黒き祈り〜冥哭のメルルーナ〜 (体験版)
ツクール上でゴリゴリに凝る。その結果の珍しいシステムの数々
今やツクールMVでは大小様々なプラグインが発表されていますが、本作はそれを積極的に採用、かなりシステム重視な作品になっていると思います。
(そういうのが「意味もなく見た目だけ派手」になりがちな中、ちゃんと一定の方向が感じられるのも良い)
セリフの会話と並行して「(言葉とは裏腹に)何を思っているか」の思考メッセージが随時、画面上に流れ、物語に深みを与える。
また補助的な意味ではなかなか進めずにいると、アドバイスメッセージとしても出現して、複雑なシステムの理解を助けたり。
フィールドに出ると”拠点に戻れるワープゾーンまでの、歩数と角度(どれだけ離れたか)”が、何かコンパス風に表示される…に至っては、いかにも色々頑張って自作してるなぁ、という感じを覚えました。
キー入力とマウスクリックの同時操作! 忙しくも楽しいQTE戦闘
その中でも最大の意趣は、QTEと銘打った戦闘システム。
これは主に二つの要素から成っており、まず一つは攻撃直後に方向キーが出るので、時間内に入力すれば更なる追撃に成功すると。
そしてもう一つは戦闘画面に並んだ魔法アイコンをマウスでクリックすると「割り込み」が発生するというもので、これは主人公の行動開始~終了のいつでも発動可能。
というか、どうやら魔法ごとに詠唱時間なども内部で測ってるようで、クリックするタイミングによりその効果が分かれる…というのが実際の感覚。
例えば、通常攻撃をしようとしたら、敵に先制されてダメージ、これが思いのほか痛くてピンチ! という状況になったら(ここまでは通常の戦闘の流れですね)
敵の攻撃後~こちらの攻撃が成立するまでに回復魔法アイコンをクリックして「割り込み」、攻撃から回復へと行動を差し変える事も可能。
これは状況判断に用いた場合ですが、強力なのは魔法を放った直後に「割り込む」ことで、上手くいけばファイアー+更にファイアーとか、ファイアー+回復といった、実質上の二回行動も可能。
(ただし詠唱時間の関係か、割とタイミングがタイト。ギリギリだと失敗する気がする)
そして大事なことですが、その間も攻撃後の方向キー入力が発生している。
つまりマウスでファイアーを重ね掛け(マウスクリック)できたかと思ったら、すかさず追撃(キーボードかゲームパッド)という訳で、もう大忙し。
しかもボス戦なんかは敵の攻撃力がかなり高いゲームバランスで、「いま回復の割り込みに成功しなかったら死ぬ!」って場面が多くて、かなり緊迫した面白い手応えがありました。
(製品版では難易度設定もできるようですが、「イージー」か「ハードもしくはそれ以上」らしい…)
戦闘強化のためのサブイベント・NPCエロシーン。初潮が争点になるロリ主人公エロ…
そんな凝り方もあり、本作は戦闘を中心として回っていく流れかなと。
予告では、強制的に与えられるクエストは「森のボスを倒す」一点のみですし、なにげにザコ敵の種類多く、背後から襲えば先制、寄り道の強ボスとかもいる…
「割り込み」で使える魔法は装備メニューに対応してるので、強敵を前に練ってみたり…
とかは、まさにそれを感じさせる仕様。
任意のサブイベントもその辺りに設けられていて、
なにしろ森のボスがまっすぐ挑んだだけではホントにワンパンで倒されるレベルなので、自然と行き止まり、他の道を探してみると、(特に誘導があった訳ではありませんが)街へ出る事に。
そして街では、森で採れる花を欲しがっている人が居たり、LVアップで覚える避妊魔法で助けられる人が居たり。
それらの要望を叶えてあげれば、お金を貰えて、強い装飾品も買えるかも…ということです。
またここではNPCのエロシーンにも展開する。
(ちなみに今作、魔法を覚えると「攻撃スキルとして選べる」「割り込み候補としてセットできる」から「サブイベントのクリア条件」「浮遊魔法などは、今まで行けなかった場所の宝箱とかも取れるようになる」まで活躍の幅があり。
新魔法習得がお飾りではなく、なかなか楽しいのでした…。
サブイベント条件がLVで覚える魔法ということは、「強さ」でイベント見て、「更に強くなって戦闘へ」という、まさに戦闘中心のフィードバックですね)
なかには、闇の魔道士を父親代わりに崇めるロリ主人公が、
同世代の子と仲良くなったサブイベントの後に、魔力アップの為に殺害を命令される…とか、
実験と称して犯され、初潮も来てないのに妊娠&出産してしまう…といった、あとあとエンディングに絡んできそうな重いイベントもあり。
またそうしたエロの後は決まって、割り込みのための特殊な魔法を覚えたり、強力な戦力増となる。
「エンディングリスト」という表記がメニューにある事から察するに、
ボスで詰まり→サブイベントを探して強くなる(エロを見る)、
ただし不幸を溜めすぎるとEDが変化、あるいは強制バッドエンド…という構造かな? と想像しました。
一つ独特な感覚であり、面白さのポイントだと思ったのは、
他の作品ではクエスト制と言ってもだいたい初めのギルド等で薦められたりする中、本当に自主的な発見に任せてること、しかもメインの戦闘を無視しても、サブイベントだけでかなり展開していく広がりがあること。
(予告ではそもそもサブイベントの進みが終了条件という)
サークルさん初のRPGですが、ゴリゴリ作ってあるなー、と思う由縁はこの辺りです。
素材利用の苦しさもちょっとあるかな…
ただあえて言うなら、システム重視な分だけ、グラフィックに疎い…というか、あちこちの素材を引っ張って活用してるので、統一感の乏しさや雑さが、気になる人は気になるかな? と。
(マップチップに凝ろうとしてるのは分かるけど、拡大してて粗くなってたり…)
NPCエロも、正直名前も立ち絵も無い人のを見させられても…というのはあって、外注の苦しい台所事情も覗いてるような。
しかし製品版では、サブイベントや思考メッセージで健気さを出してる主人公ロリが生理を迎え、危険日や安全日という概念も出てくる…とか、分かるなぁと思いますし、
驚きなのは、前作の音声作品が丸々付いてくる(!?)という特典。
打って出たい…、そんなパワーが窺える予告でしたね。
ディスカッション
コメント一覧
ツクールMV作品増えてきてますよね。
絵柄も好みで面白そうなんですがMVなのがネッグなんですよねえ。
今までのツクールシリーズと規格が違うから買うの躊躇してしまいます。
最大の要因はゲームパッドなんですが、対応するのを使ってはいますが、ゲーム内でキーコンフィグしようとしたりすると反応しなくなるんですよね。
だから結局コンフィグせずにやり辛いままプレイしないとならないのが・・・
あと謎なのがパッドだとダッシュボタンとメニューボタンがかぶってて常時ダッシュをつかわないと走れないのは難点。
個人的に改善してほしいところが多いツクールです。
ツクールMV作品遊んだこと無いので、※1の方の情報がちょっとありがたかったり。
しかしそういったツクール上のマイナス要素を差し引いても、レビュー読む限りではこのゲームは魅力的に感じます。
絵柄の可愛らしさもさることながら、なんでもいいから思いついたことを色々詰め込んで作ってみる!みたいな感じが、これぞ同人ゲームといった趣で好感触ですね。
取り敢えず体験版遊んでみようかと思います。
コメントありがとうございます。
本作、面白いのは「キーボード or パッドで歩く時は普通速度」、「マウスで行き先をクリックした時は倍速で移動」するんですね。
前者は”その方向に一歩進む”のが目的、後者は”クリックした所へ行く”のが目的なので、感覚的に正しいのですが、この措置をしてるのは本作が初めてで、感心しました。
そんな訳で、マウスのプレイにもかなり配慮されてる作品だと思います。
というかゲームパッドだと戦闘のたびに結構慌てるので、もしかしたらマウス基本、QTEだけキーボードを少し使う方がプレイしやすいかも…
いくつかツクールMVはやったけど、どれもクソ重いって共通点あるから欠陥OSとしか思えん
そんなにマウスでやりたい需要ってあるのかな?
商業みたいに美麗な画像動かすから重いってんなら分かるけどさあ
重さの原因は描画自体にあって、要はスマホとかマルチ環境を考えてるからそうなるのですけど、今のDL同人エロゲはPCだけあれば十分って感じですからね…。
恩恵感じられないのも分かるかも。
ただ盛んにセールやってますし、MVの作品はこれからどんどん増えていきそうなんですよねぇ…