オーレクタ砂漠の魔術師 (製品版)
*この感想は [さたける]さんに書いて頂きました。
篭絡に罠……戦闘を避ける「TRPG」らしさ
体験版の感想でも、TRPGらしさを感じると述べたのですが、製品版はその傾向がさらに強まっています。また、実際のテーブルトークでは難しいエロ要素がTRPGと綺麗に融合している点はアピールポイントかと。
遺跡内のあらゆる場所を調べて、人々と会話しながら探索範囲を広げて新たな発見をする。……このワクワク感はファミコン時代のレトロRPGの楽しさを感じます。前作も同様に感じますが、今作はさらに上のワクワク感がありました。
グラフィック・音楽・システムは既存ステルスRPGと差別化を図るよう力が入っていますが、それでいて本質は今は忘れ去られ気味のTRPGをコンピューターゲーム化しようと試行錯誤した時代のレトロエッセンスがしっかり抽出されたゲームだと言えます。
戦闘をなるべく避けて効率化をはかるのはTRPGの基本ですが、本作も同様です。戦闘で倒してもいい、色仕掛けで篭絡してもいい、そして罠で無効化してもいい、時間経過で敵がいない隙をついて侵入してもいいと、この自由度の高さはやっぱり本作の魅力ですね。
色仕掛けだとアイテムを入手したり、戦闘を回避するとボーナス経験値で大幅レベルアップしたりと正面戦闘を避けるほど報酬が豪華になるのもTRPGらしかったり。
また、中・後半は、隠密で隠れても匂いで発見する犬や、暗闇に紛れる暗殺者など簡単に先に進めなくなります。でも、匂いを消す装備や人のいる場所がわかる装備を入手すると難易度が低くなるなど戦闘に関する自由度もあります。
同じ場所で何度も変化するイベント
ゲーム全体のマップ量は少なめですが、計算して作り込まれたマップ構成と時間経過イベントで一つ一つのマップが密度濃めです。どの部屋も意味があり、無駄がありません。
侵入してしばらくは砂賊を避けつつ深部への移動を続けますが、地下3階層あたりで砂賊の住居や商人達のバザール部屋など対話できる人がいる空間が増えます。
女給の服を見つけたので、女給の恰好で情報を入手し、娼婦の服を手に入れたので、売春部屋で客を取ってお給料を稼いだりとアイテムや服を見つけるたびにできる事が増えます。
砂賊のアジトあたりは、まだ比較的平穏だけど、下層に進むごとに暗殺者の住処、邪教の巣窟とどんどん不気味な様相になっていきます。特に最下層の邪教信者がいる層はリョナに該当する出来事も多々あり、暗い雰囲気と相まって陰鬱とした層です。
それでいてフラグ管理による時間経過がしっかりしている点が面白さのポイントかな。同じ場所でも物語の進行具合や時間経過で別のイベントが発生するため、脱出系でよくある前のマップに戻る面倒臭さが軽減されています。
例えば、最初は誰もいないある場所、主人公が調査をして戻ってくると砂賊達が酒盛りしています。女給の恰好でお尻を触られながら情報収集する主人公。そしてしばらくして再度訪れると酒盛りしていた砂賊が全員寝ていたり。
時間と共に嬲られていくエルフ
時間管理イベントで一番良かったと思えるのは冒険者エルフです。出会った時には遺跡で捕らわれの身となり魔法封じの刺繍をされ、輪姦されてぐったりした状態。しかし、救出すると主人公の存在がバレるため、エルフはそのまま放置して脱出方法を探る事になります。
そのエルフですが、時間と探索が進むと定期的に犯されるイベントが発生。また、知り合ってしばらくしてから通気口で牢屋を覗いて輪姦される様子を眺めたり、牢屋に来たらエルフが(ドットで)犯されているので見つからないように退散したりしたりと心の中で罪悪感に苛まれながら傍観している主人公。←これ、もし主人公が男だったらネトラレ展開に良い演出。こういうある意味ドライでしっかり冒険者してる主人公ってあまりいないですよね。
彼女を救出せずにクリアする事も可能ですが、できれば救出したいですね。それには彼女の魔法封じを解き、脱出できる経路を見つける必要があります。
基本CGは約20枚。回想は30くらい(体感ですが)。クリアは1回3時間ほど(何度もスニーキング失敗でリセットしたので実質は4時間ぐらいかな)。複数のエンディングも健在、1回のプレイ時間は短いながら何度も遊びたくなる出来栄えです。ステルス系としては前作もトップレベルを誇りますが、本作は前作以上に優れていると思います。
ちなみに、クリア時に称号を入手するのですが、この称号探しと並行した縛りプレイは面白そう。おそらく誰にも発見されずにクリア可能だし、誰も倒さずクリアも可能。処女クリアもビッチクリアも可能。それぞれで攻略法は全く異なってくるので、ここでも自由度の高さが伺えます。
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