放浪都市 (製品版)

ARPG,R18製品版の感想,ライター:エローン大君

*この感想は [エローン大君]さんに書いて頂きました。

荒廃した世界の中、「クウボ」で暮らす。やめどきが見つからない不思議なACT

タイトル荒廃した世界だけどのんきなBGM。本作をよく表すタイトル画面。

何ゲーかと聞かれて、これほど迷うゲームはないでしょう。
酸遁さん製作の「放浪都市」について軽く紹介とレビューを致します。
ゲームの内容は、「つなぎを着た主人公・せんぱいとなり、クウボの修理工として生活を送る」。ただこれだけです。
「何故世界が荒廃したのか」なんてことは深く語られませんし、登場する生き物(大体は虫)を使った料理などやればやるほど不思議がいっぱい。
錆び付いたタイトルロゴに、のんきなBGMが流れるタイトル画面を眺めているだけで、どこか穏やかな気持ちになれる本作。
安価ながらも、エロドットHの良質さ・雰囲気の面白さから、ついついゲームから抜け出せなくなってしまう作品となっております。

壊れてるものを見つけては直す生活の中、たまに行ける「がらくた島」のワクワク感

このゲームは基本的に、「壊れているものを修理材料で直し、お金をGETしていく」ことがメイン。
その際に出会う様々な生き物を倒して、料理用素材を集めつつ、ただただ生活していきます。

ステージ他の修理工もいるので、あまり壊れていない時もある

壊れているものは、電灯程度のものから、やたらと大きな機械やセントリーガン(!?)まで様々。
ねじや鉄板、銅線にゴムの4つからなる修理材料が切れたら、クウボの居住区横にある商業区に向かいましょう。
商業区には、虫などを料理してくれるお店や、工具改造の店、服屋に修理材料屋と、様々な店があります。

食事グラゲテモノに見えて意外と美味いらしい

そこでご飯を食べて疲労度を回復したり、工具をレベルアップして修理出来る機械を増やしたり。
これらを延々と繰り返して、荒廃した世界の中、淡々と生活を送り雰囲気を楽しむのが本作の楽しみ方です。
エンディングも無いので、その気になれば延々と楽しめますが、それだけでは刺激不足と言うもの。

虫修理工のパラダイス(主に材料費削減的な意味で)には生物もたくさん

そんな中、たまに「がらくた島」と呼ばれる修理材料が集められる島が現れます。
複数の種類のがらくた島があり、朽ち果てた建物から、辛うじて形を保ったマンションまで、様々な光景が見られます。
修理材料がただで手に入るのでヒャッホウ!と喜べる上に、特定のがらくた島にしか棲息していない生物もいたりして面白かったり。
こういった刺激が定期的に来るだけに、余計に作品世界にのめり込んでしまうのです。
個人的に感じた難点としては、一旦イベント・料理ともにコンプリートしてしまうと、がらくた島以外楽しみが無くなるところ。
もっと、色々な生物を掛け合わせたゲテモノっぽい料理を見ては、もっと雰囲気に浸りたいものです。
本作はインディーズゲームとして見てもとても優秀と言いますか、「作り込めば作り込むほど売れる」作品なんじゃないかなと思います。
製作ツールが「アクションエディター4」(※複雑なものを作るのが面倒)なのも相まって、よくここまで長く楽しめて雰囲気に浸れるゲームが作れたなぁと感心します。

イベントCGですらドットH!エロドットHには要注目

本作のエロシーンは、虫などの生物によるアクションシーンでの「通常ドットH」と、条件を満たすことで見られる「イベントH」の2つがあります。
主人公のステータスには、「疲労度」(HP)の他に「ムラ度」があり、その名の通りムラムラした時に上がるステータス。
この「ムラ度」が影響するのが、虫を始めとした様々な生物からのセクハラでのダメージです。
Hとはなかなか結びつかない服装である「つなぎ」を脱がされて、アナルやスジマンを責められ思わず感じちゃう。

エッチドット工具を投げられるようにしないと、まず犯されてしまう虫(ギャラリーモードにて)

蟲姦や、猿や謎の生き物などの異種姦なシチュエーションがメインなだけに、余計にたまりません。
ドットHアニメの質は非常に高く、また商業区での服屋で服を買えば「スク水」「全裸」など様々なコスチュームでもドットHアニメが楽しめます。
ちなみにNPCがいないところではオナニーができ、ここで絶頂すればムラ度を下げる事が出来たりします。
服屋ではさりげに「おもちゃ」として、ディルドやアナルビーンズなども売っており、後述するイベントCGによってはアニメ自体が変化したりします。
自分自身、いつ解禁したのか分からないんですが、ギャラリーで見られた「アナルビーンズをお尻から引き抜く」ドットHアニメは、なかなかに好みです。

イベントエッチ※特にひどいプレイをしているわけではありません

また、イベントCGにあたる部分も全てドットHというのが凄まじく、乳首をくにくにする様や、お尻をスパンキングした時の尻の揺れなど、全てドットでアニメーションします。
イベントCGは全7種で睡眠姦が多め(※挿入シーンもありますが全部アナル)な印象ですが、レズいイベントなんかも用意されてたりします。 
個人的に、このサークルさんの処女作「BARRAGE!」からなんですが、犯されるなどのことがあっても、どこかあっけらかんとした雰囲気が面白いと思います。
処女作では、レイプされていた女兵士が「もう少し休ませてください……ズコバコやられてたもんで」と言ったのに対して、「表現を考えなさいよ」とツッコミが入っていました。
本作に至っては、自分を犯した虫や生き物を倒して、食事処で売ったり食べたりするのですから、「犯されるのも生活の一部」みたいな演出になっているのが、何だか不思議で面白かったり。
前述した通り、イベントHも睡眠姦やレズい出来事がある割に、ショッキングな出来事では無く、あくまでクウボでの日常の一部と言った感じ。
よくある「強い女性が無様な姿を晒す」エロACTとは違った、独特な雰囲気が醸し出されていると感じますね。

生活を送るだけでも楽しい、不思議なゲーム

居住区クウボの居住区。夜中なのでみんな寝てます。

修理が大変な機械を直すことを目標に頑張ったり、狙撃兵の「明日がらくた島に行ける」という言葉に喜んだり。
荒廃した世界の中、どこに向かっているのかも分からないクウボの上で生活を送る。
「放浪都市」は、ただただそれだけで楽しいゲームなのです。
ふと気が向いた時に起動して、タイトルの夕焼けに照らされた世界とBGMを、そして「せんぱい」としての生活を愛したい一作です。