金字塔と冥府の王 (製品版)

ACT,R18製品版の感想,ライター:エローン大君

*この感想は [エローン大君]さんに書いて頂きました。

ラン&ジャンプにして、ラン&ジャンプに非ず!?3ボタンで遊べる本格アクションゲーム

プレイ画面1ワイヤーアクション
▲本作の特徴的なアクション、ワイヤーアクション。これを駆使しないと完全攻略は不可能!

ボタン3つだけで爽快アクション!追ってくる敵を避けて打ち倒し、ピラミッドから脱出せよ!
SMGホルモンXさんの「金字塔と冥府の王」を紹介いたします。
ピラミッドの謎にまつわるストーリー、魅力的なキャラクター。そしてダッシュ・ワイヤーアクションを駆使したスピード感のあるアクションが魅力的な作品となっております。
本作、サークルさん公式で「ラン&ジャンプ」というスマホ系のジャンルを打ち出しておりますが、私はその本質は「よく出来た横スクロールACT」と見ております。
その理由、そしてもちろん本作はエロ同人。「アニメたっぷりなエロシーン」も含めて書いていきたいと思います。グヘヘ。

PCゲームとしては、もしかしたら新ジャンル!?「半」強制横スクロールアクション

プレイ画面2追ってくるミイラ
▲体験版でも遊べるミイラステージ。さすがに最初の1面のミイラは動きが鈍い。

追ってくる敵から逃げて、捕まったりミスをしたらゲームオーバー。
携帯電話・スマホなどで親しまれてきた「ラン&ジャンプ」というジャンルはそういうゲームでございます。
日本で親しまれてきたもので言えば、古くは「チャリ走」(2007年)、スマホでは「Temple Run」「LINEクッキーラン」「消滅都市」などが有名作。
子どもでも大人でも、タップ・フリックのみで楽しめる「ラン&ジャンプ」ジャンルは、ゲーム性のシンプルさ故に今も隆盛を誇っています。
が、それに偏見を持つ人がいるのも事実。いわゆる「QTE」(映像に合わせてボタンを押す)と変わりませんし、悪いことではありませんが「ソーシャルゲーム的なもの(お金で何とかなるゲーム)」というイメージが、プレイヤーに根付いてしまっていると思います。
その点で、「ラン&ジャンプ」というジャンルを名乗るのは、相当に勇気がいることだと考えています。

プレイ画面2巨大像
▲倒さないといけないボス敵の1人。ある部分にナイフを当てないと倒せない。果たして君はどう倒す?

それでは、実際にその「ラン&ジャンプ」と銘を打った本作、「金字塔と冥府の王」を見てみましょう。
このゲームは迫ってくる敵から逃げるのが目的のアクションゲームで、使うのは「ダッシュ」「ジャンプ」「ナイフ攻撃」、3つのボタン。
ジャンプ中にもう1回ジャンプを押すと、ピラミッドの天井へワイヤーを発射!ワイヤーアクションで悠々と空中を飛び交い、障害物やトラップを避けつつ、敵を翻弄!
一定地点まで逃げ切るか、ボスを倒す事が出来れば、ステージクリアとなります(全14面+?)。
ステージ中には「ダッシュ」「ナイフ」「宝石」のアイテムが配置されていて、宝石は体力代わりの要素。
追ってくる敵に接触した際、持っている「宝石」が0になると捕まってゲームオーバーです。
ちなみに、追ってくる敵の速度は主人公よりも大抵早いので、ダッシュを如何に使うかが攻略のポイントとなっていきます。

プレイ画面3ダッシュ
▲ダッシュは本当に速い。ワイヤーアクションと組み合わせると格好良いぞ!

と説明を書くと、「ラン&ジャンプじゃん」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、実際にプレイしてみると違うのです。
「走り出した時は遅く、徐々にスピードが上がっていく」という加速慣性。水の中を走ったり、ジャンプをしたりすると走る速度が落ちるシステム。
これらは、スーパーマリオブラザーズやソニック・ザ・ヘッジホッグにおける「横スクロールアクション」の要素に他なりません。
言うならば、本作は横スクロールACTのエッセンスを凝縮して作られた、「半強制横スクロールアクション」と言うべき作品です。多分、PCゲームとしてはさりげなく新ジャンル作り出してます、このゲーム。
ちなみに、スマホのラン&ジャンプ系でも、ここまでの「横スクロールACTらしさ」を出せているゲームは、かなり稀だったり。
個人的には、通常時の加速の遅さ・ダッシュの恐るべき速さ・宝石での体力管理・ジャンプ等のミスをしても簡単に遅れ取り戻せるゲーム設計から、コースの自由度こそ無いものの、比較的ソニック寄りのゲーム性だと思います。
ダッシュを使った後のワイヤーアクションは爽快感バツグン!反面、水に完全に使ってしまった時の「窒息カウントダウン」時の焦燥感!
横スクロールACTの楽しさが満喫出来る作品となっております。

良質でユーザーに優しいなレベルデザインが魅力 まさかの問題点「簡単すぎる」

タイトル画面
▲エジプト独特の雰囲気がただようタイトル画面にドキドキ 背景の人やラクダもきちんと動いていたり

ストーリーとしては、

主人公であるオールバックロングでブロンドヘアーな巨乳美女「ドナ」が、ピラミッドの探索に来たところ、ミイラに遭遇。
それに付いてきた、褐色で美乳なちゃっかりもの、サマンサ・サミュエルの姉妹も巻き込まれ、壮絶な逃亡劇が始まる!
立ちふさがるはミイラだけでなく、ワニにファラオに巨大象!?果たして彼女達の運命は!
そしてドナが見つけた「宝」の正体とは……!?

と言った感じ。

岩面
▲アクション映画あるあるなシチュエーションも多数。まるで映画の主人公になった気分が味わえる

総プレイ時間は1時間ぐらいの短編作品ですが、よく考えられたストーリー・各キャラのキャラ立ちともに良質で、クリア時にはまるで一本の映画を見たかのような充実感が得られます。正直感動しました。
ゲームとしての全体的な難易度は低く、特にステージ1〜5はチュートリアル的な意味合いが強いステージとなっています(2段ジャンプ・ワイヤーアクションはステージを進めることで解禁)。
ステージ間では、ドナとサマンサ・サミュエル姉妹の軽妙なやりとりなどが挟まれ、ステージもそのストーリーに即したものに変化。
「水が下から迫ってくる」から、「転がってくる大きな岩に追われる」など、アクション映画あるあるな構図の中、それに合わせて練られたレベルデザインが秀逸です。
「生まれてこのかた、アクションゲームなんてやったことがないよ」なんて人でも、ルールを理解して楽しめる一作です。
よほどのアクションゲーム苦手(例:マリオの1-1がクリアできないレベル)でなければ、クリアまで辿り着ける事でしょう。
体力代わりとなる「宝石」も、敵から猛ダッシュで逃げられる「ダッシュ」アイテムも、普通にプレイしていればカンストしますしね。

兵士面ダッシュで引き離す
▲ワイヤーを刺す天井がないため、ワイヤーアクションは使えない。ところで一体誰に追われている……?

ただ、「全てのアクションを使わなければ突破できない」というステージが、ほぼ存在しないのは難点。
また、ネタバレになりますが「ピラミッド脱出後の数ステージは、本作の特色であるワイヤーアクションが使用禁止になる」と、アクション好きのゲーマーとしては物足りない感じの難易度です。
一応、前の面とは違うジャンプアクションは求められますが、ガワだけを変えて以前の面をやっているような印象です。
とあるボス戦に至っては、「数種の攻撃パターンを見切って、ボスの体力が尽きるまで攻撃を避けながらナイフを投げるだけ」と、恐ろしく単調になっていたりします。
ジャンプアクションとしては珍しく、ステージ中に即死系トラップ(穴・トゲ)などがないのも特徴的で、難易度の低下に拍車をかけていると言えるでしょう(しかしとあるステージでは……)。
ちなみに、似た体力管理システムを持つソニックでは、ダメージを受けるとリングを全て手放しますが、本作はほんの少しだけの減少。
ゲーム終盤になるとさすがに宝石が赤字になりがちですが、「コンティニュー」で前のステージに戻ればアイテムが揃った状態でやり直せるので、宝石を集めつつミスを減らすことでクリアしやすくなることでしょう。

コンティニュー画面
▲ステージセレクトも自由自在。アイテムは引き継がれるので、後半のステージを選んでも普通にクリア出来る。

「クリア出来ない人が出ないように」と配慮されたユーザーフレンドリーさは、本当に凄まじいの一言です。
ただ、難易度の恐ろしい低さから来る「やり込み度の低さ」はどうしても引っかかってくるところ。
ダッシュ・ワイヤーアクションを絡めた爽快感たっぷりのゲーム性は、純粋に遊んでいて楽しく問題はありません。
タイムアタック機能などちょっとした要素を加えれば、アクションゲームマニアにもたまらない作品になったのではないか?と思います。
あと、マリオ2みたいな感じで、純粋に難易度を上げた続編が出たら嬉しいですね。

きちんとしたゲーム性に負けない、シチュ豊富なHアニメの数々は要注目

ゾンビクンニ
▲最初はクンニだけだが、面が進むに連れてエロはだんだん過激に……!

さて、ゲームオーバーになると敵に捕まってしまい、ドナ(とついでにサマンサ)は酷い目にあってしまいます。
酷い目と言ってもグロ・リョナというわけではございません。この「酷い目」こそが本作のエロシーンでございます。
少々癖のある絵ではありますが、それが気にならないぐらいエロコンテンツも良質です。
キャラクターデザインも結構興味深く、白人で金髪・ロングヘアー・垂れ目・巨乳なドナ、褐色肌で黒髪・ラフウェーブでボブ・釣り目の貧乳(というより美乳?)なサマンサ。見事にヒロインの持つ属性が対照的となっております。
そんな2人のヒロインがあう「酷い目」も、シチューションが本当に様々。
軽く数種類を羅列するだけでも、
・ミイラにクンニ
・アヘ顔SEX
・ご奉仕フェラ
・獣姦(ワニ姦!レア!)
・丸呑み&触手プレイ
・ボールギャグをハメられスパンキング
などなど、通常のプレイからアブノーマルなプレイまで、何でも取りそろえております。

エロシーン2人
▲思わず見てしまうおっぱいの揺れ方の違い

アニメーションも良質な上、アニメ中に語られるノベル自体も、
「冒険家のはずなのに変態プレイで猛烈に感じてしまうドナ」
「弟やドナを助けるために奴隷となることを決めるサマンサ」
など、心中の描き方も上手く、なかなかにエロさをかき立てられるものがあります。
エロシーンが「喘ぎ声だけが聞こえる暗転」から始まるというのも、「どんな目にあっているんだろう」と思わず妄想させられて、面白い演出手法だと思いました。
序盤のステージでは「喘ぎ声のパターンが少ないなぁ」と思っていましたが、後半になってだんだんエロが派手になるにつれて、喘ぎ声に派手になっていきますのでクリアを目指して頑張りましょう。
ちなみに、おっぱい星人である私としては、ドナとサマンサの乳の揺れ方とかに注目してしまって、2人が絡むエロシーンは「うおおおおお!」と燃えていたり。
本作のギャラリーモード解禁は「ステージをクリア」することで行われるため、いちいちゲームオーバーになる必要もありません。
エロにまつわるユーザーフレンドリーさも、非常に嬉しいところだと思います。

個人的には「海外ウケ」が狙えそうに思える傑作 だが……

巨大ミイラ
▲実は「攻略方法に気付けるか」が一番重要なゲームなのかも。……パズル要素?

というわけで、アクションゲームとしてのゲーム面・エロ面共に良質な「金字塔と冥府の王」感想でございました。
あくまで個人的な感想ではありますが、低難易度に目を向けなければ、名前の通り「アクションゲームの新ジャンルとしての金字塔」になれるのではないか、と思えるほどの傑作だと思います。
感想記事では私自身、滅多にベタ褒めすることは無いのですが、この作品に関しては完全に別です。超オススメ。
もう一つ個人的な感想を書かせていただきますと、本作は難易度・やり込み要素をチューニングさえすれば、例え一般向けとして売り出しても「海外ウケ」が狙える作品だと思います。
というのも、絵柄自体が比較的海外ウケしやすいというのもあるのですが、ゲーム性が「ソニック」に近いというのが一番大きいです。
実は欧米では、マリオと双璧を並べるレベルでソニックの人気があり、日本ではスーパーファミコンが大勝ちしたのに対し、欧米ではメガドライブがほぼ拮抗した形で売れているというデータも残っています。
ソニックの売れた主要因は、クールでポップなデザインと「多彩なルートとそれを用いた爽快なタイムアタック」。一本道である本作では「多彩なルート」は出来ませんが、レベルデザインで難易度調整をすれば売れるはず、と見ています。
ただ、海外では成人向けで販売できるマーケットがほとんど無いと言いますか、本気で「DLsite」か「MiKandi(欧米の販売サイト・日本法人有り)」ぐらいしかないと思われます。
日本だけで埋もれさせるには惜しい作品。できれば海外の人にも遊んで欲しい一作です。