ドラゴンと黒竜の巫女 (製品版)

ARPG,R18ライター:さたける,ドラゴンと黒竜の巫女,製品版の感想

*この感想は [さたける]さんに書いて頂きました。
LIMIT CYCLEのRPGは開発中ゲームを含めてすべてレトロタッチのゲームで、レトロが好きなんだなっと感じるサークルさん。前作「ドウグヤノムスメ」にて宿屋の女の子が借金返済のため売春する物語を作っていましたが、幸薄そうな女の子が嫌々売春を初めて、それがだんだんエロくなっていく姿が良かったのを覚えています。
このサークルさん、リアルとアニメの中間のような独創的なCGを描いていて、線の細い儚げな女の子を描くのが上手です。目が小さい、表情がアヘ顔じゃないのにアヘってるなと感じる表情ができるなど。エロRPG界隈ではあまり似た絵師さんはおらず、このイラストでプレイできるのはこのサークルさんだけと言う強みがあります。

ダンジョンの迷路を辿って謎を解く!パズル感覚が楽しいハクスラRPG

今作はUnity製自作プログラムの横スクロールRPGです。男主人公が依頼を受け、地底王国の調査を行います。地底王国は全てが上下移動あり横スクロール型のダンジョン構成です。その中に宿・神殿・武具屋など村っぽい場所が点在しています。雰囲気は月下の夜想曲以降の悪魔城ドラキュラです。システムは全く違いますが、ダンジョンの見た目はドラゴンスレイヤー4かな。

街
▲酒場で会話。孤独な冒険なので立ち絵キャラがいると癒されます。

左右ボタンで移動し、梯子があれば上ボタンで登れます。ただし、ジャンプができません。(最終局面で空中浮遊できるアイテムを入手可能ですが、本当にラスト近くです。)そのため、穴に飛ぶなど下に降りる行動をすると、元の場所に戻るために異なる通路を探す必要があります。地底王国は迷路になっているので、探索して村や神殿を見つけていきます。純粋な迷路探検ゲームですね。

ダンジョン1 ダンジョン2

敵は体当たり判定で倒します。敵にぶつかると、まず、主人公が攻撃。倒せなかったら敵の攻撃を受けます。体当たりしている間はこれが交互に。見た目はアクションRPGなのですが、実際は純粋なレベルや武具でごり押しするハクスラ系統のゲームです。ただ、横スクダンジョンなので、普通のハクスラとは感覚が異なって新鮮です。
そしてダンジョンにはボス部屋が点在しており、部屋に入るとボス戦。演出は巨大だったり独特な動きをするので雑魚戦より迫力ありますが、実際はタックルするのみという単純明快さ。やっぱりボス戦も純粋なステータスが物を言うハクスラ。雑魚では勿体なくて使用しないポーション片手にひたすら体当たりです。

ボス

序盤は迷宮探索が楽しくて、敵も一撃で倒せるような難易度でサクサク。これが中盤になると踏むとダメージを受ける棘トラップや一撃で倒せない敵が出現します。すると敵の攻撃になるのですが、一部の敵は一撃で主人公のHPを50%以上奪うような凶悪な敵も。(無理に倒さずそのまま通り過ぎれば一回ダメージで終わり)。ポーション回復で強引に進むか、安全な通路を探して探索するか試行錯誤しながら先に進むようになります。すると武器屋・防具屋が見つかり、装備すると凶悪な敵も一撃で倒せるように。そして通れなかった道が通れるようになります。
迷路を手探りで探検しつつ、行動範囲が大きくなるワクワク感、そしてレベル上げや武具の変更が目に見える形で実感できる楽しさがあります。後半になると空中に梯子が浮いており、地面より梯子で移動するなど探索の質も変化します。

ダンジョン深部

ただ、終盤のバランスはきつめで難易度が高いルーチンワークでした。2撃で死亡してしまう敵の攻撃。それが大群わさわさ。ポーションを大量に買い込んで、ひたすら逃げて終盤の街へ。そして、相当な値段の武器や防具の金策レベル上げ。まともに攻略すると結構時間を使います。(チートな装備があるので、簡単に攻略する事も可能)

巫女ならぬ娼婦と心を通わせる娼婦攻略ストーリー

主人公は名うての冒険者。ひょうきんな性格をしており、なんだか憎めない野郎。女を見れば口説かずにおられず、セリフが芝居がかっていてどこかハードボイルド探偵小説。常に冗談を喋っているような感じで目的(邪教の調査)を隠しながら。臭いセリフを連発して口説いています。シナリオ後半になると、一転して状況をよく見て対処する能力、女性を命がけで救おうとするなどかっこいい役回りも。
テキストの進みが遅いのは少し気になるところ(一応ctrlで早送りは可能)。だけど主人公のセリフは愉快。主人公以外もシャレを感じさせるセリフが多く読み応えがあります。作者さん、アメリカンコメディドラマとか好きそう。

セリフ1
▲神殿の奥で神像に向かってオナニー。情景描写に思わず笑ってしまいました。

セリフ2
▲女と見れば口説く男。キザなセリフを連発

セリフ3
▲つまり礼は取らないと。こういう言い回しが多くて面白い。

イベントは酒場の会話と各地の神殿で、敵モンスターを倒すとたまる「カルマ」をためて巫女に会う事で進みます。巫女達がお祓いセックスするとカルマが神殿に吸収されます。娼婦ならぬ「聖娼」ですね。しかもエッチしてお金が貰える一石二鳥の関係です(ゲーム的にも武具購入の金策になる)
ヒロインは4人登場しますが全員邪教の巫女さんなので、交流はセックスから始まります。熱心な邪教の信者、セックスが好きで巫女になった女性、奴隷として買われ無理矢理、巫女をやらされている少女一部、積極的なエロをしながらも巫女No1になれないコンプレックスを抱いた女性など。
酒場で遭遇したりもありますが、基本巫女とは寝る時しか会えない間柄。孤独なダンジョン探索で冷え切った心を巫女に癒してもらうのです。

巫女1 巫女2

巫女3 巫女4
前戯からしっかり言葉で優しくして、身体は受け入れ体勢ができるまで開発して……と女性を感じさせるセックスを心掛ける主人公。そして挿入しても優しく…。だけど限界が近づくとカルマに媚薬効果があるのか、主人公は我を忘れる傾向。序盤は優しくして気分を盛り上げながらも最後は何度も放出するなど激しいセックスが楽しめます。そして行為の後は寝物語を楽しみます。主人公に身体だけでなく心も繋がる考えがあるため、全員を口説く…と。まあ、商売女とセックスしながら身の上話を聞いたり口説く物語です。各娼婦3〜4枚のCG数ですが、シーンの最中に入れ替えるなどの工夫をしています。娼婦と友人・恋愛?そんな関係に発展させていく王道物語です。
1回目のエッチは全然知らない女の人と手探りなセックスをしながら、2回目以降に再開した時は気安く呼び合う間柄になり、さらに大胆なエッチになっていき、そして事件の核心に触れる頃にはそれぞれの巫女に対して異なるアプローチで接していきます。

エロ11 エロ8
▲消極的な巫女には優しく、エッチ好きの巫女には大胆に。各巫女で主人公の責め方は全く変わります。

写実的で繊細なタッチのCGがなかなか素晴らしいので興奮します。また、娼婦の素顔にも触れる王道的な娼婦系のエッチを真面目に体験できる新鮮さも。普通のエロRPGの娼婦は、いわゆる本筋の娼婦とはイメージが異なりますからね。
女主人公の娼婦RPG「マグメルの娼婦」を男性視点でプレイできたら本作のような感じになるのかなっとも思ったり。
終盤は巫女達を巻き込んで怒涛の展開。ラスボス戦前はRPG要素どこいったっとばかりにノベルパートが連続で行われ、様々な謎も解決。(主人公のカルマが上質な理由など一部不明のまま終了してますが)
各巫女でそれぞれイベント数は3〜5。CG枚数は計17枚。エッチ以外の部分だとラストでそれぞれ4人共異なる立場で話に絡みます。クリアまで6時間ほど(たぶん指輪を使うと2時間ぐらい)アクションではなくRPGが好きな人が楽しめそうな本作、そしてファンタジーで本格的な娼婦物語を楽しめるエロの方向性、個性的なタッチのCGと色々な意味で独創的なゲームです。