破戒シスター (製品版)
*この感想は [さたける]さんに書いて頂きました。
⇒予告での感想はこっち
単純にRPGとして考えると、高品質なドット・音楽、コメディとシリアスさが混じったシナリオ、快適且つ緊張感のある戦闘……と、間違いなく他フリゲ・エロRPGと比較すると一段上のクオリティがあります。そして、操作や探索が楽しく時間を忘れてプレイしてしまう魅力も。また、エロ関連は一つ一つのシチュを工夫し、場合によってはインタラクティブ性を持つなどの工夫で一つ一つが濃厚かつマンネリ化も無しでとても楽しめた1作でした。
都市伝説に映画、ゲームとパロディキャラのオンパレード
世界観のベースは悪魔城とバイオですが、有名ホラー映画・ゲームや都市伝説などの原作設定を含んだキャラが多数登場。「メリーさんの電話」と「リカちゃん人形」が混じって、電話で近況を伝える人形がいたり、トイレには花子さんがいたり。映画関連ではゴーストバスターズなど。


▲ちなみに音楽もそれっぽいミステリーな感じになりますが、ホラー的な恐怖はありません。


極めて二次創作に近いけどオリジナルキャラのため、厳密には異なりますが、スパロボのようなクロスオーバー的な掛け合いが楽しめます。スパロボ風に言うなら良質なクロスオーバー。多数のパロディキャラが、このバイオ&悪魔城の世界観に馴染んでいるのです。


▲終盤の核心、衝撃的な真実!いや、まあ原作を熟知してるので知ってましたが。驚きの展開はないものの、原作を知っているとニヤニヤしてしまいますね。この後はクロスオーバーの醍醐味、仲間達との掛け合いも。

▲やっぱり洗脳されていたポニテ娘ちゃん。体験版最後で予測した登場の仕方は見事に外れてしまいました。
そして、仲間がわさわさ増えてきます。黙示録には6人の勇者とありますが、最終的には9人パーティー。主人公とヒロイン以外は全てパロディキャラ。6人の勇者関連は仲間になるとメインイベントで大活躍し、コメディタッチな主人公達の会話と相性が良いため、笑いながらプレイできました。



▲序盤で仲間になる方達。私は元ネタがわかりませんが、おそらく原作ありのキャラだと思います。一番右はリカちゃん人形ならぬユカちゃん人形。




▲キャラの掛け合いが本当に楽しいし引き込まれる。
おバカなコメディ風の会話ばかりだけど、その中に含んでいる思いやり・感情の変化・主人公達の関わり方、そういうものが含まれており、笑いながら話に引き込まれる面白さがあります。


▲体験版の感想で紹介した「糖尿病」がしっかり伏線になってました。このようにコメディな会話や過去の行動が終盤の伏線になっていることもしばしば
エロゲーにあるまじき、童貞のままゲームが進む主人公、彼は初体験を迎えることができるのだろうか……。そんな主人公の精神的な成長が一つのテーマです。そんな三枚目を崩せず、序盤はエロビデオでオナニーする怠惰なダメ人間でしたが、仲間と関わるうちに仲間を想う心、愛情や恋、そして熱き心などがどんどん磨かれていきます。その集大成がラスボス戦やエンディング。
私が一番感動した場面がエンディングでクリア後の余韻は本当に素晴らしかったです。たぶん、全イベント中で一番気合入れて作ったかのような演出・シナリオの連続。これが書きたかったために今作を作ったのかなと思える良い話でした。また、作曲家にXX:XXまでは寂しい音楽でXX:XXまでにだんだん音を小さくして、ここで一気に盛り上がり楽しげな雰囲気で……のような細かい指定をしたんだろうなーと思うぐらい、演出と音楽がマッチしています。
なお、音楽製作者は8bitSoundを得意とするPanSound。フリー音源に加え、いくつか専用音源もあるようです。
ちなみに「馬鹿は風邪を引かない」ということわざがありますが、このゲームの主人公はそれが科学的に証明されてしまいました。
スク水やセーラー服のコスプレでゾンビに汚染された街を駆け巡る
序盤は回復回数や場所が制限されて厳しかったのですが、中華街に拠点を設けてからはダンジョンを探索しながら定期的に中華街で体力回復や武具購入などが行えるようになります。一つのダンジョンでも、エレベーターを開通する、反対側から施錠を開ける扉など、ある程度進むと近道ができるなど、中華街との往来がしやすい仕様。
ショッピングモールやマンション、病院などを探索しますが、マップチップも凝り様が異常なほどで、自分がどこにいるのか一目でわかるほど手が込んでいます。8bit音源も選択のチョイスが素晴らしく、探索を楽しめる没入感があります。雑魚的は通常攻撃2発(仲間4人なので1ターンに2匹)で沈むので戦闘はサクサクでした。



▲こういう雰囲気のダンジョンばかり。探索のし甲斐があります。
そう難しくなく、でもボス戦などはほど良く苦戦し、マップは大規模なものの敵シンボル数を抑えたりマップチップ配置の工夫で探索が楽しいし……とRPGとしての手触り感がすごく良いんですよね。
武具関連はモンスタードロップで徐々に強くなる感覚が楽しく(なのであまり中華街の武器屋は利用できなかったかな)、そしてお金がたまると中華街でスキルを購入。キャラはレベルでスキルを覚えないので、これが非常に大事。強力なスキル一つでボス戦が楽になります。ただ、このスキル購入費が高額なのでパーティーメンバーがほぼ固定になってしまうのが悩みどころ。


▲スキルを教えてくれるロン老師。(たぶん、この人も原作ありそう)
そして女の子キャラは防具によって立ち絵が変化することも特徴ですね。スク水や体操服、セーラー服などを完備。特定のエロイベントは対象キャラがその服を着ていることが条件のものも。


▲特定の装備は女の子キャラの立ち絵を変化。この状態で発生するコスプレエッチイベントもいくつか。
大量の擬音・表情差分を使った濃厚で珍しいエロシチュが満載
全年齢的なシステムやシナリオがメインのゲームですが、時たま発生するエロのクオリティが高く素晴らしかったです。イラストが綺麗なことや大量の擬音・表情差分が使われていることが前提として、
・あまり見ないような特殊シチュを作り出すセンスがあることと
・レイプ時は徹底的に凌辱し、女性が雰囲気に流されつつも受け入れるエロは徐々に感じさせ……とツボを押さえた作りになっていること(凌辱成分は過去作よりも大きい)
・そして一部のエロはボタン連打や選択レベルなど小規模ながらインタラクティブ性があること
などの理由です。また、ホラーと絡めたイベントがあることも特徴ですね。
まず、ヒロインである破戒シスターことエロ巨乳(黙示録に記させているので正式なあだ名)。オナニー観賞という印象に残る出会いから始まった仲間兼メインヒロインですが、エロ巨乳の名を抱くとおり、ちょくちょくエロい目にあいます。
電車で痴漢冤罪で捕まり自殺した人魂が、「制服姿の女の子を痴漢したい」。そのため制服関連の服を装備して再度話しかけると、「エロ巨乳出番だぞ」とばかりに仲間達がエロ巨乳を差し出し、流されつつ電車に立つと、人魂の手がその太ももに……。身体がエロいので、一度エッチが始まると敏感に感じてしまって事後はまんざらでもないご様子。


▲もちろん、この後は電車痴漢イベント発生
他、仲間になるキャラはたいてい仲間になる前にエロがあります。しかも、凌辱関連。サブキャラ1人を除いて女性は仲間になる前にレイプ経験済という有様。
ある場所で仲間になる通称「丸顔」、彼女は囚われの身となりますが、初登場シーンは映画館。主人公達が映画を見ようとスクリーン前の椅子に座っていると現れるのはピエロと三角木馬に跨っている女の子。処女だったのか、木馬上のディルドーからは出血の跡も。そして、ピエロがナイフを振るうと女の子の服が破れ、ピエロが動くと木馬が動き……っと。



▲少しずつ脱がされ露わになっていくちっぱい。



▲主人公達が見ている前でショーは依然と続けられ、木馬はグラグラ。助けるためにボス戦となります。(たぶん戦闘中はずっと木馬が動いている。)
また、エロの中に軽い選択肢が入るシチュもあり。この系統で素晴らしかったのは絵画に描かれている女性に対するいたずら。「口を割らせるために恥辱責めしよう、そうだ絵画の中身を変えればいいじゃん」でエロ巨乳(同人などの腐った属性あり)が自慢の筆で服装などを塗り替えてしまいます。
この塗り替える演出を、プレイヤーが決定ボタンを連打するたびに、だんだん衣服が変わっていくシステムです。
いかにも肖像画っぽい女性の服を変えてしまい、海辺で水着姿に。この時、だんだん景色や露出度が変化していく様が、ボタンを連打するたびに徐々に新しい絵が浮かびながら古い絵が消えていく演出として表現され自分が絵を変えているような感覚に。
そして、水着から寝室で下着姿にそして最後はおっぱいプルンと。それでも口を割らないため最後の手段として……。絵の中の女性をひぃひぃ言わせるという、他では類を見ないエロシチュで個人的には一番好きです。



▲絵の中の人を筆でイかせるなんてシチュ、始めて見ました。
さて、3つほどエロシチュの例を挙げましたが、見てわかる通り、あまり見かけないシチュです。また、1つ目の例で登場する痴漢も「幽霊の手」という心霊シチュで普段とは異なるエロ空間を作り上げています。あと珍しいシチュや選択性のある例としては、バイブが挿入済みで外れない女性のバイブを別の女性が抜くシチュ(しかも2種類あり)やヌードデッサン(オチ付き)、オナニーの手伝いで裸になるまで上着を脱がす、パンティを脱がすなどの選択形式で徐々に脱がせていくなどがあります。
回想そのものは23と同価格帯と比べると少ないし、明らかに全年齢+エロ系統でエロの頻度が低めなのですが、一つ一つの出来が上記理由でクオリティが高いため、それでもエロ的な充足感が存分にあるゲームです。あと体験版感想でも書きましたが、回想場面のストーリーモードだと、エロイベが始まる直前からプレイできるので、回想だから本編と何か違って満足できない……という欠点を防いでいるのも大きいですね。
プレイ時間は12時間ほど。過去作と比較すると明らかにシナリオや演出に力が入っており、またエロも凌辱系統が多いだけでなく、官能の引出し方を工夫した手法など、3年かけた力作ということが実感できた内容でした。
ディスカッション
コメント一覧
ロン老師は見た目からしておそらく霊幻道士かと・・・
そうかもうキョンシーの事も昔の事になってしまったかw
霊幻道士! 元ネタ分からなかった…!
TVで見た記憶がかすかにある霊幻道士2が1989年らしいので、そうですね…、私、4歳ですね…。
今、30半ばくらいの人がストライクでしょうかね。
神父はエクソシスト、マサカリ男はシャイニング、ピエロはスティーブンキングのit、花子さんはトワイライトゾーン、地下墓地の幽霊はwizのマーフィーズゴースト、3豚の異端審問官はモンティパイソンのスペイン宗教裁判かなぁ・・・
エクソシストはスクショからも何となく分かりましたが、古今東西のホラー映画からゲームを引き出しにしてるのですねぇ…
分かるほどニヤニヤできる、って奴ですね。
博識ですね。さすがに全部はわかりませんでした。これだけ知っていれば破戒シスターも私とはまた一味違った楽しみ方をしてそうですね。
スパロボと同じくゲームから原作に興味を持つパターンもあり得るので原作は知りたいと思っていたので、これは有難い情報です。マニアックな映画・ドラマが多いですね。
霊幻道士が子供時分にどストライクだったおっさんが来ましたよ。
どうせだったらロリチャイナ娘ちゃんも道士服黄色にしてテンテンちゃんっぽくしてほしかったかなあ・・・あ、ちなみにテンテンちゃんは霊幻道士ではなく、幽幻道士シリーズ(及び來々キョンシーズ)なので間違えては駄目ですよ〜。
それは兎も角、元ネタの多くはマニアックと言うよりは80年代の有名ホラー・コメディ映画やゲーム、アニメから引っ張ってきているのでしょうね。
ゴーストバスターズのバイザーがボトムズみたいな事になっていますし。
どれだけ深く楽しめるかでプレイヤーの年齢が分かる恐ろしいゲームのような気がしますw