Lord of Hell Road 〜ロード オブ ヘル ロード 〜 (製品版)

ベルトアクション,R18製品版の感想

まあヨガチカグループ製…だと思いますが、侮るべからず!
新サークルの立ち上げだからか、何か大規模な刷新でもあったのか、これがかなりちゃんとしたアクション…、
それもまだまだ同人では少ない、ベルトアクションとなっていたのです…!
普段ネタみたいにああだこうだ言ってますが、良いものなら認めないといけない。
そういう意味で、さっそく買ってやってみましたよ。

見た目しっかりしたベルトアクション…、改心したのかヨガチカ!

いや…今回、かなり頑張ってはいると思います…本当に。
実はボリュームが心配だったのですが、そちらも全10面で、敵種類もなかなか多く。
(地獄から現世に帰ろうとする物語なので、「理を負けてでも蘇ろうとする意味があるのか?」みたいな血塗られた厳粛さも、スパイスとしては良かった)
敵クリーチャーのグラフィックとかも、なかなか良い出来かと思います。

会話 後半敵イカれ敵デザイン、ちょっと好き。造形的には[アリス淫ナイトメア]の方がもっとハッちゃけてるかな

例えばベルトアクションで考えると、[極煌戦姫ミストルティア]が2倍に拡大されたような粗いドット絵で、相当な高価格だったり…
とかあったので、ひけを取っていないなと。
特に面ごとのセーブ、ゲームパッドにもきちんと対応、プレイ中の画面拡大・縮小もできる…なんて足回りの過不足なさは、なかなか類を見ないのでは。

駆け引き・メリハリ…核の部分がごそっと抜け落ちてて勿体無い…

ただまあ…ガワはかなり良いのに、これがゲームとして面白くないんです…。
一言で言えば、「ただ設置された敵をもくもく倒していく」感。
プレイしてると反面的に、過去の名作ベルトアクションがいかに駆け引き・メリハリに心を砕いていたかを痛感するほど。

脱衣ダメージで脱衣だ

例えばベルトアクションのお約束として、一発~三発目の攻撃が変化するってのがありますが、あれは何故なんだ、と。
距離間が重要なゲーム性で、様子見となる一発目のジャブ、少しリスクを犯しながらも、大ダメージを畳み掛ける二・三発目…という流れなのですね。
そんな風にメリハリ、敵に囲まれる中での判断…とかを積んでる訳ですが、本作は常に一発攻撃です。
主人公も敵も、だいたい一発の攻撃で倒れる・起き上がりは無敵時間で半透明へ。
これだと攻撃ごとに状況がリセットされて、駆け引きは随分浅くなりますね…。

犯され脱衣状態でぶつかると犯され。フィニュッシュ(射精・絶頂)が無いのは悲しい…

あとよくよく観察してると、敵の当たり判定が「攻撃した瞬間」に発生してます。
つまり剣を振りかぶった時には、主人公がもうダメージを受けてる。(当たってから敵の攻撃に気付く…)
そして微妙に判定が左右・奥にデカイ。
上で書いたように、ダメージ後に付いて回る無敵時間。
ストック可能な回復アイテムをかなり拾える。
つまり距離を窺いつつ立ちまわる魅力はどこへやら、基本、ゴリ押し・殴り合いが前提のデザインに…。
(そもそも主人公の攻撃が二種類ありますが、同じ感じのモーションが大小二つ…。縦・横切りとか、斬り付ける・突くとかで、分けないのでしょうか…)

中ボス抑揚の無さを打ち破るように、3面で中ボスが! 周りを吹き飛ばして突撃してきます。グラフィックの見栄えはかなりの物が

敵ごとの挙動もなんだか近づいてくるだけ…で被りがちですが、さすがにそれだけではマズイと思ったのか、魔法弾を撃ってくる敵もいます。
…がこの敵、”一定間隔で”・”斜めにも弾を飛ばしてくる”仕様。
(比較としてちょっと卑怯ですが)ファイナルファイトを思い出してみて下さい、ナイフを投げてくる敵とか原則、横ラインじゃなかったですか?
もちろん斜め方向の突撃もありましたけど、ここはかなりセンシティブに扱わなきゃいけない場面だと思います…。
それなのに、そういう敵をぽんぽんと等間隔に配置。
これでは奥行きの意味さえ曖昧に…

オーガ オーガ犯され落ちてくる岩を食らいながら倒すオーガ。当たり判定のでかさに、ついかわすのを諦めてゴリ押しに…(追い詰めるとボスの行動変化とかも無し)

面構成も、(地獄だからでしょうか)似たような背景が続きます。
チュートリアルで壁を壊した時にはおおと思いましたが、以後、そんな感じの新手の面ギミック・演出は無し。
デモ会話とかは多めですが、これも本来、ストーリーのメリハリを促す為だと思うんですね…。
つまりザコ敵前・ボス前みたいに、同じ部分にありすぎというか、もっと予想外の所で発生する感じでも良かったのでは…

頑張ってはいると思う…。コストって面も大きいけど、センス・仕様一つで何とかなりそうな所も

ただこれらは多分、手を抜いてる訳じゃないと思う。
弾を撃ってくる敵・必殺で壊せる壁・大型のボス…。
なんとかメリハリを作ろうとして、それでも「あれ、思ったより面白くならない」ってなってるのが伝わります。

エロシーン1HP0になると、相手によってエロシーンへ。

そもそも本作、落ちたコインが自動で主人公に集まって、一定数でLVアップ…といった要素を見るに
(ベルトアクションでは異例ですよね、アイテムをどのタイミングで拾いに行くか…これも一つの醍醐味ですから)
駆け引き系ではなく、もっと”爽快感のある”…広範囲技で敵を一方的に殲滅とかしたかったのでは。
あるいは、HP少なくなると犯される・ゲムオバると敵ごとのHシーン…という仕様からして、「何度もやられる内に、強くなって進めるようになる」とか。
それならドツキ合い+回復アイテムのゴリ押しだけで割と進めちゃう現状は、チグハグだなあ…と。

Hシーン2絵はえろい、ボイスもあり。もう少しシーンが長ければなあ…

アイテムにしても、必要なのは4種もあるHP回復ポーションじゃなくて、
必殺ゲージ回復をほとんどアテにできないくらい遅くして、MPポーションを落とすようにする…。
あるいは、周りに落雷を落とすみたいなボム系のアイテムだったのではないか、と思います。
あとは面開始やコンティニュー時にお店があって、アイテム購入や能力アップを自分で決められる…とかね。
最後まで進めばH要素が全解放されますし、「エロゲに手応えとか要らないし」みたいな商業的判断も途中であったのかなと邪推…
まぁそれも一理あるんですが、骨抜きのベルトアクションでは、そもそもの意味がないな…と思ったのでした。
やりこみんの遊べる同人ゲーム攻略さんが攻略など行われています。