リント・ルクローズ 〜聖盾の騎士〜 (製品版)

RPG,R18製品版の感想,ライター:さたける,リント・ルクローズ

*この感想は [さたける]さんに書いて頂きました。
⇒予告での感想はこっち
本作はエロは段階差分があって、淫乱度が低いうちは恥辱を煽るソフトエロ中心で、小さな冒険をしながらボス敵との戦闘で性的にいじられて、敗北エロがあって……と一般的な女主人公エロRPGです。ただ、一般的な女主人公物と比較すると、どの分野も一つ一つの作り込みが、信じられないほど凝っていて「素晴らしい」としか言えない化物級のゲームです。
また、主人公のリントちゃんの性格がとても良く、可愛くて見守りたくなる程。そんな女の子が村人にあんな事やこんな事されてエッチに目覚めていく……と。もう主人公に感情移入しちゃって、ひどい目に合わせたくないと思いながら、矛盾するけど村人の毒牙にかかる選択肢をすると、もう興奮レベルも高くて、個人的には大満足の一本となりました。

ぽわぽわしながらも芯のある愛すべき主人公リント

主人公の性格の良さをゲーム中に引き出す方法がとても上手。一見、ぽわぽわしてて、他人の悪意を信じず、花よ花よと大事に育てられた女性。愛でたくなります。それだけでなく、嬉しい事があると大喜びし、自分が英雄と宣言しても信じてもらえず地団太を踏んで、許せない事があると頭のネジが外れて、……と冒険を続けると新たな一面が次々発見できます。

リント可愛い1 リント可愛い3 リント可愛い4

それらを「リントはぽわぽわした性格で……」みたいな言葉ではなく、会話や行動、はたまたUIまで含めて表現しているため、自然に頭に入ってきます。序盤は騎士団員に守られる姿、いじめられている少年を助ける行動力、世間とは何かずれた会話内容。

通常CG
▲エロと関係無いイベントCGも豊富

ゲーム中ではっきり悪人と言える人物は4,5人程で、他の人物は全て人間味があり個性が強く設定されています。そのため、村人との会話も楽しいし、ダンジョンでも頻繁に独り言や会話が挿入され……でプレイ中はレベル上げ以外常に会話している気分でした。本筋に関係ない会話はかなりコミカルで、笑って楽しみながら、だんだん主人公を好きになっていくプレイスタイルを確立しています。そして本筋はシリアスで締める場面はしっかり締めてくれます。

ステータス
▲性的パラメータの一言も主人公の性格がわかる面白い仕掛け。

 

独創的なシナリオ、主人公ドットが派手に動く独自戦闘、美麗な独自グラフィックのフィールド

物語はある一つの村を起点にした事件を解決する小さなイベントです。あまり英雄の物語っぽくはありませんが、起承転結はしっかりしています。小さな事件はコメディックであり、主要事件はシリアスで、やがて大円団を迎える……と。
外見ロリ少女で大人びたサブキャラ含め、主人公の周りに集まる人たちも面白い方ばかりです。立ち絵キャラは全員、設定を掘り下げてしっかり作っているようです。

サブキャラ1 サブキャラ2 サブキャラ3
▲物語を楽しくする面白い方達ばかりです。やっぱり会話のキャッチボールって大事ですね。

そして注目すべきはシナリオが2周前提である事です。2周目は序盤からシナリオ総入れ替えのため、実質は2ルート目。1周目と同じ時間、同じ舞台でありながら、微妙に異なるシナリオ、そして違和感。「あのキャラがなんでこんな行動を?」、「1周目で良キャラだった人が敵として襲ってくる悲しさ」、「1周目にはいないキャラが与える影響」など1,2周目の違いからくる矛盾を使ったトリックがよく出来ていました。
1,2周目とも、最終局面に入ると、15分ほどの長大なシナリオからエンディングに突入します。ただ、個人的には気になった点も。2周目エンドは、突然の急展開から始まります。シナリオ後半のオープニングが始まって、メインすっ飛ばしてTrueエンディングに突き進むような感じ。話の流れがいまいち本編と繋がっていないなとは感じました。
補足すると、エンドはキャラの結末までしっかりと描いており、この最終局面は見応えばっちりです。エンドの内容そのものは良質ですし、こっそり仕込まれたトリックもなるほど〜となります。
シナリオや主人公の性格を盛り上げている一因としては他にもあります。マップの70%ほどは美しい自作チップ、斬・打・法の3攻撃からなるじゃんけん型のオリジナル戦闘と手触りも気持ちいい完成度。そして、エロ以外にも惜しげもなく大量のCGを用いています。

フィールドグラ1 フィールドグラ2 フィールドグラ3
▲見事なぐらいの景観。この美しい自作フィールドは他エロRPGだとほとんど見た事がありません。

戦闘はスキルを使えば自作エフェクト、強力なスキルならエフェクトも派手。それでいてスピーディー。主人公のドットがグリグリ動きます。敵が脱衣攻撃を仕掛けて服が脱げるとドットも変化し、勝利時などの恥ずかしがっているポーズが凄く可愛い。

戦闘1 戦闘2 戦闘3

戦闘そのものは、斬・打・法から敵の弱点を探り、HPが減ったら回復法術を使用するいわゆる「レベルを上げて物理で殴れ」です。なので戦闘そのものは見て楽しむ側面が強いのですが……。その前段階である主人公を鍛える部分が楽しい。レベル上昇時に取得するポイントを使ってスキルを覚えれるのですが、スキルには命中率、最大HP増加などの基礎ステータス向上と回復、全体攻撃、強攻撃など戦闘スキルがあります。
取得ポイントに対して、覚えたいスキルがあり過ぎるので、どれを覚えようか……と悩む過程が充実しています。ソシャゲでよくある3すくみ法則なので敵によってスキルの効果が変わり、慎重に選択する事になります。

スキル取得
▲スキルを覚える時の花吹雪も主人公の性格付けになってますね。

購入できる武器は、ほぼ能力が同じだけど回避+3%のように補助効果が異なります。スキル同様に、金欠のため武器選びも慎重に。また、妖精ガチャから入手するアクセサリ(これも、ほぼ補助効果)の選択など覚えるスキルと装備で主人公の能力はそれなりに変化。なのでボス戦は事前準備をどれだけしっかりするか……で、勝敗が決まる事もありうるわけです。

ふわふわな子がセクハラで恥ずかしがるのを愛でるエロシーン満載

エロシチュは1周目前半、セクハラ&恥辱攻め、1周目後半、セックス含む恥辱攻めと娼館、2周目ショタ関連、催眠など。メインイベントや主人公の性感度と共に解放されていく段階差分イベントが豊富です。
エロは各シーンで部分拡大を用いたり、複数基本CGを惜しげもなく使用したり(その分、使いまわしもあるけど、基本CG枚数が多いし効果的に使っているので、あまり気にならない。)
恥辱攻め関連は恥ずかしがる主人公に胸を露出する、胸を触る、乳首をいじり絶頂させるなど、胸に関するシチュがとても豊富でした。びっくりするほど村人エロが乳責めばかり。ぽわわ〜んとした主人公の良さが生かされて、恥ずかしがる姿がとても可愛く、間違いなく乳マニアなら虜になるでしょう。

乳責め
▲CGは巨乳で美乳な乳を描くのがとてもお上手。そして快感に喘ぐ主人公が可愛い。

そして、乳責めのついでにクリ責めなども混じってきた頃に、とある事情で娼館が解放されます(無視も可能)。ここからはセックスやアナルセックスが主体となって主人公もエッチに慣れてくるのですが、この段階になっても恥ずかしさ、初々しさが残っていて顔真っ赤になって慌てるシーンもちらほら。娼館の客は2人いますが、どちらも個性的で愉快な方達でとことん主人公の恥ずかしさを煽ってくださり、良いシーンが見れました。

娼館
▲セックス前の前戯に、とことん主人公の恥辱を引き出す客達。こうして高めた後で本番が始まります。前戯から含めて濃圧。そして各客3段階差分。

また、エッチも全般的にホワホワしているのだけど、それを覆すのがバッドエンド。多分、ユーザーから主人公への好感度がうなぎ昇りしている中、そんな彼女を徹底的に汚し、アヘアヘ状態で一生を過ごさせるようなバッドエンドがいくつか紛れています。

戦闘中エロ
▲戦闘エロは戦闘中と戦闘敗北の2種。

2周目で印象的だったのは、避けゲー。敵シンボルを避けながらイベントをこなすのですが、敵にぶつかるたびにセクハラされ、衣服も割けていき、最後には……。10数回分の差分がありとても興奮したイベントです。避けゲーではないですが、似たようなミニイベはもう一つあります。こちらも満足度高し。

催眠
▲2周目の大きな特徴は「催眠」……かな。

シナリオもエロも、1周目にはない爆発力のあるネタを仕込み、2周目を飽きずに楽しめるコンテンツ作りを意識したゲームデザインだなと感じます。
クリア時間は7時間半(うち、1周目は5時間半)、回想は63+2周目の避けゲーエロが21、基本CGは60枚以上。本作はゲームも面白いし、ツクールとは思えない迫力ある戦闘も楽しめるし、物語はしっかりまとめられているしで、ある意味理想と言うか通常の女主人公エロRPGから一歩抜き出ているのを感じるゲームでした。それでいてエロのボリュームもばっちり。