後に、ニヤッと笑って立ち上がる」という少年漫画みたいな熱さ。
それらのココロ熱くなる演出が、自然と湧き起こるのが四季の狂剣の戦闘システム。

システムの画面的に近いのは、あえて言えばSFC版幽遊白書ですが(あるいはPC-FXの「バトルヒート」…?)
それよりも更に、演出とシステムが絡み合っています。
大事なのは、お互いの得物の長さから生じる、得意な距離範囲へいかに引き込むか。
その為にすり足でにじり寄ったり、走って相手の後ろに回りこんだり、飛び道具で隙を突き、一気に叩き込んだり…という駆け引きが発生します。
そしてそうやって戦っていれば自然と起こる、お互いがダッシュして交錯するだとか、バチバチと刃を打ち合いまくるだとかの状況を演出でフォロー。

元々FLASHの演出は得意な方らしく、これがめちゃくちゃカッコイイ&熱い。
HPが正確には分からないといった辺りも上手く、「敵の重い一撃を食らって、大きくのけぞる。やられてしまったか…!?→(瀕死になると起きる)覚悟状態へ→”負けねえ…っ、絶対負けねえ…っ!!”」
なんてセリフ演出に繋がれば、もう自然に血は沸騰っていうもの。

移動から、多数の相手を切り抜ける乱戦へ… この演出シームレス感!

ストーリー選択も、前回は対戦相手だったのが時間軸ごとに。これも「戦闘繰り返し」という印象を和らげている?

この熱さは前作でもありましたが、新作の強化点は「演出がシームレスに繋がってる」所にあると思います。
前作はいかんせん、会話シーンor戦闘シーンという感じで、シーンの区切りってのがハッキリしてました。
その結果、面白いんだけど、戦闘ばかりしていてちょっとクドい…という感じが無きにしもあらず。(それがまた濃さだったとも言えますが)

絵柄は少年漫画ぽい所から、かわいいデザインに…良い

今回は移動シーンからそのまま乱戦(対複数のバトル)に入ったり、戦闘条件も勝利だけでなく、一定時間耐え凌ぐ、逃げるなど多様化。
戦いの途中で他の仲間キャラが参加、そのままバトンタッチして戦いが継続する…などの演出強化です。
細かい所では、背景の臨場感が増したり、会話シーンも(窓アイコンから)立ち絵に変わった…とか、
もちろんザコキャラと言えど、きっちり戦闘全パターン用意されてる異常なほどのキャラ数と手の込み方も貢献しているでしょう。
まさにシーンの区切りを意識する事無く、常時戦闘・常時演出の、シームレス演劇という感じ。

本編初めの江戸城から脱出→追ってくる忍達を屋根瓦を走りながらも戦い、なんとか振り切る→飛び降りるカットンの後に新手、というこの息も付かせぬノンストップ熱さは”あぁ、こんな戦い方してみたかった…””面白い…”と唸るのみ。
これだけの事をしつつも、基本4ボタン(方向キーは使わない)と洗練されてるのも見事。
攻撃範囲やゲージの溜まり、弾かれた状態からの復帰といった諸々の値で、見事にキャラごとの流派や得物の違いを表現しつつも、勝負は時の運というか、なんとかなる…という感じの振り幅といい、まさに完成度高い所だと思います。
(もう何年掛かりのプロジェクトなので…、それも納得ですが)

そして再び、熱い生と死の世界へ

この面白さは、やや陰鬱な「序章」だと余り堪能できないかも(成長要素なども未解禁ですし)
前作しかり、盛り上がってくるのは本編からで、ここからは男主人公。
出てくる癖のあるキャラ達と競っては”やっぱこれだぜ! 熱いぃいい!!”ってなモノです。

もちろんキワモノキャラも…!

序章で簡潔に説明してくれるので、この作品からも楽しめるでしょうが、
やはり前作を遊んでいると、”時系軸的には無印の前~後かな”とか、ラスボス的だった試金石に迫るお話であったり、
(前作では選択肢次第で、軒並み死ぬ場合もあるので)前作と同じ・もしくは明らかに影響があるキャラが出て来ては、デジャブ的な感慨を抱きつつも、立ち回りのズレや違いを楽しむ…(まるでループモノを楽しむがごとく)
といった、深い視点で物語を楽しむ事が出来ると思います。
(物語が長大かつ楽しい、そして熱い。まさに一般向けゲームらしい魅力ですね…)

能力アップがあるとなると、戦闘後ボーナス計算が楽しいよねぇ…

なんだかんだ人死は避けていた、逃げるだけの戦いから、遂に真剣勝負にて後味の悪い、壮絶な死に様が見えた所で本編一章が終了。
このまま、またも連鎖的な真剣勝負に巻き込まれていくのか…と固唾を飲んでプレイ中です。

本編に入ると新キャラ多い!(前作の影響から脱却)
そして女の子がこれまた、すごく可愛い…よく動くし、アニメパターン多いし、戦闘ともなると喋るし…(声の可愛さとかは前作から際立ってましたが)

 

しかし会話シーンの立ち絵でも動くようになったせいか、キワモノキャラもパワーアップしてるんだよなあ…w
しかしそんな事をしつつも、名シーンは外さない…きちんと、これでもかと言うくらい盛り上がるのは流石。

ゴスロリ子かわいい… 二章はその姉と部下二人が、ヤッターマン(ドロンジョ様)よろしく三馬鹿トリオで活躍です

今回は4人旅という事もあって、主人公以外を操作する機会もかなり多い。
3VS3で交代して戦うなんてことも。幅が広がっている。
(だがその分、自分だけ鍛えてれば済む話ではないので、ちょっと苦戦したりも)
決闘重視、つまり個人戦だった前作と比べ、各支部の派閥や勢力争いという話へシフトしているのも納得。

寄り道イベントでは、胸をさわるイベントとかも挟みつつ…

前作でも「最強系ヒロイン」が結構目に付く要素だったけど、今回は序章でたっぷりと時間を設け、
「最強ヒロインに並ぶ為に、自分も強くなる」「好きだけど、ラスボスになるだろう事が確定している」
という大目的があり、その上で各権力の思惑がうごめくという構造…

温泉回あり(*CGもちゃんとある)お笑いあり、勿論シリアスあり…! それらが渾然一体となってケレン味なのだ…

 アツアツおでんがあったら…ボケてしまうのが関西の血! かわいいキャラなのに!

東と西を巻き込んだ闘争と、その橋渡しになるかも知れない主人公。
”頂点の舞台で、命の削り合いをする為に”あえて東西を巻き込んでる節さえあるヒロインの思惑を覗かせつつ、物語はひとまず別舞台へ。
やはり決定的な「終劇」を見るまで収まりが付かない…! 後編はまだかー!
…という訳で、クリア後は必ず付属のセーブ機能を使って、同フォルダにクリアデータを保存しておきましょう
(FLASH標準のセーブだと長期保存はできない)
少し気になったのは、「主人公を巻き込んでくるキャラの行動原理に納得できない」場面があったかなと…。
前作は納得は二の次、真剣勝負の繰り返しでむしろ圧倒される…だったけど、今作のように策謀うずまいていると、やや冷静に見てしまう…みたいな所が。
ただ物語を通し、組織の「理」が個人の「直情」に崩される場面を繰り返してるのと、理からなる組織のトップが「狂い」を帯びてる…というフシがあるので、
意図的な所もありそう。

 ゴスロリ娘は痩せているのだ、かわいい(二度目)

あと東と西の策謀…の位置関係を、なにげに地図上で確認したかったり…
(京都とかはともかく、高野山とかちょっと知識的に怪しいので…)

ゲームの感動は、演出とシステムを絡めてこそなのだ

プレイしてて驚くのは、「達人級と向き合った時には、”(威圧的な)風を感じ、満足に動けない”」とか「一時的に過去エピソード&リトライができなくなる”戦乱状態”」とか、
もちろん移動から戦闘突入、決着からシームレスに演出に移る事しかり…
盛り上がるシーンに必ずと言っていいほど、システム的なサポートがあること。
大概のゲームが演出は演出の事だけで済ませているのに対し、これは大変な事である。
やはりラスボスは強くて手こずる方が盛り上がるように(「いのり」じゃないと倒せないとかね…)
ゲームの感動は、多くの時間を共にする、操作の手触りと共にあるものだから成る程、これは盛り上がるはずだなと…。
4Gamerさんの記事