アルム冒険者団の迷宮探索記 (製品版)

2022年7月4日RPG,R18製品版の感想,遊べる

体験版感想

*2022年4月5日予告時の感想です

昼間一緒に戦っていた仲間が、夜では他の男たちに春を売る……。モヤッとするエロ、冒険団単位の戦闘が光る

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@becomegame

体験版はダンジョンを慎重に進んで(物語的にもそう薦められるので)1時間弱くらい、かな
主人公男、女性陣が売春をやろうって話になった時に、自分も売春する(たぶんケツ穴を売る)覚悟を決める、見上げた男なんだよね
まぁこれそういう嗜好じゃないんで鉄壁に回避される訳ですが…

製品版

”予想以上”が幾つも重なる満足感

プレイ14時間でクリア。
体験版では正直、見るべきはモヤッとするエロとパーティー単位の戦闘システムだけかな……くらいに思っていたけど、終わってみれば「予想以上」が大分積み重なり、満足度を満たしてくれる作品だった。

予想以上の一つめはシナリオの基本的な上手さ。
これは二つめの予想以上でもあるゲームボリュームとも大きく絡んでいる。

一話単体、そして全体のテーマの昇華。シナリオの非凡な才能

体験版だと流れがそこまで感覚的にピンと来てないと思うのでもう少し踏み込むと、本作、序盤の感じとしてはダンジョンを一つクリアする=一話進行するみたいなノリが当て嵌まるかなと。

特に製品版以後、初となる(ダンジョン4つめ)盗賊団のアジトとなった迷宮が特に顕著で、今までは特に考えもせず進んで来た一行だが、
ここで初めて宝箱の罠が脅威に映り始める(今作、ダンジョンでの死は常にゲムオバであり、またその危険を頻繁に確認しあう会話といい、ダンジョンの緊張感が常に残されてる雰囲気も良い)
他にもダンジョン内は盗賊が仕掛けた罠だらけ、これは新しい仲間、つまり職業:盗賊が必要だ……とギルドに駆け込む、という次第。

話はやがて仲間になった盗賊は、実は……という風に展開もしていくのだけど、
実際盗賊が加わると実に快適に進めるようになる辺り、なんだろう、「盗賊がいれば道中罠とかで困らない」なんていうRPGの初歩みたいな感覚を、
しかしこうしてシナリオ、ゲームシステム上で再度噛み締められるなんて所に、
言うならソード・ワールドみたいな……昔にあった、TRPGから流れて来たような『ダンジョンを主体とした読み物』みたいな気配さえも。
(会話の軽妙さからラノベ寄りかな? とも思ったのですが、やはり先述のダンジョンの死の危険といった辺り、そちらの影響の方が大きいかなと)

恐らく本作の作者さんはシナリオの基本的な技量からかなり「書ける人」なんだろうなと。
(ただ一点だけ言えば、序盤では「いったんギルドに帰って仲間加入イベントを見る(強制撤退)」といった事も多く、
またパーティーの能力UPの選べる幅も狭いので、若干”プレイヤーとしてはもうちょっと自由に遊びたいんだけど、ダンジョン的な物語に沿わせたいんだろうなあ”という圧は感じたか?)

一話単位としてはそんな感じだけど、多くの冒険団が登場し、時にすれ違い、時に協力する関係上、後の話での核が伏線的にその時点で示されてるのも良い。
これは考える以上に様々な効果があって、すなわち一話が終わればもう次の話に流れるようにスムーズに繋がる事になるし、主人公の冒険団が活躍した以外にもきちんと社会は動いてるというか、世界観の広がりにも寄与する。
あと細かい所で言えば、盗賊のダンジョンは話をきちんと読むと「内通者がパーティーに居る」という話の筋なのだけど、ここで後に重要な、不可解な行動のキャラが姿を見せる事で、(シナリオとしては定番の引き出しの一つではある)要素に、ミスリードを混ぜて捌く上手さもあった。

重要な事は、そうして見えて来る各魔騎士との勝負……と、所々で本作は「熱さ」さえ見せるのだけど、
この熱いというの、物語上でいくら演出を盛っても上滑りする事はあって、それが地に足着いた物になるのは、「そういえば前から言っていた」「これがここに繋がるのか」とまぁ、自分のした事が物語へ接続された時に、真の熱さへと昇華するのだ。

ゲームなんで主人公たちを操作しダンジョンをクリアする都合上、どんどん強くなる自分に溺れがちだけど、
話の要所で主人公より遙か上の冒険団が居る、前に魔騎士に勝った時も、それは相手が満身創痍の状態だったから……と語られた上で、
最強の冒険団に救われ、そいつらが魔将軍と対峙する場に居合わせる、そういった時の説得力ということ……。

またそうした「後に繋がる」伏線や展開をして、ソード・ワールド的なダンジョンをめぐるエピソード一話の雰囲気から、自然に冒険団としての話、つまり『一人の冒険者では何もできない』『一つの旗の下に集まる』という本作のテーマへと広げて行く、これもとても上手かったと思う。
言うならこれは離れ業だと思うのだけど、いつも収め方が綺麗というか、ちゃんと納得できるのが凄い。

主人公は最後まで最強の冒険団や戦士達にはならない。
でもそんな上には上がみたいな力関係を保ったまま、きちんと主役になる展開を用意していますよ……
(あとシナリオが上手な人にありがちなんだけど、その上で滅茶苦茶テキストが長い訳でないのも読みやすいというか、偉いなと思った)

仲間が増えるほど楽しく…… 楽しめるゲームボリューム

キャラのやり取りにも一言。
途中で良い意味ではっちゃけたと言うか、盾も鎧もガチガチに固めたお堅い女騎士が主人公たちとの交流から自分に素直になるや、その内面は「チヤホヤされると嬉しくて堪らない」「父親にドヤ顔したい」が主動機というかなりの俗物でゲスだと発覚、そのモノローグが毎回おもろかったり……(付け加えるならそんな理由なので、娼婦としての立ち位置も決まって来るのが上手いよね)

そして中盤くらいでパーティーがもう6人とかなり、そうなれば当然、あぁこの子とこの子は仲が(相性が)良いんだな、みたいのを推し量れる会話とかも増えて行く。
(単に会話量の問題かなとも思いますが、ムリしてみんな朗らかな雰囲気というか、ヘンに全員絡む会話を作らなかったのも生感あって良いなぁと思います)

エロRPGだと結構珍しいでしょうか、実際誰の能力を強化させるべきかという選択肢も増えて、そうなると物語で描きたい物も合わせ、「あぁこういうパーティー戦も悪くないもんだなぁ」と気持ち良くなっていくというか。
後半につれてどんどん面白くなっていくRPG構造が出来てたと思いますね……

ゴージャスな娼婦感、そしてフェチ感

遊ぶ前の懸念はH関連で、正味モヤモヤする雰囲気は面白いけど、それだけでは……と思ってたのが、ここも良い意味で予想を裏切られた(これこが3つめの予想以上)

私的におっこれはフェチとなった経験があって、そこから「予想以上だ」となっていった訳ですが、それは先述のお堅い騎士。
既に言及した通り、他の女の子立ち絵の華やかさと比べてもガチガチな外見なんですが、この子が娼婦デビュー、脱いでみたらお乳もお尻もスゴイというギャップがあるという。
よく見たらおっぱいの上部にほくろがあって視線誘導してたり、娼婦プロフィールでは「豊満」とか触れられてて、あっこれは……フェチさ分かっていますねえ、もう大丈夫だ、このゲームは信頼できます、となってたという。

体験版ではCG流用がいきなり目に付いちゃってましたが、しかし最終的には9人の娼婦(仲間)が加わるという事で、スペック的には9キャラ×4シーン(CG2枚)で36+αというシーン数。
内容的には足コキをメインに頑張る子、輪姦がメインとなる子、ちっちゃい子と侮らせ(?)超絶テクでイカせまくる子……とか色々ありますが、
全体としては、
「客に点数を付けて怒りを買うプライド高いツンデレ娘。これではいけないと試行錯誤、最終的に客とのSEX勝負みたいなノリで克服(段階エロですね)、駄乳を大きく揺さぶりながら絶頂」だったり、
「なぜか性技も一流だと勘違いされた一流冒険者、乞われて男のHをあれこれ指導、しかしそれは自分の気持ちいい所を白状してるのと同じで、あれよあれよとイカされる…」だったり、”演技で金を搾り取るつもりが、ガラにもなく本気で感じてしまう”ってのが多めでしょうか。
これはなかなかシコな破壊力を底上げしてたなと。
(ただまあ、H以外で客との会話もそれなりに入る事になり、4番目(最後)のエロとかはHより長いケースも。案外シコに集中しにくさもあったか……?)

差分とかは少ないですが、見ての通り基本絵がかなり綺麗。
自分の好みではありますが、物語的にもゴージャス感溢れる仲間が複数人、これが娼婦ってのと合わさって実にツボで、気持ち良かったですねえ……

クリア後アップデートの感想はこちらのサイトさんが書かれていました↓

関連:
クリアした今は

[正しい性奴隷の使い方-暗黒大陸開拓記-]
が結構似てるかなと

ダンジョン攻略と娼館、

[迷宮村の娼館村長]
を思い出すかも(ただし女主人公ですねこれは)

娼館ではないけど、遊べるゲーム感とHだと

[ミスティのキラキラ繁盛記]
とかどうでしょう