アンヴェイルド —名探偵シャーロットと血濡れた切り裂き魔— (体験版)

2025年3月1日RPG,R18ストーリー良さそう

「20世紀を間近に控えた1886年に、そんなホコリまみれのこと言ってるの、あなただけだよ」

新探偵、登場……!?
しかしこの作品は物語の語り口が良くって。一言、惚れ込みましたねえ……。

その物語描写は随所にありますが、強いて言うなら、もうタイトル画面からして良い。
バックショットで持つ両手には、古式ゆかしい貴族を示すサーベルと、近代と活動性(探偵)を象徴する銃が。(あとお尻、パンツも見え……)
シネスコ映画みたく上下を切り取った構図ながら、アニメ塗りぽい色分けも映えてる。

名家のお嬢様は、酒もタバコもクスリもやる放蕩娘。煮え切れない婚約者にも激昂……、こんな子で大丈夫か?

で、その後ゲームを始めて目にするのは、実際に”白黒映画”を見ている一組の恋人……と繋がる訳です。
これはイメージの連続でもありますが、実のところ、何となくの時代性も示してるんですね。
(あとに「20世紀を間近に控えた1886年に、そんなホコリまみれのこと言ってるの、あなただけだよ」と確認するように言う)

そしてその時代、都会の遊んでる(先進的な)女性である主人公は、その代表的な振る舞いとして「タバコも酒も、クスリもやる」し、冒頭から婚約相手である恋人をワガママ放題に振り回す。
恋人をホテルに誘い、放蕩娘と自嘲したかと思いきや、それを否定しない相手の態度に激高。
主人公は貴族出身との事ですが、激昂すると品の悪さ、はすっぱな言動が否応なく目立つ……。そんなキャラ像。

仕舞いには「婚前交渉は家名の恥になる」とかぬかす保守的な婚約者に、自ら乳房をさらけ出し、迫ってみせる……。
こんなカットが窓越しのスチルよろしく示される雰囲気が素晴らしい。

……そう、本作は登録タグ「女性上位」となっていますが、あぁこういう事かと。
時代性が描けてるからこその女性上位があって、いわゆるモン娘逆レイプ等とは異なるトーンがあるなと…。

彼女の苛立ちの理由は、その後、話すうちに見えて来て(なんとなく彼氏の煮え切らない態度以外に理由がありそうでしたが、こういう風に一貫性があるキャラ作りの時点で、上手い、と思えるわけです)
そんなシャーロットは婚約には相応しくないという事でしょうか、
どうも相手先の両親に嫌われており、「花嫁修業」と称して明日には田舎の島に送られる予定となっていたのだ……と。
シャーロットは「そのまま(幽閉されて)別の恋人を探すつもりなんだ」と悲観していますが……
(こういういかにも貴族なムーブ、家柄の描写があればこそ、そこで浮くヒロイン、というのが迫真となって良い訳ですよ……)

花嫁修業せよと送られた田舎で、探偵としての捜査が始まる! キャラ立ち抜群!

果たせるかな、田舎にやって来てみれば、不自由と退屈といじわるばかり……と思っていた矢先、この小さな村で殺人事件が起きる!
しかもここでの世話人だった宿先のおじさんが被疑者として逮捕され……。
かくて都会から来た美しく自立的で、荒んでもいる貴族娘、シャーロットの事件捜査が始まる……! と。
もはやキャラ立ちはばっちり、でございます。

作品説明には『探偵サスペンスRPG』となっていますが、ムリめな密室トリックが目立つ「探偵モノ」というより、ちゃんと証拠とアリバイを固めるべく”捜査”をしていくRPGなのも良いですね。
(物語の都合上、警察は見落としだらけの無能ばかりとなってますが、まぁ仕方ない)

能力値次第の複数の解き方、証拠を見付けるアナライズコマンド、戦闘エロも敗北バッドエンドも、多段階エロもあります

驚いたのは物語だけで満足せず、RPG的なシステムもしっかり絡めてくる事で、冒頭「生い立ち」を設定、これにより戦闘能力やセックスアピール、知性が決まる……なんて事が。
なんだろうと思ってたら、捜査上でのピンチを突破するため、(ちょうどTRPGみたく)各場面で能力が問われるという。

例えば、捜査資料を渡す事を拒む警察署長を、さぁどう攻略するか……。
「知性」が高ければちょっとした手掛かりから不倫の事実を突きつけて脅せますし、「戦闘能力」が高ければスゴむことも。
そしてセックスアピールが高ければ、当然エロ誘惑へ…。
いずれも足りない時は(ハマっちゃうといけないんで)お金で解決(賄賂)も出来ると。

あるいは別場面では、それら能力値の選択肢とは別に、パスワードを自力で推理、言わばプレイヤーが解くのも有りという。
まさに常に幾つかの道が用意され、自力で解決してる感が得られるのでした。

あと最終手段たるお金を温存しておけば、アイテム購入により、別場面で(例えば戦闘などで)助かる……というのも、きちんとシステムとして締まりが良いものだな、と。(頑張る動機になる)

そして「捜査もの」としては、ボタン一つで「アナライズモード」へ切り替え、落ちている事件証拠をくまなく探すのだ……みたいなワンステップまで入れてるのも良いですね。

(あとここで本作が欠かせないのは、お尻=パンチラ要素。
本棚の資料を取ろうとしてなぜかチラ(スカートが短すぎる……)、落ちてる物を拾おうと、深く屈み込んでの魅惑の三角ゾーン。
とにかくアレコレの手練手管で毎回パンツを見せて来る、この種類がやたら豊富なのもGood!)

そして本作で「まだあんの!?」って感じたのは、そのような「ゲームとしてのキャッチー要素の詰め込み感」。

体験版範囲の終盤、確たる証拠を掴むため、殺害現場である森に足を運んだシャーロットはゴブリンと出くわし(えっ、そういうのある世界観だったのってなる)戦闘エロから、敗北バッドエンドまで……。

ちなみにエロシーンとしては初見、やや絵にキャッチーさが足りぬかも……くらいに思ってましたが、敗北バッドエンドでは、レイプや命の危機にガチビビリ。
うん……分かる……。賢い女が命乞いするのは実に気持ちがすきますねえ……。
しかもゴブリン敗北バッドエンドでは、いわゆるこれもエロRPGの人気一要素である「プレイヤーの操作を間に挟むエロ」の形を。
つまり突然、捜索隊を操るようなパートとなり、そうしてゴブリンの巣で捕まった女(シャーロット)を見つけるわけです…
発見されたヒロインは、ゴブリン謹製の毒が脳に回り、孕まさ、完全に精神崩壊していた……。
バッドエンドでふいに苛烈な描写を入れてくるのも刺激に溢れてますね……(そしてこれも普段の探偵として活躍するキャラ性ありきのギャップ、なのだ…)

またクリア後には、新しい場所へ行く前に平穏を取り戻した町を見て回ろうって体裁で、いわゆる町エロというか「段階エロ」も用意、更にやりこみ用のダンジョンまで出現……?

あとまぁ普通のH描写でも、毎晩寝る前のオナニーが日課のシャーロット、
ここではお気に入りのバイブが無いのでペンを使うことに……という流れですが、
「もう初潮前にはクリいじりを覚えている」ので、今ではペン3本ぶっ込まないと(ゲームのテキストそのままの表現)
イケないようになっていた、という咥え込み描写も好きでした。

主人公逮捕で、第一話完! 第二話からは要請に従って捜査協力……。まさかの賢い女どうしのバディものが始まる!?
キャラもストーリーも面白い

この時点でまったく満足感が高く、ヤラレとる訳ですが、ストーリーの上手さとして「先の読めなさ」も備えていると思って、
体験版=第一話では、飛ばされた先の田舎事件を見事解決、これで周りの見る目も変わり、再びお嬢様のような暮らしを取り戻せる……と意気揚々してたシャーロット様ですが、
普通に色仕掛けや暴力を交えた強引な捜査法がバレ! むしろ自分が逮捕の憂き目に。
だがそこに、FBIぽい? 女が訪ねて来て……。
と、(釈放の代わりに)捜査協力をする事となる展開を迎えるのが第二話め。

おまけにこの女、エリート故に自分以上に賢い女など居ないというような不遜な態度。
気に入らないねえ……。
とまぁ、ここに来て「賢い女同士のライバル&バディもの(お尻は二人ぶんとなる)」さえ出してくるという、物語の引き出しには舌を巻きました。

サークルさんは既にゲームで数えても4作品出しておられますが、正直、今まで目を向けてなかったのが後悔するくらい、構成と話づくり(それにRPGとしても)よく出来てるなあ、と感心しましたね……。

体験版はプレイ1時間20分くらい

・この作品のゲーム実況はここでしてます

製品版の感想は以下のサイトさんが書かれていました↓

サークルさん過去作(ゲーム):
[遮光 ―手垢まみれの少女と、輝く堕落の街―]

[レイニー・デイ ドール・ラブ ―人形と恋するNTR RPG―]

[手垢まみれの花でよければ ―援交少女に恋をした―]

関連:
この辺りを思い出した:
[古書店のパステル]

[危険なマキナにご注意を!]

[蒸気都市の探偵少女]

[悪魂入りのカティ]

[名探偵千春]