リズム痴漢 (製品版)

その他形式,R18製品版の感想,ライター:エローン大君

リズム痴漢
リズム痴漢[スフィーミキャッツ]

*この感想は [エローン大君]さんに書いて頂きました。

DL数64なのにレビューが5件!?エロ+リズムゲーに挑んだ意欲作

タイトル画面
▲タイトル画面を見ても謎は深まる

なんでこんなにレビューが多いんだ!?レビュー5件って、普通は1000DLクラスだぞ!?
というわけで、色々と謎に包まれたゲーム、スフィーミキャッツさんの「リズム痴漢」を紹介いたします。
エロ同人ゲームは多々あれど、ゲームジャンルによってはエロと結びつけることが非常に難しく、「存在自体がほとんど見当たらない」ものがあります。
例えば、レースゲーム。RCGとエロを組み合わせた「キャノンボール・ワグナス」は、ノベルパートでエロを補完しており、ゲームとエロを完全に分離しておりました。
それ以上に難しいと個人的に考えていたのが、「リズムゲームにエロを組み合わせる」ということ。
リズムゲームというのは、まず「リズムを取る」ということに集中力を取られるため、エロに割く思考はまず出てきません。
そんな中で登場したのが、ガチもののリズムゲームとして登場した本作「リズム痴漢」でございます。
DL数1000オーバーの作品でもレビュー数1・2のものがある中で、レビューが5件(しかもオススメ率が高い)という謎のゲーム。
前作「魔王サーカス」から画風を変えた本作。果たしてどのような内容なのでしょうか。
その前に、ちょっと前置きを挟みますので、下の見だしを見て「あ、知ってる」と思った方は、次の見だしまで飛んでください。

音ゲーとエロ同人についてのちょっとした振り返り

音ゲーというジャンル自体、be○tmania・D○Rブーム終了後から離れた方だと、現状が分かりづらいと思いますので、軽く解説を。
現状では色々と細分化が進んでおりまして、上下・左右から流れてくるノーツを元に演奏をシミュレーションさせる、昔ながらのものばかりではありません。
最近は、タッチパネルやボタンで「タップ・フリック・長押し」等を駆使してリズムを体感させるものを、よく見かけるようになりました(crossb○ats・グ○ーヴコースター・RE○LEC BEAT等)。
変わったものでは、リズミカルなもぐら叩きで北斗百裂拳じみた動きをさせたり(j○beat)、コインラインドリーじみた筐体でプロのガラス拭きみたいな動きをさせたり(m○imai)、「音楽のリズム自体を楽しませる」ゲームが主流になりつつあったり。
かわいい妹にリズムに合わせて腰を振れだって?!
▲実はけ○おん!の二次創作として、続編も作られていたりする
そんな音ゲーというジャンルですが、実は音ゲーのエロ同人自体は、既に存在しています。
一番有名なのは、惑星在住さん・犬の骨さんが出した「かわいい妹にリズムに合わせて腰を振れだって?!」でしょうか。
「体験版のスコア次第で製品版無料配布で話題」(※音ゲーマーを自称する人なら誰でも取れるレベル)となりましたが、昔ながらの「上から落ちてくるノーツに合わせてボタンを押す」という音ゲーマーとしては親しみやすい仕様。
そして、映像(BGA)としてエロいアニメを流しつつ、抜きどころ用に「片手のみを使わせる譜面」を作る、何故かDJモードまで用意されているなどかなり興味深い作品となっていました。
何だかんだで1000DL近くまでいっているので宣伝効果はバッチリだったのだと思われます。
音ゲーというジャンルが細分化していく中で、2006年に彗星のように現れてヒットしたのに、フォロワーがほとんど現れなかった音ゲーがあります。
本作、「リズム痴漢」という名前を見て勘づかれた方も多いと思われますが、それこそが本作のパロディ元である「リ○ム天国」(つんく♂プロデュース)です。
フォロワーが現れなかった理由は、音ゲー自体が「曲・映像(BGA)・譜面」さえ用意すればゲームが成立するような、システマチックなジャンルであるのに対し、「リズムに関するミニゲームを複数用意」(1つずつルールや演出が違う)となると製作のコストが大変なことになるから、だと思います。
プロが足踏みする中で、その壁に真っ向から挑んだのが本作「リズム痴漢」となります。

リズムにノれればエロ天国!やり込み要素もたくさんなゲーム

リズムゲージあり リズムゲージあり・成功
▲ステージ4の例。真ん中に赤色のノーツが来たときにボタンを押そう

リズムゲージなし
▲曲が進むとリズムゲージが消えて、クリアゲージへと変化する。ここからはリズム感が頼りだ

「リズム痴漢はリズム○国」のパロディと言っても、「少ないボタンで遊べるリズム系ミニゲームの詰め合わせ」という程度で、面影らしい面影は「アイドルの握手会」の司会のおっさんくらいです。
ゲームルールは、声・効果音や画面内のアクションを見て、スペースキーをタイミング良く押下、それだけ。
最初は上にボタンを押すタイミングを示すゲージが表示されますが、途中からは声・画面内のアクションのみがヒントとなるので、如何にリズムにノれるかが大事です。

ステージ選択
▲ステージ選択画面。パーフェクトクリアをすると、上にPマークが付く

全6ステージに、難易度が上がった「EXTRA」が各ステージにあって合計12ステージ。リズム判定自体も本家ほどではない印象ですがシビアで、EXTRAに至っては本気で難しい(※後述)のでやり込み度はバツグン。
元ネタでは「やりなおし」「平凡」「でも平凡」「ハイレベル」(+パーフェクト)と各ゲーム評価は分かれておりましたが、本作では「クリア失敗」「クリア成功」「パーフェクト」と簡易化。
リズムにノればノるほど、画面で行われる痴態のエロさもアップしますので、ノリ感MAXでパーフェクトを目指してプレイしていきましょう。
曲自体も、アイドルソング調のものから、BPM180で刻む格好良い和風曲まで様々。
体験版ではステージ2まで遊べちゃうので、この感想を読んで「遊ぼうかな……」と考えるより、実際に遊んだ方が早いと思います。両方遊んでも10分ぐらいで終わるし。
元ネタでは、割と早い段階から十字キーを使わせるミニゲーム(マー○ャ)がありましたが、本作はオール「スペースキー」オンリー。
そのため、リズムゲームの中で無茶な高速キープッシュが要求される要素は廃しており、純粋に己のリズム感のみが頼りになります。
「リズム感なんて無いよー」なんて方も、ステージクリア失敗を繰り返すと「ENTERキー」で回想(実質的なオートモード)が開放。
お手本代わりに使えますので、見ながら頑張ってクリアを目指しましょう。

オープニング
▲色々とツッコミどころ満載のオープニング(本人?は人間のつもり)

ストーリーも一応ありまして、

宇宙人が地球を侵略するため、ロボットを派遣。
プレイヤーは人間になりすましたロボット(※ロボットに自覚無し)となって、痴漢したり痴漢したり痴漢したりするのだ!

と言った感じ。
各ステージの内容としては、
ステージ1「電車痴漢」
ステージ2「人妻寝取り痴漢」
ステージ3「居合い斬り(陵辱)」
ステージ4「女教師痴漢」
ステージ5「アイドル握手会(Hな券もあるヨ!)」
ステージ6「ニュースキャスター痴漢」

ステージ6じわじわ ステージ6じわじわ2
▲ブルーバックの裏で何してるんだよ

と言った感じ。リズムよくボタンを押すと、いい感じに痴漢を隠したり、痴漢を行ったりします。
演出も地味に細かく、ステージ6ではボタンを押すタイミングでブルーバック画面が迫ってきます。
ブルーバック画面が迫る中、よく見るとジワジワと女性ニュースキャスターに近づいていくロボットの姿が描かれていることに気付いて爆笑しました。
個人的に好きなのは、ステージ2の「人妻寝取り痴漢」(体験版で遊べます)。夫が「バブルバブル」と言うのに合わせて、1拍後に返答するというもの。
フェイントもかなりあるのですが、スキャット(声付き)を中心とした楽曲なのも相まって、楽しく遊べます。
これらのロボットの活躍の結果、地球がどうなったかは、ラストステージクリア後に描かれますので、オチは製品版で確かめてみろ!
EXTRAステージではステージ演出もガラリと変わり、かなり新鮮に楽しめます。
例えばステージ1の場合は、NORMALでは後半部分のはずだった「後背位SEX」から演出が始まり、曲の後半では「騎乗位SEX」に移行。全く違うアニメーションが見られます。
そして、ラストステージのEXTRAでは各ステージのオチも……。私はステージ2のオチを見て爆笑しましたので、「痴漢された彼女達がどうなったのか」も必見です。

EXTRAはリズム地獄!?本作の妙に高い難易度の謎を探る

と、ここまでがゲーム概要です(長い)。
実際にプレイした感想はというと、「ノリやすいステージとノリ辛いステージがあり、リズム○国得意な人でも苦労するかも」と言った印象。
リズム天○自体、突然のフェイント・テンポチェンジなど「覚えゲー」の要素が強いのですが、本作の難易度が高いのにはちょっとした理由があるのです。
体感としての各ステージの難易度(ノーマルモードクリアのみ・パーフェクト考慮無し)は、
ステージ5 >>> ステージ4 > ステージ3 > ステージ2 > ステージ6 ≧ステージ1
と言った感じ。
ちなみに、ステージ6が簡単なのは、キーを押すタイミングが視覚・音ともに分かりやすいため。
ステージ3も地味に難しかったですが一発クリアは容易(割と見てから反応できる)。パーフェクトを考慮すると、ステージ1が地味に難しい気がします(私は何故かパーフェクトが取れない……)。
全曲4/4拍子で違うのはBPMのみ、ノーマルステージでは表拍しか叩かないので、慣れればパーフェクトも安定するのですが、ステージ5はかなりの難関。
と言いますのも、「曲のノリとキーを押すタイミングが合っていない」ため。
元ネタ「リ○ム天国」では、BGMにプレイヤーの操作による効果音を被せた上で「曲として聞ける」のですが、このステージに関しては唐突にキー押下タイミングが来るために結果的にノれません。
実際、この1ステージはオートモードで「曲」として聞くと妙な感じになるといいますか、ぶっちゃけ司会のおっさんの方が明らかにリズムにノっています。
とは言え、BPMを調べてメトロノームで調べたところ、あくまでキーを押すタイミング自体は「表拍」でOKなので、「タンタンタンタン」と指でリズムを刻みながらプレイするとクリアは簡単になります。
曲として聞いて怪しいのは、ステージ2・ステージ4も同じなのですが、前者はスキャット(元々アドリブの要素が強い)のため気にならず、ステージ4は後半のフェイント部のみなので曲的にそこまで違和感がなかったり。
ステージ3は判断が難しいところ。キー押下音の「ブンッ(刀の音)」の後、「ズバァ!」というくノ一を斬った効果音が微妙に遅れて聞こえるため、ちょっと違和感を覚えるかもしれません。
ちなみに、曲の音源は正直に言ってチープではありますが、パーフェクト狙いで数十回連続プレイとかやりさえしなければ、プレイしているうちに気にならなくなりますよ。
先ほど「表拍」という言葉を使いましたが、EXTRAではこの「表拍」、そしてそこに隠されている「裏拍」を把握しないとクリアすら怪しくなります。
表拍を簡単に説明しますと、本作の曲は4/4拍子なので1小節全部を4分音符で埋め、2小節分を文字で書きますと
「タンタンタンタン|タンタンタンタン」
と言った感じになります。この「タン」の部分が「表拍」。
「裏拍」は、この「タン」と「タン」の間にある拍子のことです。
映画のスウィングガールズで竹中直人が言っていた、『「タンタンタンタン」(クラシック等)のリズムは「表」、「ンタンタンタンタ」(ジャズ等)のリズムが「裏」』の話が分かりやすいですね。

リズム成功 リズム失敗
▲ステージ4のEXTRAは表拍・裏拍が頻繁に切り替わる鬼畜ステージ。多分初見だと右のミス画面の方を多く見る

本作のEXTRA(特にステージ4)では、裏拍が多用されている上に恐ろしく変則的です。
曲的には「タンタンタンタン」であっても、意識的には4/4拍子の1小節を8分音符で埋め、
「タンタンタンタン|タンタンタンタン」
から
「タタタタタタタタ|タタタタタタタタ」
にした上で、「タ」と「タ」の間にある裏拍を意識しなければなりません。
本当に微妙にズレたフェイントをしてくるため、EXTRAをプレイする時は常に8分のリズムで4/4拍子を指で刻んでおくのが攻略のコツです。
また、リズムが非常に変則的であるため、「曲として聞けるか」に関しては「もう訳わかんねえ」のレベル。
元ネタでは16分音符の5連続もあったりしますが、それは十字キーを使えるからできること。
スペースキーしか使えない本作では、フェイントで難易度を上げるぐらいしかないのです。
タタタタタタタタと指で動かしながら、アクション予告音が聞こえたらそのリズムが「表」か「裏」かを判断する、本当のリズム力が求められます。
「リズムの教科書として作ろうと思った」とつんく♂が言っていた元ネタと比べ、本作は天国どころか千尋の谷に突き落とすようなスパルタっぷりですが、音ゲーマーならそれ故にパーフェクトを目指したくなるもの……!
ステージ6×2と元ネタと比べてステージ数自体は少ないですが、EXTRAの驚異的難易度もあってやり込み度はバツグンです。
先ほど言った通り、クリア失敗での救済措置(オートモード開放)もありますのでご安心を。
ただ、演出が「クリア失敗」「クリア成功」「パーフェクト」でそれぞれ異なるため、最終的にはパーフェクトを狙いたいところです。
私自身、感想寄稿を書くためとは言え、オートモードでの確認も含めて気付いたら合計10時間ぐらいやっていた気がします(それでもステージ1のパーフェクトは取れない謎)。
欲を言えば、続編を作ることになったら、原作でもよく使われる「テンポチェンジ」「ブレイク」を楽曲に盛り込み、「曲を崩さずにステージの難易度を上げる」ためのパターンを増やして欲しいところです。

顔のデフォルメだけで避けると確実に損!アニメ・女体の描き方ともに良質なエロシーン

後背位
▲シチュエーションもさることながら、アニメーションがとにかくエロい

独特な絵柄、そしてリズムゲームと言う題材から、「抜けるか抜けないか」というのは、プレイするまで正直不安でありました。
しかし、それは全くの杞憂。はっきりと言いまして、本作はリズムゲームでありながら「抜けます」。
一番大きいのは、やはり「オートモード」の存在でしょう。
「音ゲーとエロ同人の振り返り」で名前を挙げました、「かわいい妹にリズムに合わせて腰を振れだって?!」では「片手はプレイ、片手でシコる」というスタイルが用意されておりましたが、本作はエロを見るだけなら完全にハンズフリー。
イラストやアニメ・曲・喘ぎ声、これらエロい要素を集中して楽しむことができます。
そして、スフィーミキャッツさんの絵柄自体も、実に素晴らしい。顔こそデフォルメされておりますが、体部分は非常に肉感的で性的魅力のある女体を描いています。
さらに、これにアニメやイラストががついているのですが、ピストンの度に揺れ動く乳房や脚の細かい動き、スパンキングされた時の尻の揺れ方・ぶっかけた時の液体の付き方、様々な部分に拘りを感じます。

女子校生ステージ 女子校生ステージ隠す
▲体験版でも遊べる女子校生ステージ。大胆すぎる痴漢を頑張って隠すのだ

くノ一ステージ くノ一ステージ服ビリ
▲服ビリ・雑魚敵リョナフェチにもたまらないステージ3

電車内で母乳を噴出してしまう上、騎乗位SEXされながら見知らぬ男に乳を吸われる女子校生!
夫が肉を焼く後ろでロボットと駅弁FUCKしている人妻!
ロボット忍者に戦いを挑むも種付けプレスされてしまうくノ一!
スパンキングを散々されて生徒達に囲まれても「困っちゃう」で許してしまう女教師!
握手だけじゃない!立ちバック・フェラ・ぶっかけ何でもこなすアイドル!
淫らなことをされている姿をお茶の間に晒す女性ニュースキャスター!
ほか、様々な描写が登場しますのでエロ要素も満タンです。
リズム天○フォロワーだからこそなのですが、「一回のエロイラスト・アニメが1〜2秒程度で終わってしまうことが多い」のはちょっとした難点(すぐゲーム画面に移らないとゲームにならないのだ……)。
しかし、ボタンを押すことが多いEXTRAステージでは話は別で、エロシーンの比率が格段にアップしますので満足出来ること間違い無しですよ!

リズムゲームでありながら、エロもしっかり楽しめる奇作にして良作

ステージ4パーフェクト
▲この画面を目指して頑張ろう!独自演出も見られるぞ!

恐ろしく長くなりましたが、以上「リズム痴漢」の感想でございました。
本作は、私自身が「感想を書きたい」と申し出た作品だったのですが、内心は「リズムゲームとエロなんて合わないだろう」という意地悪な気持ちもありました。
しかし、体験版でのゲーム性・Hアニメを見て期待していたのも事実で、製品版を遊んでみてズバリ「これは良ゲーだ」という認識に至った次第であります。
デフォルメされている独特の顔をサンプルCGとして掲げている以上、DL数が少ないのも仕方が無いのですが、本作は「遊んでみて初めて分かるエロさ・面白さ」がある逸品。
おっぱい・尻など性的な部分の「動き」に関する拘りは目を見張るものがあり、聞いていて違和感を覚える変則的な曲を差し引いても、お釣りがたくさん出るぐらいエロく楽しいゲームです。
ガチの音ゲーマーの方も、Hアニメが大好きな方も是非一回体験版で遊んでみてください。
「リズムゲーム×エロ」という新境地に至った本作に、きっと驚くことになるでしょう。