くノ一 美霧 疾走伝 (製品版)

ACT, R18製品版の感想

くノ一 美霧 疾走伝
くノ一 美霧 疾走伝[ルナリードパレス]

同人エロゲで、ランアクション

「ローグライク」や「タワーディフェンス」、ことジャンルという括りには目を惹かれるものですが、普段同人エロゲなんかを主戦場にしてると、疎くなってしまう分野があり。

スマホ発祥のゲームジャンルとなると特にそれで、殊に(もう古い感覚かもですが……)あの国民的キャラでさえ、スマホデビューする際には取り入れたと聞くのがラン(&ジャンプ)ゲーム。
あれは、何かね? ただ右から来る物をタップして、避ける事の何がそんなに嬉しいのかね、課金しようと思うのかね?
昨今の若人は分からぬものだ、俺はそんなもしもしゲーなんかに興味ないもんねーって装ってみても、耳は逐一ダンボの如くなっているのが悲しき性。

そんな所に本作、[くノ一 美霧 疾走伝]は同人エロゲであり、体験版でもきちんとガチのラン・ゲームを作り込んであるな、と予測が付く出来だったのです。よし、やろう。

2ボタンのカジュアル操作だけど、アドリブもきちんと効く本格派

PVで走ってるところ見た方が、ピンと来やすいかも:

本作は自動で走るくノ一、その行く手を阻む障害を攻撃ボタンで排除か、ジャンプボタンで回避する……という方向キー無し+2ボタンオンリーの、正しくランゲーム。

そしてカジュアルなこの簡単操作の中でも、きっちりと「(地形を瞬時に見て判断する)遊び幅を作れてる」んですね。まずそこに驚きました。

基本は敵を攻撃で払い、ジャンプで穴などを飛び越す……という使い分けですが、場合によってはその役割が被ったりも。
例えば敵をやり過ごす事を考えても、攻撃ボタンは敵の直前で押さないとダメなのに対し、ジャンプならいつでも出来る。
あちらから駆け寄って来る敵などはタイミングが計りづらいため、次善の策としてジャンプ回避も頭に入れつつプレイしてみたり。

雑草などの障害物を払う場合、攻撃は”やや入力が遅れた”程度なら、スピード減だけで済むケースも多い(もしジャンプで避けようとして失敗した場合、めり込んだみたいになって立て直しに大苦労)
もちろんスピードが遅くなり続ければそのうちゲムオバっちゃう訳ですが、ここもジャンプで上手くアイテムを取れれば、「スタミナ」ゲージが上昇、巻き返しも可能……。

更にアイテム「手裏剣」を取ったなら、遠距離の攻撃が可能に。
こうなるとタイミングとかは関係なく、ただ攻撃すればOKで、かなりラク。
ただし有効なアイテムは大概取りにくい場所にあったりするので、2段ジャンプを成功させる必要が……。
(通常ジャンプはいつでも出来るのに対し、2段は蹴れる足場が必要=地形をも考慮したタイミングでないと……、というのも上手い塩梅。
安易に、空中でいつでも2段ジャンプ可とかにしなかった所に設計が窺えます)

他に2段ジャンプは(ランゲームでは定番であろう)落とし穴に落ちた時の復帰に使えてアドリブ効くのが分かったり、あとはステージ中、上下に分かれる「分岐路」とかもあったりで、あぁちゃんとしている奴だぁ……と感心でした。
(恐らくですが流行に乗っただけの作品なら、この辺りは手を抜きそうな所だよなぁと……)

カジュアルさもまぶしつつ……、なかなかのガチ攻略難易度だったり(同人らしい)

成る程これで”なんとなく楽しい”感じは確保した、後はどんどんタイミング厳しくて、ランキングやらの比較、そこで課金ポイントだ……とスマホならあり得るかもですが、本作はもちろん買い切りの同人エロゲ。

一応ステージに挑む前の買い物機能もありますが、これも別に(課金とかじゃなく)既存ステージでコインを取れば幾らでも稼げちゃう……という訳で、
本作の同人エロゲらしい”味”を挙げるとすれば、装いはカジュアルなのに、難易度はかなりのガチ攻略、という所かなと。

ステージは全部で7つですが、ボリューム不足と言う事なかれ、
体験版のステージ1(チュートリアル)の感じで行けるやろと思ったら、まさかのステージ2のクリアに30分弱掛かったからね……

後半ともなれば、「残機が増える巻物・遠距離攻撃の手裏剣」を取れるのは前提として、
自分のプレイの腕的に避けられない部分で自機を潰し(むしろ死んだ方が速くなる状況もあったり……)
代わりにここだけは取る(回避する)ぞ、
手裏剣は持ってるけど、なるべく通常の斬撃で凌ぎ、本当に難しいあの地点まで温存しておく……、
おっと、敵の連続出現に溜め攻撃を合わせられるよう、今から溜めておかねば……などなど。
もはや一つのステージを短く地形ごとに区切り、攻略法を確立。
なんとか、その”タイミングの波”を身体に覚え込ませようという次第。

ほぼワンプレイ30秒〜1分未満で終わりますから、「よしよしここまでは上手く行ってる」……みたいな、レースゲームのタイムアタックよろしくなリトライ加減になるのでしたよ。

カジュアルかと思ったら、死にまくって覚えるという昔ながらのアクション感。
ゲームからの挑戦状な感覚にやる気をそそられたり、上手く進めばまさにタイトル通り、疾走! という気持ち良さもあり。
同人らしいコントラストで悪くない気分でしたね……(むしろ買い切りでやったらそうなるよなぁ、みたいな当然の帰結さえも感じた)

ステージ前の買い物も、救済措置としてはまぁ、やや微妙ですが……(1回コンティニューしたらパーになる、そして先述した通り1回は、気を抜けば1分未満で終わる呆気なさ……)
例えば事前に”食事”を採り、初めからスタミナゲージMAXで挑めば、当然初めからスピードが全然違うわけで、いつもとはかなり違った感触になる……とか、むしろ既存ステージを普段とは違うルートで攻略するのが楽しかったり。
なるほど新鮮さも感じられて、面白い作りだなあと。

Hシーン、キャラは可愛いけれど(評価が低い理由……?)

本作のHシーンは、行く手を遮る敵(や罠)に犯されるアニメタイプのものが約10と、あとステージごとに”(リトライを)諦めた”場合のイラストタイプが7つ。

ここで本作の星評価が低くなっている理由……、一つは難易度的な所と、あともう一つはここかなと思うんですが、
このHシーンが基本絵に差分2〜3枚とかも用意されてるのに、テキスト文量はウィンドー一つ分なんですね。
(むしろ感覚的には、Hイラスト+差分画像めくりに近い)

体験版ではそんなに期待してなかった犯されアニメがむしろ結構良い動きをしている……とかはあるものの、やはり、全体的なH部分でのボリュームの寂しさは否めなかったかも。

ここがこうだったら……と寂しい部分を少し

あと、やり甲斐の部分でも言及すると、なにしろ難易度が高めなので配慮したのは分かるんですが、ううーん、「初めから全ステージ選択できる(ステージをクリアしなくてもOK)」はやっぱちょっと切ない、頑張ってクリアしようって気持ちを削がれる部分はあったかなあと……。
ここは何か、カジュアルさとガチさの間で悩んでいる印象も受けました。

そしてランゲーム自体が持つ宿命……、広げにくさってのがあると思うんですが、全面クリアしても特にエンディング等も無いのは、やはり寂しいかなと……。

ステージは短いものの、さすがに十数回リトライしてるとげんなりして来る所はあったので、いっそステージに3箇所くらいの中継ポイントを設け(そこを通ったら、その地点からリトライできる)
クリア自体は簡単に、ただしノーコンティニュークリアや、取りにくいレアアイテム(あるいはコレクション用アイテム?)などで評価→Sランク称号ゲットでストーリー発展とか、Hなおまけとかしたら、クリアし易く、またやり甲斐も捗ったかも、などと思ったり。

初めから全ステージ・エッチ回想も開いてますが、全7面クリアするまでプレイ1時間30分。
自分がもしこの手の物を作るならどうしようとか、こうすれば良いのかとか、色々と学べた気分でした。

細かい点:
・さすがに何度も繰り返してると、ジャンプの際の画面上下(スクロール)がちょっと気になって、酔ってくる感じも?
(ジャンプ回数がどうしても多くなるランゲーム、この辺は画面固定にしたり、スクロールに何か一つ工夫がある気がしたんですが、どうだったかな……)

・使ってるのは2ボタンのみなので、これならマウスの左・右クリックで遊べればよりカジュアル感出せた気もしたけど、どうだろう……
(ぶっちゃけキーボードプレイだと腕が痺れて来るので、joytokeyでゲームパッドで遊んだら、かなり楽で違いましたな…)

関連:
同人エロゲでランゲーム:

[金字塔と冥府の王]

それより前、

[Princess Running]
も形としてはそうなんだろうか


[逃走少女]
ではむしろ逃げる女の子を手助けする、とまでなっていた


[FAIRY HUNTER RUN -フェアリーハンター ラン-]
とかもランゲームを謳っていますが