魔働〜MonsterWorks〜DL版 (製品版)
さて以前よりその情熱感が気になっており、その割には体験版がない…[魔働〜MonsterWorks〜]。
経営カードゲームとありますが…一体どんなゲームなのでしょうか! さっそくやってみました。
これは面白いものだ
何通りもの戦略を考える事ができる、練られたカードゲーム。
戦略を"モンスター企業"という一つのイメージで連想できるのも分かりやすい。

今のところ、ストーリーモードで挑んでは破れ、くそー、今度はデッキのこれを減らしてあれを増やそうとリトライ、そして新しい面に進めば、そんな手もあったかと驚かされるやり方に遭遇…(この深さが非常に多い印象)
気が付けばぶっ続けて6時間遊んでた。
カードゲームの良し悪しって判断が難しいんですが(自分もそれほど濃厚な経験がある訳でないし)
少なくともゲーム単体は面白い。

ただ一般向け同人で1944円のハードルって、意外に高いんでしょうね…
それがばんばん売れるにはきっと、微妙な空気作りやら何やらが必要で…、難しい。
パッケージ版の方が売れやすいとか言うのも、何となく分かるなと(一つの動機になる)
(*ちなみに今作のDL版は後発という事で、ストーリー・チュートリアルモード、新カード、カードバランスの見直し…など、更に作り込まれてる様子。
特に前者二つは大きな違いでしょう…)
基本ルール
ルールとしては、社員・会社・魔法という三種のカードがあり、それらを現金を払って、場に召喚していきます。
50万払ってA会社を建設、だけど毎月の利益が10万上がるので長い目で投資…という感じですね。
社員は場に出された会社カードを守る役割であり、また彼らの労働力の合計ぶん利益率がアップする、労働者でもある。
残りの魔法カードは社員を成長させたり、他のプレイヤーへの嫌がらせをしたりの特殊効果(ただしMPが必要)

社員や会社カードは、お金やMP生産に適したもの、また後で述べる襲撃や、その防衛に秀でたもの…など様々な特性がある。
様々なカードから40~60枚まで選んでデッキを作り、プレイヤー達は最大4人で戦う。
また各プレイヤーがターンの終わりに選べる基本コマンドがあり、「残業(お金を更にゲット)」「訓練(社員の戦闘力を上げる)」など、状況を見て伸ばしていく。
これも会社や魔法カードで、新しいコマンドが増えたりも。

流れとしては、手札から三種のカードを選んで召喚、基本コマンドを選ぶ、これで自分のターンは終了。
他のプレイヤーも順次同じ事を…となっています。
武闘派社員が、他の組織にカチコミ
さて襲撃とか社員が守るとか物騒な言葉が出ていますが、然り、本作は2ターンめ以降に「襲撃」という基本コマンドが加わる。
これは文字通り、社員たちが他のプレイヤーを襲撃すること(基本、社員はモンスターだからね)
勝てばお金を強奪、しかも戦闘でHP0にされた社員は消えてしまう。

労働力0、明らかな武闘派の社員たちが他プレイヤーへカチコミを掛け、新聞記者とかのマジメな人達を葬りお金を奪っていくのは、ゲーム開始時に提示された暴力の快感。
しばらくはこれにハマる事でしょう。
しかしそこは多人数ゲーム。
もし攻めあぐねて、あっちが弱り、こっちが疲弊する…という事になればその途端、腹を見せたなとばかり、他のプレイヤーが美味しい所をさらって行くえげつなさ。
しかも襲撃は"◯ターンに1回"とかの縛りは無いので、次ターンも弱った所へ襲いかかる容赦なさ。
一方的な搾取ループ、まさに"弱った者は死ぬまで叩け"の世界観。
となれば先に動けば死ぬ、動くなら確実に殺らねばならない、出来れば弱ったプレイヤーだけを叩いて漁夫の利を得たい…

と奇妙なパワーバランスでもって、いつでも攻められるのだが、いよいよ勝負が決まろうかという最終状況まで他のプレイヤーの出方を窺う…
という緊張感あふれる展開になったり。
社員は使い捨て、社員は人財…!? 千差万別な戦略が許容されるッ!
しかし社員たちには色々な属性が付いていて、それが幅の広い戦略を可能にする。

例えば「泥棒」+「先制」スキルを持った社員なら、攻撃を仕掛けて金を盗み、相手の反撃を待たずに逃亡。
つまり襲撃がノーリスクになるので毎ターンの襲撃上等、むしろそれが収入の柱になる…なんて戦い方に。
(むしろ泥棒スキルの社員はたいがい労働力が低いので、"メインの業務が強盗"とならざるを得ない)
ただし受け手に回るとマトモに戦えないので、防御優先の会社を築いておく…という戦略になるのです。
もちろん襲撃なんて一切しない、まじめに「学校」を建設して(社員の労働力が毎ターン成長していく)圧倒的な収入を上げられるようになろう、
攻められた時の為に二人くらい「警備員」の属性の社員を置いておく(襲撃には参加できないが、防御時には+効果)
という道もあったり。
イメージが一貫して分かりやすいのはまさにこの辺りで、
「ブラック企業」という会社カードは毎ターンの収入が高いですが、ターンの初めにランダムで社員が死ぬ(ひどい)
そこで「ボランティア」属性の社員を持ってこれば、雇用費は0円で済むぞ、しかも中にはボランティアらしく"仲間を呼ぶ"特別スキルを持った奴もいるし。
ここに「社員をクビにしたら◯万ゲットできる」なんて会社もありまして、これらを組み合わせれば"社員育てる気一切なし。社員は消耗品じゃ、ガッハッハ"なんて経営もあるのですよ…
(デッキが尽きたらもうカードを引けないので、対策を考える必要がありますが)

まさしく千差万別な戦いですが、最終的な勝利条件は"現金の多さ"。
毎ターンの会社利益も、社員の能力も関係なし。
これが多様な戦略を一つの土俵に上げ、最後は一つのパイを奪い合う熱いバランスにしてる。
またこれほどの戦略がありながら、基本的には12ターンで終わる…というのも、
ダレるほど長くなく・だが"序盤にこうしておけば良かった"と後悔が出る程には短くなく。
駆け引きの醍醐味と勝利の愉悦、あるいは敗北時のすぐさまリトライしたい…という気持ちを満たす、丁度良い長さ。
時間を掛けた、丁寧な調整が随所にあります(しかも遊ぶ側は、それを気にせず遊べる)
ストーリーモード
ストーリーモードも個性的なキャラかつ、軽快でライトなやりとりが面白い感じ。
(後から加えられたのでオマケかと思ったら、普通にこれ単体で面白い…手を抜いていない)
しかも一戦一戦が結構な難易度で、やり応えあり。
(6時間プレイで、4人居る女の子キャラのうち、まだ一人目さえ倒せず…)


「どう考えても単体デッキでは役立たない(他プレイヤーのデッキ前提の)戦略を使ってくる」みたいな所もありますが、まあこちらも、リトライ時には相手のデッキを知って対策建てられますし。
デッキ型カードゲームのストーリーモードがある種"詰め将棋"みたいになるのは致し方ないところ、むしろ新しい戦略のネタを気付かされたり、無理めな罠から頭を捻って打ち砕くのも一つの楽しみ。
本作、対人のネット対戦こそ肝…でしょうし、強奪で場を掻き乱す感とか、確かに想像するだに面白そう。
…たくさん売れてれば、もしかしたら…、そう思わされるポテンシャルはある。
二章に進んで鎧女や筋肉女も出てきた、なんだかハーレムラノベのような展開だ(って主人公が言ってる)

そしてこのタイミングでデッキに新カード加入。
「二章からは新カードを使いこなさないとクリアが難しい」らしく…燃える展開。
デッキのコンセプトを考えて挑戦、その後に試合して分かった甘い所を煮詰めて、カードを1枚減らしては入れて…って編成が醍醐味だけあって、もう1戦勝つ為に、黙々と時間が過ぎていく…。
楽しいんですが、ちょっとイチから作るのはしんどい時も…
参加可能になる40枚には一回り足りないカスタマイズ用デッキが幾つかあると、有難かったかも。
黙々とストーリーモードにハマる自分ですが、合間にネット対戦は入れたいところ…

メインメニューの「試合観戦」を選ぶと、ネットで行われた過去の対戦を見る事ができるのね…!
これは良い機能。今でも1日1回は行われているようだ
今更なんですが、戦闘力=ほぼHPなんですね、そして戦闘力は成長しやすいけど攻撃力は上がりにくい。
だから終盤になるほど、襲撃は難しく…、だけど成功すれば一発逆転になってる…っていうバランス。
(ただしHPが残り少ないと、攻撃力も僅かになる気がする。…HPの最大値上げても攻撃力増えないけど、瀕死だと減る?)
それを見越してあえて中盤に仕掛けたり、敵の得意な形に入らせないのが大事。
ただし他のプレイヤーも居るから弱みを見せられないぞ…っていう駆け引き。
相手や運しだいでアドリブ効くカード入れておくと勝敗安定しますし、底が見えそうで見えなく…。
楽しんでます。
最終の4章まで進んだ、敵全員に狙われる3VS1の話もあれば、こちらがタッグを組んで大ボス倒すステージもあり。

戦闘VS防衛デッキなら後者の方がふつう有利なんだけど、他の3人とも戦闘デッキだと防ぎ切るのはムリ。
自分のデッキじゃなく、他の人(複数)の腕と戦略に左右される辺り、麻雀と似てるなあと…
(実際駆け引きを打ちたくても、相手が猪突猛進タイプだと難しい)
そういう場合はむしろ、盗賊タイプで初めに一人潰しておく、みたいな裏の掻き方がいける。

3章に入ると"設置してお金や強化が毎ターン溜まる"壺系やら、社員カード全員死亡の魔法とか、前提を覆すものも出てきた。
ただしマイナス収入だの、魔力がバカ要るとか性能が極端。
後から入るカード>前のカードって訳でもなく、使いどころってのが熱いところ。
試合中に新しいデッキのアイデアが浮かんでも終わり頃には忘れてるので、気付いたらその場でメモ帳に書き込んでおくのが癖のように…。
しかし泥棒デッキには警察、平均が強いメイド隊にはホスト系、壺には壺割り魔法…とちょっと堂々巡り感もでてきたか…?


カードゲーム的には、なにげに"デッキが一巡しない""ほぼ最初からドロー枚数にばらつきが出る(社員の「広告」数のぶんだけドロー)"って珍しいかも知れない。
チャンスを逃してももう一巡すれば良いやとか、デッキを早く回して同じカードを掻き集める、とか無し。
それと終了まで12ターンという、調度良い短さ。
最後まで掛かって全てカードを引き終わるデッキもあれば、4ターンくらいで全て揃って戦略を広げるデッキもある(ただし代償はある)…と。
やり込む度に見えてくる物があるけど、それを初めから意識しなくても、何となく勝てる道が残ってる…ってのも良い調整かなと。
自分のメイン推しは盗賊系、CPU戦ではこれが勝ちやすい気が…。
2ターン目の速攻で潰しても良し、最終ターンの「神威戦術」で大逆転も良し…。
ただそれだとさすがに相性が極端なので、自分は「人材派遣」と「ボランティア雇用(魔法)」でアドリブ対応できるようにしてるのだ…!
ラスボス、最初から激強ユニット・2ターン目から速攻・魔力吸収というムリゲ感に悩まされつつ、結局最後まで泥棒の速攻(と運)頼みだったぜ!
苦手な組み合わせは幾つかあるけど、なんだかんだ安定してるよね? 泥棒…
第一章からあるカード(竜系とか)が、新種加入で脚光を浴びたりするのはさすが。
しかし最後くらいになると"そりゃ無いぜ"みたいなカードが増えましたがどうでしょう…、対戦では案外面白い展開をするのかも。
CPU戦ではどうしてもアルゴリズムの裏を突く感じになっちゃうので…
いや、面白いゲームでしたよ…長く楽しませて貰いました(これ.decを上げれば共有できるのかな?)
細かいこと
●ストーリーモードで敵のフェイズは早送りが出来ると良かったかな…?(Ctrl押しとか)
●状況によって手札が多すぎてゴチャゴチャしちゃう事が。
マウスオンしたものは手前に来て欲しい…
同じく、もう設置済の会社カードにマウスオンした場合、場にある方を光らせたりして欲しい(一枚あれば事足りるカードを一目で判断したい)
あと慣れないうちは、社員カードが雇用できないのは「お金が足りない」のか「手札が一杯だから」なのか分かりにくかったり…
公式ホームページ:http://www6383ui.sakura.ne.jp/monsterworks/
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