リーヴェルエステート-The 2nd engagement- (製品版)

テーブルゲーム, R18製品版の感想

エロゲ版、いただきストリート!? 今から10年以上前にも、こんな作品があるのだ

どのくらいの知名度なんだろうか……、『いただきストリート』という今も散発的に続いているシリーズがあるのだが、そのモノポリーを改造した様なゲーム性を聞き及びながらも、111は今に至るもやった事がなかった。

そんな折にネットサーフィンよろしく、DLsite徘徊をしていて発見したのが、本作[リーヴェルエステート-The 2nd engagement-]。
なんと10年以上前の作品にも関わらず、どう見てもこれは、エロ同人ゲー版いたスト(いただきストリート)というコンセプト……!

ゲーム中のエロ要素は一切無く、ゴール時の順位に応じてHシーン(ご褒美形式のエロ)
明確なストーリーモードは無く、ただ対戦相手とステージを選んで勝負……など、やや古めいたものは感じるが、
一昔前であろうと、こんなにちゃんとしたゲームが存在していたというのは正直、驚きなんではないかと思う。
(そう考えてしまうこと自体、同人エロゲという物がツクール&ウディタ製(エロRPG)で、良くも悪くも激変したという証か……。
そもそも原作のいたスト初作からして、ファミコンの作品ですし)

ちなみに開発サークルさんはこの後、現在でも活躍してる[ルナソフト]へと合流した模様。
割と商業系レーベルの一つでもあったのだろうか……?

基本ルール(モノポリーとの違い)

さて歴史に感慨を抱いた所で、いたストの独自ルールを(DLsiteレビューを見ても、大体みな挙げているので)モノポリーと比べて紹介。
既に知ってる人は飛ばしても良いし、あるいは体験版でもメンバー・ステージ・Hシーンは固定でプレイできるので、そっちで手っ取り早く、このスゴロクぽいけどもっとダイナミックで戦略的な感覚を味わうのもありかも。

(モノポリーと同じ)
・サイコロを振って進んだ結果、停まったマスが空き地なら物件を購入できる。
既に誰かに買われてる土地だったら、そのプレイヤーへ土地代に応じたお金を支払う

・土地ごとに色が付いており、同じ色(グループ)の物を集めるほど、相乗的に土地の価値が高騰

(モノポリーと若干違う)
・土地への投資はマス単位で行える
(モノポリーは全てのグループを所有している場合のみ。そして均等に家を建てないといけない)
また投資が行えるタイミングは、自分の土地に停まった時のみ
(いつでも投資できる訳ではない)

・投資金額は、自分の任意で割り振れる

・他プレイヤーの土地に停まった時、土地代の5倍を支払う事で、強制的に購入できる。
(モノポリーより攻撃的。他プレイヤーのグループ独占を崩すのか、あるいはなりふり構わず買い求め、自分のグループ独占を目指すのか……)

・自分の物件は、いつでも好きに(所持金がマイナスでなくても)競売に出せる

・ステージはただの一方通行ではなく、分岐路なども存在する

・ステージには、ハート〜クローバーまで4つのチェック地点があり、全て通過した後にスタート地点のお城に戻って初めて「周回」。
周回数や所持物件数に応じて、お金が貰える。

などなど。
ちなみに元ネタのいたストの方には更に「株価」の要素もあるようだけど、こちらには無し。

より”相場観”を問われる勝負なのだな

これらのルールの違いによって、より鬩ぎ合いが激しい、もっと言うなら『相場観』とでも言うべき物が問われる面白さがあるなと。

つまりステージには分岐路が存在するゆえに、もし早期に土地グループを独占できたとしても(これはモノポリーなら圧勝確定ルートだ)
割と回避は容易だったりする。
逆に、グループを揃えてなくても単マスに対して投資できる……、早くから土地代をそこそこの価格にまで上げられる。

どうするか?

ステージ構成によっては他プレイヤーが既に分岐路を通り抜け、一本道に差し掛かる時に、投資の機会が生まれたりもする。
ここは例えグループ独占していないとしても、思い切って単マスに賭けてみるチャンスだろう。

もちろん必ず停まるとは限らない。
悪い目が出て次のターン、敵はせっかく投資したマスに停まらず、虎口を抜けるかも知れない。
そうしたら手持ちのギリギリまで投資したツケ、今度は自分のターンで空き時に停まっても購入さえできない。
それどころかもっと最悪で、他プレイヤーは「自分の投資したマスに停まらないし、しかも同じグループでまだ空き土地だった別のマスに停まって、それを買われる」
なんて事も起きるかも。
(せっかく投資したのに、将来的にグループ独占が大変狙いにくくなる……)

そんなジレンマ溢れる状況に、判断を下していくのだ。
折衷案で、マスへの投資はするけど(金額は任意に決められるのだから)投資金額をまぁちょっと痛いくらい、手持ちを中くらい残すとか……
あるいはもし自分が次のターンで周回、ボーナスを貰えそうなら、お金のアテはあるのだから限界まで張って良い筈、などなど。

別口から資金を引っ張って来る手もある。
つまり競売はいつでも行えるのだから、既に持っている適当な土地を売りに出し、手持ちを潤わせるのもアリなのだ。
……だが競売に出すという事は、それを買う他のプレイヤーも居るということ。
そいつの独占グループが広がり、回り回って自分が不利になる事だけは考えておかねば……
(だが独占したいからこそ、他のプレイヤーはより大きな金額でも競り落としたい=自分の大きな収入になるかも、という事でもある……)

土地のグループ独占。
競売に、5倍支払いで他人の土地を強制購入とかもあって一見すると派手そうだが、要はそれもただ物件が手に入るんじゃなく、”支払ったお金は相手にも行く”という事なのだ。
自分がこれで有利になった、しめしめと思ってる時、相手もまたそう思っているかも知れない。
(そしてステージが広いのと分岐路とかもある関係上、どこかには自分の有利な区域を作れて、結果、お金が行ったり来たりする事が多い。
つまり「ここで取り立てられたお金も、すぐまた戻って来る」みたいな見方も出来る……)

要はそうした交換ゲームの中で、何と何を替えるべきか、何にバリューを見いだすか?
状況的に手持ちを優先すべき時も、物件を優先すべき時もあって、それらはタイミングやプレイヤー間の位置関係などによってさえ大きく変化する。
結局はサイコロの目次第なので未来は分からないが、さておき、プレイを重ねて上達するほど、そんな有利不利の戦略が見えるようになる。

そうした広い相場観。
その辺の押し引きが、実にモノポリーよりも深くなっている気がしましたねえ……
(逆にモノポリーでは主軸要素であろう、交渉とかを廃してる訳ですね)

本作オリジナル要素、キャラ固有の特殊能力

さて恐らく元ネタには無い本作特有の要素であり、また賛否分かれそうなのが、プレイキャラクタ達が”アーツ”と呼ばれる固有の特殊能力を持つこと。

これは順番ごとに少しずつSPが溜まり、それが一定以上だったり確率で使用してくる……というもの。

「サイコロの目が2倍に」とか、「誰かを1ターン休ませる」といった物ならまだ可愛い方で、
中には
「停まった物件の支払いを踏み倒す」
「むしろ逆に所有してるはずのプレイヤーが支払わないといけない」
「停まった物件をぶっ壊す(お金は徴収できず、投資額も全てパーに)」
「所有物件×金額のお金を奪える(ゲーム終盤だと凄い金額に)」
「所持金がマイナスになっても破産しない永久属性(つまりこのキャラが物件を購入したら、手放す時が殆ど来ない……)」
という、いやそれはやっちゃダメだろ、みたいなゲーム性の根底を覆す物も。

そんななか、主人公の初期状態のアーツは「SPに応じて金額が雀の涙ほど入る」であって、まさに敵の特殊能力が発動するや、理不尽さに枕を濡らす次第……。

本作恐らくここで考えたんだろうなぁというのが、
ストーリーモードが無い都合上、ここでプレイボリュームを膨らませようとしたのか、
各ステージごとにアーツが習得できるマスがあり、そこに停まる度に、順次新しい超能力を装備できる……というやり込み・育成的な要素を入れていること。

実際、自分が非力な中でも、何とか理不尽さの隙間を縫って2,3位には入りたい……とハァハァ戦うのは、頭をフル稼働させてなんとか凌いでる感じ、
そして後々もっと良いアーツが手に入れば、きっと今より強くなるハズという「もっと上を目指せる」楽しさはありました。

アーツをセットできる数には上限があるので、
セットすればサイコロの最大目が増えるという、確実に強くなれる装備系のものから、
必要なSP消費の高さこそネックだが「好きな物件を2倍で売れる」・「好きな空き土地を2倍で買える」の二つで、買った傍から売却、その金で土地を買い漁って2周めくらいにはグループ独占できてる……なんてのが最強の組み合わせじゃねと発見したり、
いっそ全てのアーツを移動力強化に費やし、ただ周回するだけで稼ぎまくる……みたいな、もはや俺は物件などで競わないのだという、別方面からの攻略を試してみたり。

周回金が1.5倍アップする『残業代』アーツは一見良さそうだけど、
試してみたらこれ「周回数ボーナス」のみが対象、一番欲しい「所持物件ボーナス」は増えないのな、なら、SP30消費で2回サイコロ振れるこのアーツでたくさん周回目指した方がステージにもよるだろうけど、恐らく稼げそう……とか、
新しいアーツが手に入る度にあれこれ吟味できるのは、なかなかの楽しみでした。

ただそれを加味しても「停まったマスの徴収金額を払わない(消費SPもごく低い)」みたいな、一部の絶対的なアーツを見付けちゃうと(しかも挑むステージは順不同なので、割と早期に手に入る可能性も…)
バランスのちぐはぐさに鼻白む感じで、凄く勿体なかったなと……。

敵の理不尽さにこちらも同等の物をぶつけて、バランスが成立するのでは……と言うと、そうでもなく、ただの泥仕合。
しょせん相手はCPU、人間の方が使い所に優れてるってのもあって(ここを意識させられるのも悲しい)
結局は「初めの数周で主人公の勝利はほぼ確定しており」「後は相手のそこそこウザい悪足掻きがあるのみ」みたいな状況になるというね……。

初めの頃のゲーム性の綿密さはどこへやら、ダラけた状態で長引くのは辛かった……。
(クリア条件、あくまで元ネタに準拠して「一定金額以上(あるいは他プレイヤーを破産させまくった状態)で、チェックポイントを全て通過してゴールに停まる」を厳守してるんだけど、正直ここは変えた方が良かったと思う……。
つまり他3人のプレイヤーを破産させて、自分一人になってもまだゴールを目指さないといけないし、更に4つのチェックポイントを通ってない限りゴールに着いてもダメ。
そこにランダムで停まれるかみたいなワープゾーンがあるステージだったりすると、もうね……)

10年以上前のゲームに言っても仕方無いですが、そうですね、もし今後似たコンセプトの作品を作ろうという方は留意、ですかね……。

Hシーン

Hシーンはステージクリア時、自分より下の順位(金額)になった子を選択してエッチへ。
キャラ数は8人、ただ2回勝つと(難易度ハードで勝つと……かも。強力アーツを持ってたら大して変わりませんが)
差分ぽい二回目のHシーンもあり。回想もあり。

ストーリーモードは無いと書いたけど、OP以外で唯一、キャラの前後関係を語れる所としてこのHシーンが重視されてる感じで、行為に至る前にそこそこの会話シーンがあり。
(恐らくもうエッチ済みなので)前作から継続のキャラなら割とラブイチャ感、今回から登場のキャラなら、2回のエッチで惚れさせるぞという感じ。

自分は、ボリュームが多そう……という理由で2からプレイしちゃったので詳しくは語れないけど、
設定的には”華麗なる一族”という雰囲気で、割と面白いものを覚えました。

OPから察するに、
どうやら前作(1)で財閥のお嬢様と婚約し、自分の一生を経済学に捧げた事から”魔王”と呼ばれる主人公。
今度は(2)婿殿として、別の大企業相手に経済戦争(今回のゲームですね)を仕掛ける事に……と。
ただその大企業も保守派と革新派で分かれてるようで、
ロボット技術を戦争産業に転用したい、暗殺者みたいな曲者揃いの革新派と、メイドロボを率いる、実直な保守派を相手取って戦う事に……。
主人公たち財閥側の人間、大企業の革新派、保守派。あと全然関係ない人間もなぜか一人。
総勢8人のキャラクターたちが相乱れる、という具合。

実に落とし所が気になる設定なんですが、うーん、
一応全員のHシーン見るまで粘ってみましたが、特にコンプしても最後のオマケとかは追加されないみたいで、そのあっさりさが、時代性かなあと……。
(どうも会話が全て”匂わせ”系な気がしたので、あるいは別にメディア展開してた作品なのだろうか?
この辺、10年という時間に阻まれて空気感伝わらなくなってるな……。
同サークルさんのRPG[トライアッドソサエティ]も”リーヴェルエステートシリーズ”としてカウントされてるので、正直ちょっと気になってる…)

コンプした後も、ついやりたくなる中毒性。さすがテーブルゲーム

プレイ18時間、Hシーンは全コンプ(アーツ回収率は70%)。

いたストが持っていた元々のゲーム性に、特殊能力を加えてハッキリした所もあり、バランス破綻しちゃった所もあり……、
ただ、今でもゲーム開始時のまっさらなステージを眺めると、どこに停まってどうマスを埋めて行こうか……と、絵図を描くようなワクワクした気持ちが立ち上がるのも確か。
その辺ボードゲームらしくて、面白さがいつまでも残るゲームだな、とも。
特に始めたばかり、コロコロに負かされるのが悔しくて3~4時間(3、4試合)一気にやっちゃう頃は、まさにドハマリでしたしね……

こうなると累計のプレイログや、今ならオンライン対戦が欲しいなぁとか、
やっぱストーリーモードだろとか、勢力関係からしてタッグ戦あっても良かったのではとか、
ステージによっては終了条件が指定ターン数とかあっても面白いよねとか、
まぁ色々想う所はあるのですが、10年前こうだった、今でも充分遊べた、それだけでも何か学べて得した気分でした。