このサークルさんの前作[DARK SPHERE 〜黒き少女と魔宮の王国〜]、(ツクールVXAce上なのに)かなり滑らかにぬるぬる動くアニメ……
というだけでも凄いと思うのですが、今作はそこだけに留まらず、
エロRPGでは[KICHUREA]氏以来、定期的に見られるモノクロ形式に仕立て、更には”レトロホラー”をもガジェット的に取り入れる……。

この練り方は好みだ、とさっそく予告版をプレイしてみました。

⇒製品版の感想はこっちに書きました

ホラー、ダイス判定でのSAN値、そして追い掛けて来る殺人鬼。これが上質な探索ADVか


開幕すぐに騙され、どう見てもスリルな死の村に閉じ込められてしまった主人公。
脱出するにはあちこち調べ、恐怖体験や理不尽死にびびりつつも(死んでもすぐにリトライできる)
キーアイテムを入手していくしかない……という探索ADV。

ただこの手のツクール製エロ探索ADVにありがちな、
「次はあっちへ行って、話を聞いたらこっちへ」
みたいなお遣いとは、3つの要素で一線を画しています。

光がつく
▲調べられる所に近づくと、ポッと色が付く

1つは何といってもホラーテイストなこと。
その為の演出が、探索にも面白い影響をもたらすんですね。

例えば”調べられる所に近づくと、対象がモノクロからカラーになる”という演出がありますが、
これ、ゲーム的には、どこを調べるのか検討も付かず迷う……ってのを防げますし、逆に「初めから調べるべき物が光っててシラける」事もない、丁度良さ。
主人公が歩くに応じて起きる演出でもあり、有意義なギミックだと思います。

他にも、危ない場所に踏み込む前にはきちんと、主人公が弱音や愚痴を吐く。
これは恐怖を煽る効果がありますが、
とかくエロ探索ADVだとただ黙って移動しがちなのが、一つのシークエンスになって楽しい。

そしてもちろんホラーの王道……イベント絵を使ってのパニック演出で、展開に急激なメリハリもあり。

ダイスチェック ゲームブック風悪夢
▲”ベッドで寝て体力回復”さえもダイス判定。失敗すると悪夢を……。今いち不条理な理由でダメージ喰らうのがまた海外のゲームブック風

そうして突然の不測の事態に見舞われた時に、2つめの要素が後押し。
テーブルトークRPGよろしく「ダイスチェック」が発生します。
いきなりピンチ、必要な値は4以上。さあ生き残れるか! と、ただの受け手だった視点からスムーズに固唾を呑ませる、良いランダム性だと思います。
(ちなみに生命値やSAN値の増減もありますが、リトライが容易なゲームなので、雰囲気だけっぽい?)

オープニングの、とつじょ凶刃を剥いたモンスターババアに出食わし(イベントスチル)
泡を食って逃げ出すけど(歩行グラフィックが全力ダッシュ)
生い茂った草に足を取られてしまう、さあ体勢を立て直せるのか!(ダイスチェック)
なんて、演出とシステムが良い感じに絡み合った、この面白さをすぐさま体験できる場面でしょう。

ババア1 ババア2 ババア3
▲本作の密かな主役、凶刃ババア! 捕まると戦闘、初期状態では死亡必至……!

そして最後の3つめは、やっと落ち着きを取り戻し、ぼちぼち村を探索してると、
(シザーマンよろしく)ジャキンジャキンと鋏っぽい音が聞こえて恐怖のババア到来。
そうなると一転、「近くの空き家に逃げ込んで身を隠さないといけない」フェーズへ移るということ。

ご丁寧にも「ババアに見つかり近くの民家に逃げ込もうとしたら、何故か鍵が掛かってて大パニック(ちなみに鍵が掛かってる家は毎回ランダム)」
「ようやく民家へ隠れ、安堵したら、窓を突き破ってババア乱入」
まで起こるという凝りっぷり。

大きいシステムから細かい演出まで、ちゃんと探索ADVの面白さを追求する姿勢が感じ取れて、頷けるものがありました。

地獄メイド バーテン OP立ち絵
▲雰囲気あるスチル。そして実は主人公のキャラのおかげで凄惨にならない

ちなみに意外だったのは、これだけベタベタにホラー的な所を狙っていながらも、
主人公の魔法使いがいちいちヘタレ可愛い・怖い目に遭った時の慌てっぷりが良好すぎて、陰湿にならない……というキャラ付け。
(追い掛けて来るのがババアなせいもあって、もう漫☆画太郎的な何かに近いような)

結果、パニックぽい演出はあるけど上手く緩和されて、心臓がドキドキし過ぎない、
「次はどんな予想外の演出で来るんだろ……」というのを、怪奇に遭遇した主人公のリアクション込みで楽しめる、ライトな遊び心地になってると思います。
(上手くゲームナイズされてて、ここも感心する所でした)

ゲームオーバー
▲理不尽に死んでも死んでもリトライだ 設定的にリョナとかにも向きそうですが、そっち要素は一切なさそう。

異種姦とレズのアニメHシーン


水の精霊1 水の精霊2 水の精霊3

Hシーンもまた、調べた結果やらイベント進行上やら、突発的な流れで発生。

ほの暗い井戸の底を覗き込み、良かった何もない……と一安心した直後に
名状しがたき物が這い上がってきて犯されるとか、
アイテムが揃ってない状態で危険な箇所に踏み込み、女吸血鬼にレズられる、など。

女吸血鬼1 女吸血鬼2 女吸血鬼3
▲セクシーな化け物もいる様子。モノクロなのにぬるぬる動く、というのは何か新感覚かも。

ただオカズとして考えると、
アニメH基本枚数12枚、挿絵枚数11枚

とボリュームがやや気になるのと、H嗜好的にもやや描き方が平凡、深い描写が無いかな……と。
アニメが気に入るか、という話になりそうです。

(実は女吸血鬼のみ、性行為で生き血を啜る設定のため
”月経混じりの恥垢(マンカス)美味いぞぉ”という、かなーり濃いレズシチュで気に入ったのですが、これは特異ケースだと思うので……。
しかし謳い文句は”レズと異種姦のグリモワールなエッチ”との事なので、製品版ではどうなるかな?)

ホラー×探索ADV特有の弱点も


チーズさがし
▲アイテム探しは、「チーズ」を切り取る「ナイフ」の為に、まず部屋に入る「鍵」が必要……と結構入り組み、平行してる。解け始めたら一気ですが、ホラー的なリスクもあり、初めはなかなかジリジリします

あとはどうしてもこのジャンルの欠点として、
謎解きに詰まり、同じ所をウロウロ繰り返す→ホラー演出が尽きてしまい、ダレてくる(適度に驚かせ続けないといけない、ホラーの悲しき宿命……)
ババア接近フェーズでも、何度かすると慣れて来て、ハイハイお婆ちゃんって感じのルーティンでこなしてる自分に気付く……
という予感が少し。
(詰まった時の攻略メモも付随してますが)

とはいえ、予定価格を見て驚いたのですが、これが700円+消費税という。
私的にはもっと高くても構わないのだけど……という意匠を感じ取れましたです。


製品版の感想は[レメラボ]さん、
[暇だからゲームでもするか]さんが書かれていました。