King Exit (製品版)

RPG, R18製品版の感想, ライター:さたける

*この感想は [さたける]さんに書いて頂きました。
同人では、たまに費用対効果を無視して作者が熱意や魂を込めて満足できるまで徹底的に作り込むゲームが発売します。私が当サイトに寄稿したRPGの感想だと「誰にでもできる復興計画」「魔法戦士ハルティエル」などが該当します。本作も同じく、3年の月日をかけ、徹底的な作り込みをしたゲームです。
基本的には決められたストーリーに従って行動制限のある一本道RPGです。ですが、だんだん探索範囲が広がるダンジョン、効率的な演出表現、そして大ボリュームのシナリオで全体構成です。本作の場合はノベルゲーではできない表現(ドットの動き、エフェクト、口調)が細かく作られているので、大変満足できた一本でした。
伏線の練り方、ストーリーの緩急、パーティメンバー全員に活躍シーンやそのキャラの物語がある……などシナリオ全般の出来がとても優れています。クリアするまで常に先が気になって夢中でプレイしていました。エロはダークな物語をより盛り上げるために使われています。

殺伐としたダークで救いようのない世界で、それに抗う主人公の物語

全編に陰鬱で殺伐した雰囲気が漂っており、どうしようもない絶望の中、わずかな希望を胸に諦めず行動する少女の生き様を描いた物語です。話は監獄脱出編と過去の出来事である魔族戦争編が平行して進みます。
戦争終結から数年、平和に暮らす主人公はある日、過去の戦争を夢見します。

平和1 平和2
▲序盤は過去編終了から数年後の平和な時代。

過去編では魔族の残酷さが際立っており、「占領した国の人間は魔族が通る時、女性は全裸で直立、男性は土下座の姿勢」「回復不可能な洗脳をして人間同士で戦わせる」「女性は人魔を生むための産卵道具(負担が大きいので1週間〜1ヶ月で死亡)」「人質は当然」。
歩くとマップに死体が溢れ、元戦友達が洗脳されて襲ってきて戦闘で殺すハメになったり、家族が苗床にされて苦悶の末、死亡していたり、大量の人質を取りながら主人公達をなぶり殺しにするなど、言葉では無く、動きとツクールの機能で表現。

魔族2 魔族3 魔族5 魔族6
▲倫理のない戦争・侵略風景がもう悲惨の一言です。

その中で、主人公と共に戦う熱血漢の傭兵、弟子達に慕われる魔導士、強面の僧侶。逆ハーパーティーに。男キャラ達が凄く輝いており、仲間達の会話が凄く楽しい。そして、先に進むとだんだん絆が深まるのかなっと感じる良キャラばかりです。

魔族仲間1 魔族仲間3 魔族仲間7
▲頼もしい男達。プラス旧友女性が加わり5人パーティーで魔族本拠地を目指します。

過去編が終わると、現代編。平和だった街が何者かの襲撃により人々が死亡。主人公が急いで自宅に戻ると、主人公を慕う人達、家族が惨殺されています。悲観にくれる主人公。さらに、過去編の仲間が危機を伝えるために全員瀕死の状態で訪れ、主人公が狙われている事を伝え力尽きて死亡。主人公は心が死に朦朧とした状態に。
そのまま、裁判で有罪になり、魔法を封じられた上で監獄に閉じ込められる事になります。

悲劇1 悲劇2 悲劇3
▲プレイ時間1時間半ほどで感じられる平和な現代と過去の頼もしい仲間達。それらが一瞬で失われる絶望感。

世界を救った力を封じられ、裸同然の無力な主人公

監獄は獄長の独裁となっており、囚人は不当に扱われ奴隷のような扱いで反抗的だと殺されたり犯されたり、まともな運営がされていません。その上、主人公同様、無実の罪で投獄された王族や人間も……。なんらかの陰謀が見え隠れします。

監獄1 監獄2 監獄5

親しい人達の大量死により生きた抜け殻であった主人公。彼女は牢の中で新たに救いたい人物を見つけ出し、彼女を救うため、脱獄を決意し行動を開始します。探索中に新たな仲間を作りながら、少しずつ監獄を探索し、監獄の謎を解いてくのが物語の流れ。

監獄仲間1 監獄仲間2 監獄仲間4 監獄仲間7
▲植物馬鹿の植物博士、中身がないリビングアーマーなど過去編にも負けず個性的な仲間達。悲惨な現状を忘れるかのようにコミカルなシーンも結構あります。

監獄探索中も過去編を夢で見る事があり、過去編では魔族の親玉を倒すための進軍、監獄編では脱獄のための調査を進めていきます。仲間になる主役キャラは全員にスポットとなる重要イベントがあります。また、仲間同士の掛け合いも面白く、仲間への感情移入は高くなります。そして魔族や監獄の上層部の主人公への攻撃は残虐さ、非道さも増して常にドキドキのストーリー展開です。
詳細なネタバレは伏せますが、過去編で積み上げた様々な伏線が監獄編の原因やラスボスまで壮大に展開します。
ここまで伝えた通り、コンシューマーでは倫理上表現できない(同人だから出来るとも言える)容赦ない物語です。過去編キャラが現代序盤で死亡するように、立ち絵有りのキャラも死にます。残酷描写や悲劇が苦手な場合は購入を控えた方が良いかと。ただ、作者が伝えたいのは残酷表現では無くて、この無慈悲な世界で打ちのめされながら自分を捨てずに抗う姿と友愛、恋愛、家族愛など愛の姿だと思います。
絶望しかない世界に抗うたった一人の少女。テーマも合わせて「姉の盾」やフリゲ「扉の伝説」などは雰囲気が似ています。また、昔のニトロプラス製品が好きな方にも好まれそうですね。
余談ですが、異世界転位で、フリーエロゲ「天下乱-RPG-」の天下乱、オリジナル漫画「リベレーター」のキャラが終盤サブイベで登場します。また、「僕は管理・管理・管理されている」の先輩(女)はがっつり主人公の仲間になり、メインシナリオに絡みます。それぞれ専用のエロシーンあり。

ゲスト1 ゲスト2 ゲスト3
▲作者他作品のゲストキャラ達。先輩のゴミ虫を見るような目(左画像)が個人的にドンピシャ。この目で悪役の男を拷問するエロシーンがあります。漫画欲しくなってきた。

物語の没入感を増すためのハードなエロ描写

R18だからこそできるエロ表現。本作では、エロのためだけではなく、物語の残酷面や仲間の親密さ、プレイヤーがさらに仲間への愛着を深めるために使われています。特に敵の残酷さや世界観を演出する上でエロは重要な役割を果たしています。
基本的には強制イベントと敗北エロなので、プレイヤーが主導してエロを探すようなRPGとは感触が異なり、ノベルゲームに近い感覚です。CGの塗りがエロさを際立てており、執拗に攻めるような長文テキストで1つ1つのエロの質は高いです。基本的には1エロ1CG。CG差分は主に表情差分2,3枚で少なめかな。
ストーリーとマッチしている例としては序盤の主人公への調教。主人公は監獄投函後(まだ茫然自失状態の時)、獄長に調教されます。意識はほぼ無いのですが、フェラ、パイズリ、アナルレイプで身体は軽く反応してしまいます。

調教茫然
▲マグロプレイともまた異なる、不思議なシチュ。意識が朦朧としているので、薬での睡眠姦レイプに似てるかも。

意識回復後は監獄の調査を続ける中、脱獄がバレないよう定期的に牢に戻ります。……調教される事がわかっている牢に。今度は意識がある状態で調教を受け、抵抗する主人公に浴びせられる性的教育。イベント後は仲間に対して強がる姿や牢で泣く弱弱しい姿も。処女なので性的に初心なのです。

調教復活
▲獄長に罵声を浴びせながらも、調教中は恥ずかしさと感じてしまう身体に戸惑い泣き叫ぶ主人公。意識朦朧3、意識回復3の計6段階差分(この獄長調教シーンのみ唯一の差分かな)。

敵の残酷さ関連のエロとしては、キャラが目的を達するまで人質を休みなく輪姦、強制的に生き延びられされ苗床に、公開恥辱……、性的な洗脳など。とにかくハードです。

敗北エロ2
▲ある敗北エロ。快楽責めに屈服し、魔族の味方をして人間の敵となった主人公。洗脳系は魔族の戦略手段なので悪堕ちはエロはある意味納得。

仲間や主人公の厚みを増すエロは、トラップなどが多いですね。媚薬を嗅いだ主人公が……とか、仲間がスライムに侵入されて……とか。ラブラブ和姦エッチもあります。

チンポ3本
▲精子を出さないと死亡する状態になった男3人に手コキをする主人公。過去編の初心な状態のため錯乱中。こういうコミカル?なエロもいくつかあります。

特殊な例を挙げると、味方側モン娘(蜘蛛)による女性上位エッチ、サド目の女子学生(先輩)が亀頭責め連続射精拷問など女性が責め側があります。ちなみに蜘蛛さんは犯される側に回ることも。世界観的に難しいのですが、この種の女性責め系がもっと欲しかったかな。この作者さんの女性S側描写、責めが徹底していて凄くエロいです。

戦闘バランスとシナリオ重視って難しいよね

そして、戦闘もとてもバランスが整っており、一人一人の役割が全員異なり、適度にレベルアップし、ボス戦は汗握るけど短時間戦闘……と戦闘目的でRPGをプレイする場合でもとても楽しめると思います。オーソドックスな戦闘システムですが、バランスが整うだけで面白い…と思わせてくれます。
ただし、エンカウント率がストレスたまる程高く、プレイ時間の大部分は戦闘に……。最新Verはそれなりに軽減した模様ですが、戦闘重視である事は変わりなく、ストーリーだけを楽しみたい場合は注意が必要です。ボスなどはレベル上げが必要な程の強敵もいます。(ストーリー重視のコンシューマーRPGも同じ課題を抱えていますよね。)
回想はエロ無し15、物語中エロ30、敗北エロ9の計54です。エロCG枚数は30〜40枚。エロのうち半分ぐらいが主人公で残りは仲間の女性達になります。私はクリアまで25時間ほどかかりましたが、アップデートで難易度が調整されているので、もう少し早くクリアできそうです。2周目は追加要素があるそうですが、さすがに大作なのでちょっと気力が……。
ハード系物語だけど感動的な話も多く、仲間との会話も楽しくシナリオ重視が好きな方には是非プレイして欲しい傑作です。ちなみにメイン物語に関係ない世界観の謎をいくつか残して終わるので同世界別舞台の続編があるかも。ちなみに天下乱-RPG-の主人公はこの世界のある国に大きな影響を与えるとか。もしかしたら漫画や次作ゲームで補完されるかもしれないですね。