色鬼 (体験版)
物語が凄い! らしい?
なにやら物語が深い・伏線の収束の仕方が……等々語られてる本作。
元々サークルさんはマニアな方なら[死んだはずの彼女~彼女でない“何か”に犯されて~]から、そうでない方も前作[コクハクゲエム]でのヒットにおいて、その語り口の上手さに気付く……という所であったと思います。
そしてその両作とも思いきりスチル重視な、言わばADVの運びで作られており、それが空気感の「深さ」に影響していたのではないかな…と。
一転、今作はツクールの歩行グラ演出での進行。どころか道中でいわゆる捕まったら逆レの鬼ごっこ、そしてボス戦でいわゆる(ツクールの)見下ろしACT……といった建て付け。
私的な見方かもですが、スチル重視に物語を展開するよりも歩行グラでの運びというのは、どこか「幼稚さ」も感じてしまうのだよな……(もちろんその分、展開できる物語に幅はある)と思うのですが、体験版範囲で感じたのは、物語の質感というか、扱う範囲の違い……でしょうか。
一言で捉えようとするなら、「欲しい所をちゃんとなぞってくれるし、合間に偲ばれる色々な物語要素の断片も楽しい。でも100%そこに収まるわけではない!」ストーリーとでも申しましょうか。
異形、夜の学校で肝試し、バカップル、犠牲になる同級生……散りばめられたホラーテイスト。
スチル重視だった過去作から見下ろし歩行グラへ、物語のレベルをマッチさせた?
▲田舎に帰ったきた主人公……
▲遭遇する異形!
冒頭母親が死去し、小学校低学年の頃に暮らしてた田舎に戻って来た主人公。
迎える仏頂面のおじいさん。
お前、あの祠を壊したのか!?……という予想展開はここでは外し、夜、主人公が明日から通学する事になる高校に足を向けると、そこで化物と遭遇する……。(*ファースト鬼ごっこレイプ開始。しかし初めのエロがかなりの異形寄りとは……)
▲高校の同級生たち
▲ヤンキーカップルセックスと、それを覗くボクくん(?)
ゆ る さ ん ぞ!
なんとか逃げ切って翌日。
小学校の頃の同級生のはずだが、正直覚えてない立ち絵ありの男女の紹介……、DQNがちな金髪の男と女、別のゲームなら(逆レイプモノの横ACTとかなら)主人公になりそうな別称ボクくんとかみたいなショタめな男の子、あと地味女に地味女2。
そんな面通しがあった後、DQNがちな男の提案で、歓迎会代わりの肝試しを夜の学校で行う事になったのでした。
なんだ、歓迎代わりの肝試しって……しかも夜の学校とか昨日の化物の事があってトラウマだし、と思ってたら放課後。
なにかボクくんが教室を覗いてるではないか……。主人公も同じ事をしてみると……、DQN男女がセックスしていたのでした。教室で!
お前ら(やっぱり)カップルやったんか! まぁ女の子の方とか、いかにもシコれ度が半端なかったもんな……という気持ちと共に、なんか許せない度がムクムクと湧いて来ます。
……これってもしかして、倫理観終わってるというか基本クズみたいな人間が多い田舎を舞台に、ホラーモンスターが現れて血みどろになるけど、最終的にどこかスッキリするやつ(映画)?
▲学校で肝試しだよ
▲そして現れる赤鬼……(高身長、巨乳)
とまぁ、どうしてもそんな筋書きがチラチラ浮かぶのは私だけでしょうか……。
そのままお話は肝試しへ。
集まった6人の男女、DQN男「ペアを組んで、1組ずつ出発しよう」、DQN女「二人一組だって! やらしっ!」とか、別にそんな事言ってないのに男女一組を連想させる話の回し方はさすが。
で果たせるかな、くじびき?で先陣となった組は主人公と……ボクくんでした。
なんでやねん!! まじめか! 男女一組ずつになるよう、DQN男は細工をしとけよ、そういうのやろ、ここは!!
……あと小学校以来10年ぶりくらのハズですが、どうもボクくんの主人公に対する距離感がなんか「仲間だね」というか、「クラスのカースト的にあわよくば自分と横並び」の近さなんだよね。え、やめてくんない? 君と僕、一緒だと思ってない? 違うからね?
そんなこんな、嫌なクラスの関係性みたいのを自分で感じつつ(割と誘導が上手な作家さんなので、狙ってるのかも?)
闇から現れたのが身長2m超という赤鬼。(でも最初に会った異形より人型だし、ちょっとオッパイ的に色々邪な気持ちもよぎってしまう……)
さぁほら、ホラー・モンスター先生がやって来たでぇ! 始まりや!! 怖いでぇっ!
▲他のジャンルだったら絶対安全だったろうに、ぼ、ボクくぅううんん!!
……さてここで質問ですが、
Q. 惨劇の舞台となる「夜の学校」、初めの犠牲者は誰でしょう?
A. (ナードたる)ボクくん。冒頭でセックルしてるバカップルでは無かった! まさかのホラー映画、そして同人エロゲ的にも禁じ手……!?
ボクくんは赤鬼(巨女)に連れ去られ、後に判明するのですがやっぱり逆レイプ天国、いや地獄に。描写的に射精しすぎて気絶したのかなと思ったのですが、その後も死んだ扱いで進むので、どうも本当にそういう事らしい。本当のボクくんだったら10連発は中出しして逆に懲らしめられただろうに……
一方怯えるDQN女と合流した主人公、話をよくよく聞いてみると、どうも肝試しに出発した俺らペアを尻目に、『後ろからこっそり追い掛けて驚かそうとしていたら』赤鬼に気付いたらしい。
つまり俺たちが肝試しの先陣になったのも仕組まれてたかもだし、それって多分DQN男の発案だろうから「”あいつら”驚かして(あっ 懸念通り俺がボクくんと同じカーストグループに位置させられてる!)、残った女子3人に大ウケ、隙あらば総取り」みたいな嫌な所も嗅げますな。
……作品ページのサンプル絵みると、製品版以後はDQN女ともHしちゃうみたいだし、本当に「田舎の倫理観嫌な奴ら」の線は狙ってるのかも知れない…。(だからエロイ、と?)
……とまぁ、物語を咀嚼するのに「(B級)ホラー映画の定番の感じ」と「巧みな肩透かし」で楽しませてくれてる塩梅がありまして、
そしてこの定番の線が、ツクール的な演出で咀嚼しやすい、言わばかなりマッチしたものを選ばれてるのかなと。(細かい話ですが、ウィンドーのテキストも一度に頭に入るよう、かなり読みやすく整えられてると思う、本作……。”目が滑る”という事が殆ど無い。これは地味に凄いです)
確かにこんな物語を今までのADVのスチル風味でやったらかなり手間、あと”嫌度”がドロドロに煮しまって、そこでばかり足が止まっちゃう気がします。
つまり使用する語り口(ADV、見下ろし視点の歩行グラ演出)で、物語のレベルをも変えている……? と考えると、これはちょっと一段違う、物語の巧さが分かるのかなと思います。
「色鬼」式逆レ鬼ごっこ。当然のように隠れたりとかの場面も
そしてボス戦でツクール的な見下ろしACTへ……
▲魔と戦う女子高生だった子から、説明を受ける。各教室とかに石を置いてくるのだ
▲いわゆる鬼ごっこ逆レですが、本作は色鬼なので相手の色の物にタッチしていれば、見えない扱いとなり難を逃れられるのだ
▲捕まるとゲムオバ逆レ。しかしパイズリしてくれるあたり、鬼の方でも一定の何か気持ち良くさせようみたいなものがあるのだろうか
ここからいよいよゲーム場面ですが、先にストーリー要素をネタばらしすると、「こういうの(肝試し)に参加するの、珍しい」と言われてたモブ女2が、JKなのに夜な夜な学校で魔を祓っている……かは知りませんが、まぁ魔と戦う者であったらしく(おぉ、そういうエキゾチック物語要素も含むのか……)、その子の指示で学校に結界を張るべく、あちこちの教室に石を置いて来なさいと。
そしてここでの捕まったら逆レイプの鬼ごっこ(リアル鬼)パートの一つの工夫が『色鬼』という事で、
小学校の頃遊びませんでしたかね、鬼ごっこ、氷鬼、そして色鬼。
今回出たのは赤鬼ですので、追われる主人公が「何か赤色の物」に触ってるうちは鬼は触れない、ゲーム的には「見えなくなる」扱いのようです。
ですので消火器とか机の上にある赤色のノートとかを駆使し、逆レを回避、指定された教室に石を置いていきましょう、という次第。
▲保健室でベッドの下に隠れ、ヒタヒタと探しまわる足音……なんて描写、もちろんあります
▲隠し要素? の赤鬼つっかえ。とりあえず触っておこう……(もみり)
ここでの「欲しい所やってくれる」は、まぁ目的地に石を置いてちょっとホッと一息ついたかと思いきや、赤鬼がガオーッとすかさず突入して来てビビらせる! とかもそう(バイオハザード1的な……?)
やばい、行き止まりの保健室で赤鬼が近付いて来てるよ……こうなったら隠れるしかない!(制限時間)→このベッドの下に隠れよう→自分を探し回る赤鬼のヒタヒタと歩く足を、ベッドの下からの視点でずっと窺う事に……
みたいな展開までもちゃんとあります。
あと前作[コクハクゲエム]でもそんな箇所あった気がしますが、いわゆる”隠れ要素”(と認識されてるらしい)も健在、
自分も故あって体験版2回遊んだんですが、2回目で「迫る赤鬼を上手く障害物に挟んで、怖いけど乳触り放題」とか見付けたのは、素直に”面白い”と感じましたね。
▲罠におびき寄せて女子高生が一閃……かと思ったらあと一歩届かない! あるある
▲そして……お前が戦うんだよ! とばかり、刀を取り見下ろしACTとなるのである
▲やってる戦闘演出の数々
▲あとボス戦敗北はまた違う逆レのようでした
……なんか、乳房とかを揉んで気持ち良くすれば無事に帰って頂けるでは? という感じもするんだよな……(死)
そして石を全て設置した後は屋上に赤鬼を誘い込み、魔を狩る女の子が刀でやっつけてくれる……かと思いきや、まぁそれで済むはずないよなあ!?
力及ばずに弾かれ、目の前に転がって来た刀を手に取る主人公……お前が戦うんだ!(なぜか戦える気がするし!)
という事で、ここでやっとツクール的な見下ろしACTが。溜め切りとかもあるよ!
途中、屋上の底が抜け、窓ガラスをブチ破っても戦い続け、ボタン連打だ! となったのは、なかなかやってる演出感、を覚えました。(でも自分がエモを感じるのは、特にストーリーで語られてはいない、”自分が流した血も赤色なのだから、これを利用”して敵を倒す主人公だったり…)
▲敵か味方か、再び現れた異形
▲過去の回想のなかの女の子。
そして現れた冒頭の異形。赤鬼を軽く捻り、口にするは魔を狩るヒロインの名……? 敵か…味方なのか……!?
あと冒頭、思い出の中で色鬼の話をしてた女の子は同級生の誰かなんだろうか……?
(謎を残し体験版終了、製品版へ急げ!)
とまぁ、こんな物語感を持つのでした。
ここまで書いて思いましたが、これ、後の展開がまったく予想できないな……!
しかも、にも関わらず、「面白い」のだけは分かる気がする。
H要素はやっぱ誘惑されちゃってる時の絵柄、雰囲気、良いですね……。
▲なにげに主人公名を入力する時に、子音(ァ!とか、ェ!)も決めれるこだわり
体験版はプレイ35分くらいかなと。
ゲームの流れを書き出す形になったけど、不思議なものでゲーム中は自分で操作するから全然疑問に思わなかったのが、こうして文章にしてみると割と主人公の行動が謎なんだよね(特に初日、異形に出会ってるのにその後も学校に普通に行ったり、肝試しに参加する辺りとか。あと赤鬼が出た時にDQN男とかどこ行ってたの? とか)
だがゲーム進行としてはこれが正しく、気付かせないのが上手いのだと思う。
個人的にレビューで「ストーリーが良い」って推す事にちょっと反発があって(*作品ではなく、そう薦める人に)
だってそれを口にする人ほど「どう物語が良いか」を教えてくんないんだもの。
ネタバレとかあるんだろうけど、それを避けて語れる言葉自体、持ち合わせてない気がするんだよな……(体験版の粗筋を書いたやつが何を言う)
ストーリーが良いって本来、飯の美味さ評価くらい、割と主観によると思ったりも。
この作品のゲーム実況はここでしてます:
サークルさん過去作(ゲーム):
[コクハクゲエム]
サークルさん過去作(まんが、CG集):
[生保レディが色仕掛けで契約を取る話]
関連:
[桜御前]
が一番に浮かんだかな
あとストーリー良い、としてゴリッチュ氏
[神の目のアイオーン ~前編~]
が挙げられてたあの時代の頃も思い出すなあ、とか
あとは
[洗脳学園 ~呪人の壺~]
とかでしょうか
しかし個人的には、
[ゆうしゃのあしあと]
[Dirty Jobs, Dirty Girls]
の辺りが好きだったりする

















































































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