地獄のヘリコマンドー (製品版)
しばらくACTやSTGを触っていないと、何か猛烈にやりたくなるもの。
そんな折に来たのが本作。
戦闘ヘリが独裁国家相手に戦う、その操作感は昔あった「チョップリフター」を更に気持ち良くした感じ、
あと横視点で敵の戦車を破壊する快感なんかはちょっと「重装機兵ヴァルケン」めいてもいる……、
これは今までも[STEEL STRIDER]や[ZANGEKI WARP]とか書いてる111の男の子心が大いにくすぐられ、レッツプレイと相なったのです。
(DLsiteの半額キャンペーンも終わって、息抜きな意味もあり……)
空中からバルカン掃射、艦隊も沈める! 特殊武装ヘリで破壊祭り


▲OP。独裁国家と戦うのだ! この特殊ヘリ「ニンジャ・コマンドー」で!
という事で、武装ヘリで地上の無力なジープをダダダとバルカン掃射し、
自走砲がおちおちこちらに的を付けてる所を、すいーと高く浮いて射程角外に退避、その勢いでランチャーをお返し、粉微塵に。
戦闘機が出張ってきて、やっと空中戦での勝負か……という時も、こちらの方が機動力は上、奴らの上や後ろに周り込めば易々と撃墜。
なんなら射程外までがーっと逃げつつ放り出したロックオンミサイルが、相手に突き刺さるのを待ってもいい。


▲方向キーで上下左右にホバー、マウスで照準と武器発射。空に地にと敵を蹴散らすのだ(ゲームパッドにも対応してますが、どのみち照準のマウスは必須)
ヘリ特有のふわーっと加速する慣性にだけ気を付ければ、自在なホバーの動きで、
「有利な上空から地上を薙ぎ払う」
「空中戦でも、相手の届かない位置まで俊敏に逃げられる」
という戦闘感覚を、簡単な操作で楽しめます。
いやきっとヘリも現実ではかなり操作が難しいのでしょう、だがそこはゲーム。
急速度でいきなり地面にぶつかってもペナルティ無し、
そもそも与えられる任務も「単身でそのエリアの敵を全部駆逐」とかが多めなので、
積載弾量もミサイル20~30発は当たり前(ちなみに本当の戦闘機は8発くらいみたいです……、さすが特殊ヘリ)
バルカンに至っては数分撃ちっ放しでもまだまだ余裕。



▲ブリーフィング画面から次のミッションを選択しよう。武器開発もあるぞ
そんな”適度な嘘”による、まさに俺の操る兵器が無双している事実にテンション上がっていると、なお嬉しいのが「新武器の開発」もあること。
これは1ステージをクリアするごとに命中・残体力・残燃料に応じて3段階の評価ランクが決まり、メダルが貰えるので、それを火力やら金属やらの各値に割り振ると、
ランチャーの代わりに投下型爆弾、弾数は少ないが3WAYにばらまけるバルカン、
あと装甲が硬くなったり燃料が長持ちしたり、ヘリにとっての唯一の弱点かも知れない、進行方向を切り返す際のスピードダウンをカバーできる…
みたいなオプション(強化)装備が手に入ったりするというもの。


そうして強化や武器を選びつつ次々と挑んていくステージ=ミッションもまた、バラエティを意識している感じ。
初めはまるでベトコン相手、密林に隠れた小型車両とかを潰していたのが、
次には海上に出撃、小うるさい護衛機を倒してから艦隊をぶち沈める、
(つまりここではランチャーよりも爆弾装備を選択、敵の甲板に「突き刺され!」と投下した方が、効率的に任務達成できる訳です。
絵的にも燃えますし……)
さすがに多勢に無勢を感じる、サーチライトにがんがん照らされて狙われる夜間の首都奪還作戦。
鬼装甲の戦車がひしめく砂漠戦に
(敵に対抗してこちらもオプション装備で装甲をガチガチに固めると、動きが遅くなる代わりに戦車の砲弾が直撃してもかなり耐えられて面白い。
脳内で「まるで空飛ぶ要塞か……」と呟かせる、自己妄想)
果ては雲の上で、何十機もの戦闘機を相手取った空中での立ち回りなどなど。


▲逃げられる前に敵の補給トラックを叩く面、航空部隊を一人で殲滅しきる空中面…!
初めは正直かなり余裕の手応えで、武器の挙動の違いなどに一喜一憂しつつプレイする感じ。
割と適当な組み合わせの装備でも、頑張れば何とかなるのもポイント。
それが後半戦になり、お話のスケールがデカくなると共にけっこう腕の見せ所、考えて戦う場面も出てきて、難易度的には丁度良かったかなと。
(STG苦手な人でも、既ステージに挑んで開発メダルを集めれば「武器で圧倒する」事も可能)
アクション部分満足、シナリオ演出にううーむ……
ただ少し残念だったのは、ストーリー。
思ったように熱くなれないというか、演出上、今いち盛り上がりに欠けるような。

▲お約束的な……敵、味方は顔グラとかも一切なし。無骨といえば無骨?
例えば全編を通して、人(キャラクター)の存在が薄くて、
オペレーターは、面の状況に沿って決まったセリフを話すだけ。
ヘリの体力や残弾がピンチ……みたいな時とか、こちらの行動を見て声を掛けてくれる訳ではない。
主人公に至っては、最後まで一言も喋らない。(これはポリシーかもですが)
ならばこれは無骨で淡々としてるストーリーなのかと思えば、
敵の悪役なんかは割とお決まりの「クサい」セリフを吐いたりもする。
なのでそこだけがちょっと浮いちゃって、盛り上げるべき所を盛り上げられてない気も。

▲後半になるとさらにスケールでかく。
これで主人公がニヒルな口調とかだったら、違う愉しみもあったかも、という気はしました。
(人は選びそうですが……)
あとこれはミッションを1面1面に細かく分けてる事と、無双感のための”適度な嘘”の弊害かと思うんですが、追い詰められた熱さ、を演出できてないのも原因かなと。
つまり先の面でベコベコにやられた筈の自機が次のミッションには新品同様だったり、「共闘している味方部隊」の存在が全然感じられなかったり、
面の途中で補給部隊に帰投して残弾を補充する……とかは無いのですね。
(それでも初めの密林ステージをもう一回、ラスト付近に持ってくることで戦況の変化を表現してたり、
戦闘より要人の救出優先の面とかもあったり、工夫されてるとは思いましたが)
ヘリ・近代戦! という所は文句無しに楽しめましたが、
私的にはやはりこの価格帯のシェアゲーとなると、他の部分の厚みもつい期待してしまうかなと……。
クリア後も実績狙いでやり込みだ
面数は全16ミッションで、クリアまで約2時間ちょい。
自動セーブで中断も可能。
一度ざっと通してクリアしたくらいでは恐らく全ての武器は開発できていないので、既ステージの評価アップを目指し、メダルを集めてみるのも良し。
最終ランクの武器はおあつらえ向きに????と名前が隠されており、コンプ魂をくすぐる。

▲ヘリでまさかの狙撃兵器。普通にクリアする分にはまだるっこしいですが、命中・残体力の点ではかなり重要な武器
評価は一つ一つの項目を満たしていけばOKなので、
残燃料重視で、時には敵機を無視しつつエリアの最奥まで直進、弾を掻い潜る為にスピード重視のオプション装備にしたり、
安全圏から「狙撃」武器で、ひたすらちくちく倒すと命中率が稼げたり……と、違うプレイスタイルも楽しめて、一粒で二度の面白さが出て来ます。
全体になかなか遊べるものだったと思います。
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