第24回3分ゲーコンテスト 感想(11本)

お話中心,一般向け

1プレイ3分のフリーゲームたちの饗宴……。

この間体験版プレイした[竜の洞窟]で『怪鳥』が元ネタとして挙げられて懐かしく思っていましたが、その怪鳥も本を正せば、第5回3分ゲーコンテスト優勝作品。
他にも第20回を見れば[ウラレタウン]の作者さんが参加されて優勝を飾りましたし、
他には第8回では『愛と勇気とかしわもち』など……。

このブログに書いた過去の3分ゲー感想:

過去の記録:

そんな3分ゲーコンテストの第24回目が、まさに今、開催中なのです。

https://3punge.wixsite.com/3punge/24

111ももう何回目になるか分かりませんが(記録にある7回と、前回・今回合わせると、9回目になる計算……?)
사랑(サラン)
という作品で参加しているので、まぁ興味があったら色々プレイすると良いのだ。

既にプレイした人の感想ツイートも貼っておこう……↓

さて、では私が書いた他の参加作品の感想。↓
今回は全体に粒揃いでクオリティ高い……、私の作品が最下位かも知れんぞ……。

ネコバトル3

ムズイ! 全3ステージの様ですが、ぼっとしてたら1ステージ目でさえクリアは覚束ないぞ。
しかしどの箇所で死んだか(どのキャラが強いか)しっかり覚え、アイテム取得や隠された技? など傾向と対策をみっちりやっていけばクリア出来るように……とがっしりした横ACT

ドッピィーやアンゼリカ、たこぶえなどをしばき倒し、3の倍数? だけ、ネコバがぐんにょりしてイヤイヤするのであった…

異界遺物のブロック崩し

何回もプレイしてポイント獲得&パワーアップ。どんどん派手になるブロック崩し(というより弾発射)だ! そしてどんどん怖い資料を閲覧していき……。
更に往年のweb上謎解きの様な感じまで網羅してる仕様。分かると結構なアハ体験が。

ランキング、一行コメントとプレイアブルな仕掛けもしっかり用意されてますね

ネコバドッグス レギオン

圧倒的な軍隊に挑む6匹のどうぶつ達! ネコバが、チンチラが次々と倒れて行く……だが奇跡は起きる!
ウーパーテロリスト、桝添、あと何かインベーダーとか、過去1回しか出なかったキャラ達が……、お前ら忘れられてなかったんか! RTSぽい内容ですね

まぁゲーム的には処理重い…かな(HSPとはいえさすがにこれだけキャラ・弓矢出したら重くなるものか? どうだろ?)とかあるし、
細かい所では右クリックで矢の狙いの位置指定できた方が良いのではとか、囲った時はマウスポインタも変化した方が分かり易いかな、とかあるものの、ルール分からない1回目では負け、きちんとプレイした2回目では勝てたんで、やはりしっかりしてる所はしっかりしている。

子供の頃遊んだ、忘れていたブリキのおもちゃが危機に駆け付けた様な謎の感動があり、そこがメインなのかなと思いました。
(しかもネコバが何だか分からない人には、さっぱり分からないという…… 自分も2/3くらいしかキャラ分からねえ……)

コンパスコンビ

ネコの兄弟がコンパスの宇宙船に乗って、お父さんを助けるっ! カジュアルにプレイ、すぐに「そういう事か」となれる良作。
子供も楽しめる様な直感的な楽しさに、どこかリブルラブルの様な? 懐かしさも心地良い。ぼかーん! と爆発しちゃった時までも爽快感があるんだ

ただ(前回優勝者の方なので)厳しめに見ると、敵、転がるブロックなどを用意しつつも、やや遊びの幅のバラエティが弱い気も。
あと個人的に、黒い円状の線が幾つも刻まれた時、ちょっと見た目に汚さを覚えてしまったので(クリア目的を考えれば正しいのだけども)「溝を掘る」様な楽しさも欲しかったかも知れない……
子供はそういう面白さも好きだと思う…

でもマップエディタが入ってて、これがさくっとちゃんと遊べる、という辺り、さすが……。皆さん、TonyuSystem2はこういう事が出来るんですよ……webで…

3分ゲーというものを短く沢山プレイしてると、まさにその多様さに、才能や考えがゲームというものを作るのだ、それに現れるんだなぁと思い知らされる訳だが、ではその中で良いゲームと評価される物とは何か……改めて考えさせられる。
本作はTonyuSystemの作者さんでもある方。パズル的な着想とアクション的な気持ち良さの感覚が見事で、まさしくアクションパズルだなあ、と

オー・ワールド

押し寄せる津波、せり上がる水面! 3分で高く高くまで昇るのだ!
陰惨になりがちなテーマをピコピコサンドミュージック、うさ耳キャラで緩和、しゅばしゅばと昇っていく感覚も楽しいゲーム。

通常床であれば難なく昇れるけど、他のいわゆるミス床でも、崩れる床なら崩れる前にジャンプ、取っ手付きなら上キーでちょっと手間が掛かるだけ……と、アドリブが効くバランスが上手い。
ひょいひょい昇っていくと、ピコピコ歌に同期していく感じも覚えるのでした

1回目は水面に呑まれ、無念な結末を迎えてしまいましたが、2回目でコツを掴んでぶじクリア。
まさに3分ゲーらしいと言えるかも知れない、短い間にごく集中したくなるやり甲斐感良好ですが、ちょっと難易度が簡単過ぎるかな……という気は(最後が少し呆気ない感じはしちゃったかも)

上手くなってクリアしちゃうとお歌が最後まで聞けないのが寂しく、3分で水に呑まれるけど、そこから+αのおまけ時間で、うおおぉ! と這いやがってクリア出来るくらいが一番ドラマチックかなあと…。
初めに建物全体のスケール感があって、ここを呑み込む程の大津波がとか、この鉄筋を昇っていくのだ、みたいな絶望感が欲しかった……とかかなあ(まぁこれも好みでしょうね)

偽称オートプシー

お医者さん的な手術ゲーってありますが、こちらは逆。自分をマスターと慕うアンドロイドの女の子をじょじょに解体していく…と。
バイタル(電圧)に気を遣いつつ、なるべく患者…いや機体に負担を掛けないよう、メスやドリルなどを使っていくのだ

これが深部に行くほどギリギリの鬩ぎ合いで難しい。
メカバレ的な嗜好かしらと思ったら、バラしていっても見た目は初めの絵から変化しないようなので、そこは安心。(だがアンドロイドであり、痛感は切ってあるので、施術中もずっと話し掛けて来る……と)

場によってはもっとショッキングな方向にも、ソフトにも舵取りする事は出来るのだろうけど、解体しなければという任務と、それによって回収されるメモリー(記憶)で儚さベースに。
ちゃんとR15、正統にR15というか、このテーマが3分ゲーという枠にきっちり収まってる事に身震いする佇まいを感じます

余談ですが、新奇性もあり、手を止めて考える所もあり、ゲーム実況とかで割と再生数伸びそうかな……と思いました。
(逆にノベルとか、カジュアルな3分ゲーは気持ちいいけど、恐らく実況では話題の牽引力に弱いのかなと)

私は犯人役になりたかった

今回の3分ゲーで珍しいADV枠。探偵ドラマで追い詰められた犯人ってなんですぐゲロッちゃうんだよ、もし自分なら論理の矛盾突いてめちゃくちゃ粘るもんね……を実際にやろうと考えた主人公と。
だが探偵役がアホ過ぎる…! から始まり、どんどんコメディ・合意の元でふざけ合ってる感が強くなっていく!

例えば物語なら(犯人視点で語られる)古畑任三郎とかあったり、ゲームなら金田一少年の「星見島 悲しみの復讐鬼」、矛盾点を付いて覆すなら逆手裁判シリーズもある中、そのどこにも流れず、ふわふわと、でも確実に軟着地してるのが面白い。

特に裏のテーマとして将棋を設け、その駒のように、ゲームとして”自分が答えへと追い込んでいく(選択肢を選ぶ)”と引き締めたお手前には、慣れた物語構築を感じました。

THE ファイアーレスキュー ジャックのレスキュー大パニック!!

火災現場から人々を救出しろ!
例えば商業ゲーの世界では(色々な制約から)類似の題材が散発的だけど、正直、男の子的に妙にワクワクする……って状況が3分ゲーに登場だ。

だが消防員の前に立ちはだかるのは、なかなか消えない猛烈な炎だけでなく、車方式の移動(左右でターン、上で直進)も。
なかなか操作が覚束なく、思いも寄らぬ苦戦を強いられる内にばったばったとR.I.Pと書かれた墓石が出来上がっていくのであった…

例えば過去の商業作品が同じ題材にどう向き合って来たかを少し思い浮かべ、「他はイラストだけど、炎だけは豪華なアニメ」や「炎がちゃんと隣接する所から延焼してるっぽい?」「火の中でヘルプと叫び続けてダメージを受ける人々」というこの、処理や表現の空気を妙に汲み取れて、ふくふくとしたり。

ワクワクが捗るシチュという事はつまり、初めから遊び方が頭の中で想定されてるという事であり、自動車方式の移動(小型の消防車なのかな?)についしっくり行かなさを覚えたり、恐らくめっちゃ頑張っても犠牲者は出るとかのヒーローに成れなさ、逆にRIPたくさん出しても終わり方は呆気ない……
といった心地に、少し3分ゲーの後味とかエモ感との食い合わせの悪さを感じるか。

小悪魔メイドのメリーさん☆

面白いですね。上下を飛ぶ妖精さんを貫いて退治! 
何も知らず初見で触ってもどーんみたいな感触、3色ってのがリズムゲーの様で楽しい。
更にハイスコアを目指せば、理想は3色だけど今の状況なら1色オンリーで……とか適時判断も迫られ、一段奥まる。
(更にどうも出現パターンは固定……って事を考えると、究極のやり込みの為に、パターン化していく一段上もある?)

お掃除の為にやってるんだろうけど、頑張るほど部屋がめちゃくちゃになっていく元も子も無さもちょっとした愉快さあり。気が利いてる。
1回3分ってプレイ時間だけ、少し長く感じる……かな?

ただ今回の3分ゲーの参加作品からも何となく推し量れるけど、エモさが薄いのはやや浅い様な、印象的に弱くなってしまう所か。
しかしエモさの押し付けを嫌う人もいるだろうし、まさに3分で収まるカジュアルアクション枠として好ましいですね

闇がまた訪れた

少し動くと振り払われ、また包み込まれるように侵食していく闇。攻撃はインクで、べたっと壁に色を残す感覚が面白い(この部分がシェーダーでしょうか)
自動生成のダンジョンを地下に潜って行くのだ……と、技術優先でやりたかったのかなと窺える作品。

敵は一種、自動生成パターンもそんなに豊富ではなく、そもそもコンセプト的には闇を切り拓く極彩色のインクに、それ以上の意味を持たせられてない……
と曰くまだ未完成のようですが、そもそもが「闘牛」(伝説のアレなゲーム)なんてのが出ていたのがかつての3分ゲー。
タイムアタック的な3分でも小規模的な意味でもなく、開発途中だから3分っていう、今回は皆ちゃんとした物を仕上げ過ぎてる気がして、ハードルが高くなってもアレですし、個人的には良いな、と思うのでした。

インクや洞窟潜りといった要素にあれこれのタイトルが浮かんだり、お宝集めもあるので、これを叩き台にしてむしろ数時間くらいじっくり取り組むタイプの方が面白くなりそうな気も? とか色々考えられるのも、また開発途中ならではの味わいか。

パティスリーカード

主催者作品。相変わらずのオシャレ度(UI、ジャズソングに、サイトのエピソード(嘘)……)
でも過去作に同じ様なルールあったぞ! と舐めて掛かったら万事休す、全然勝てない…。

場に積まれ、全体のルールを変更して来るカード、また「最後の一枚」など手札そのものがルールを変えて来る場面も。
課せられたルールを果たせなきゃ、積まれたそれを一枚取る訳で、またルールが変化。それを先読みして…、おぉ、なんてこったい…。
理解が甘いのかな、壮大な○×ゲームという気もした

もうコレとして作風が完成されてるので、良し悪しというより、好みになってしまうか(そもそも主催者作品なので投票出来ないですが)
スマホ版、PC版とかもあり、しかもboothでリアル卓上ゲームとしても販売中!

ルールが多義的な意味を持つので、唯一、勝った時・負けた時の状況が把握しにくいかも、とは。
(演出としては、最後の一枚をちゃんとピッと出してくれないと納得できねえ……俺の頭が悪いせいか)