Goddess of Memorier (製品版)
*この感想は [さたける]さんに書いて頂きました。
ウディタだけど自作プログラムと間違うほどのカスタマイズ
エロRPG黎明期に多くて、最近では珍しい普通のRPGにエロがあるパターン。本作はこのパターンですが、「普通の」ではなく「凝った」RPGです。ウディタ製ですが、かなりのカスタマイズを施したようで「自作プログラムのRPG」をプレイしている気分。効果音からシステムインターフェイス、戦闘まで全てがオリジナルで元の面影がありません。快適性も意識していてメニューの移動や成長も一瞬、戦闘もサクサクで、オリジナル故の不便さは感じなかったですね。



▲メニュー画面もアイコンなどを豊富に使っていて、もはやウディタとは別物。
この作品は、育成と戦闘が一番楽しいポイントです。育成は素材を集めてスキル習得、魔法購入、スタイルに合わせた成長など。詳しくは体験版の感想を。体験版以後も、魔術師の錬金(素材を合成して道具や武器を生成)、素材を使った武器合成屋、エッチな研究をしているお姉さんへの材料集め……など育成に関係する要素は増えていきます。できる事が様々にあり第一印象は面倒に見えますが、実際に触るとレベル上げが必要ない・簡単に実行できる……などあまりストレスを溜める事なく成長の楽しみを味わえます。
戦闘は見た目がドラクエタイプですが、本質はFF13シリーズやメビウスFFを2次元戦闘に持ち込んだシステムに近いです。行動順は行動力で決まるFF10のようなセミアクティブタイム形式。また、装甲が厚い敵がおり、ダメージがなかなか通りません。そのため体勢を崩すスキルがあり、体勢ゲージを0にすると敵が紙装甲になり4,5倍のダメージが与えられます。この隙にスキルや魔法を連発。もちろん味方にも同じゲージがあり体勢が崩れると大ダメージが。

▲マナ(属性魔法の攻撃力に影響)に沿った戦術や体勢スキルの使用など様々な要素が絡み合い、複雑な戦略ながら直観的に戦闘を楽しめます。
マップチップとギミック、会話などの合わせ技による冒険のワクワク感
街やダンジョンは「ねくらマップ素材」を基本としながらも、バランスの良いチップ配置や数多くの小物を用いて景観がとても良いです。街のNPC達も様々なパターンを用意して色とりどり。ダンジョンも1マップ1マップがよく考えられており、同じダンジョンでもエリアが変わると、前のマップとは違うなと分かるような作り込み。どうしてもツクール・ウディタだと他RPGと似てしまう街やダンジョンですが、差別化できているなと感じます。



▲マップチップだけでなく、雪山の吹雪や川を歩いた際の水しぶきなど動的挙動もしっかりと作ってあります
各キャラは直線方向にナイフを投げて(仕掛けを作動させる)キャラ、魔法で硝石(硬いブロック)を壊すキャラ、大ジャンプで離れた位置に移動など固有のアクションスキルを持っています。それを生かしたダンジョン構造が特徴で、謎解きギミックも適度にありました。たまに解けずに30分ほど彷徨う事もありましたが……。
各ダンジョン、マップチップが全く異なり、それぞれ変化に富んだギミックなので飽きません。例えば雪山のダンジョンは歩くと体温が減って0になると街まで脱出します。時おり体を温める事ができる蝋燭を見つけたら火を出すアクションスキルを持つ仲間が火を放って体温を回復させる……など雪山特有のギミックでした。(他ツルツル滑る氷なども)
また、他のダンジョンだと特殊な硝石があり、硝石を壊すアクションスキルを持つ仲間でも壊せません。ところがダンジョン内の特定敵がドロップするアイテムを使うと1個壊せるように。なので、索敵しながら特殊硝石を少しづつ壊して通行エリアが広くなる……など。

▲魔術師が目の前の硝石を破壊して、主人公がナイフを投げて真正面のスイッチを押す。そして実はここに来るのに大ジャンプスキルを持つ冒険者が活躍しています。ダンジョン内はキャラ固有アクションを使ったギミックが豊富にあります。

▲各キャラでアクションスキルを放つだけでも楽しい。このキャラを変えてギミックを解くのは、ワイルドアームズの感覚ですね。
ダンジョンはシンボルエンカですが、一度倒すとエリア間移動しても再出現しません。フィールドに移動して初めて敵が復活します。なので探索する場合は安心してエリアを移動しながら、謎解きを頑張る…など。また、特定ダンジョンはスキップができるなどの配慮もあります。
この通り、ゲームシステム周りの作り込みは一番力を入れているRPGです。PS〜PS3名作RPGのシステムをオマージュしながらもスーファミ的な2DドットRPGの雰囲気に合うようなアレンジを加えています。フリーゲームでは見た事がないぐらい凝った作り込みで、戦闘やレベル上げがとても楽しかったです。
ファイアーエムブレムタイプの正統派ファンタジー
カスタマイズされたシステムが売りの本作ですが、ストーリーも伏線を練りながら、なかなか凝った内容。兄に殺されかけた王女が兄に乗り移った何かを見極めるため冒険するお話です。序盤は王女である主人公と彼女に付き従う従者が、冒険者のふりをして冒険します。最初の街で出会った魔導士の護衛をする話になり中盤まで彼女の仕事を手伝うことに。身分は隠しているはずが、普段の会話からぽろりと「姫様」と喋ったりバレバレな二人。それを大人の態度で見守る魔導士さん。
仲間は最初3人ですが、女冒険者が仲間になり、ノンビリ屋の妖精が仲間になり最終的に女性6人のパーティーになります。パーティーは街中だけでなく、ダンジョンでも頻繁に会話イベントが発生します。(ダンジョンが楽しいもう一つの要因)
例えば胸を見て会話していて、胸の大きさの話だと勘違いするリッタ(従者)と実は胸近くにある銃の話をしていた二人。勘違いがばれて真っ赤になるリッタ。



冒険者は最初の出会いが衝撃的だったけど、後からおっちょこちょいで愉快なキャラだなーと感じます。とある事情で身を隠す必要があるのだが、目立つ格好をして逆に堂々とする方針になり、仲間に変な服を着せられたり。


仲間が最大6人である事や、新しい街についた時のキャラ達の会話、その土地の風土など細かな設定などで土地一つ一つが息衝いていて、綺麗な街並みと合わせて冒険をしているなと感じるRPGです。その時々に表れるバックボーンが詳しいNPCも多く、その場限りが残念なほど。

▲どこかの秋葉原で発明してそうな男と似たセリフを吐く女性。
テキストの言葉遣いが洗練されており雰囲気は本格中世ファンタジーのノリでファイアーエンブレム(初代)やロードス島戦記など戦記物に近い。ときおり冗談が混じるものの、基本的には真面目な話が続きます。場合によっては戦乱の中を潜り抜けるダンジョンもあり、ストーリー展開もダンジョンと同様、飽きがきません。ギャグパートは控えめですが、話の辻褄やその場の雰囲気で使われています。人間だけの話かと思いきや途中から妖精など亜人や神話も絡み、壮大な物語になります。また、サイクロペディアと呼ぶ図鑑があり、人物や地方、用語などの説明があり、詳細に煮詰めた世界観を紐解く手助けにもなります。


▲雰囲気に合うセリフまわしで世界観に合っています。
なお、エンディングは存在していますが、物語は未完結です。真相は不明ですがノーマルエンドに見せかけたバッドエンドのような雰囲気が漂っています。旅先で出会う主要NPC達もバックボーンがしっかり作ってあるけど、その後が不明なので気になるところも。2週目に難易度を最高にしたモードが解放されて、それをクリアすると真相が明らかになるそうです。(執筆時点の8/9はまだ未実装)。今後どうなるかはサイクロペディア(図鑑)などいくつか投げられている伏線から考察がはかどります。
ソフトで気持ちいいエッチ中心で痛いのが嫌いなユーザー向け
エロはソフトエッチか女側がエロに好奇心を隠せないエッチ。パーティーキャラ6人それぞれにエッチシーンが均等にあります。
「へっへっへ、ここを通りたければ身体を貸せ!」などのシチュエーションが何度かありますが、「しょうがないわね」と事務的にスマタプレイしたり、エッチされる事がわかっててなんとなく期待したり。インキュバスからエッチしてくださいとお願いされたら、「なんとなく興味あるから」とエッチに積極的になったり。
男側がエッチを誘うものの女の子が安心して気持ちよくなる状態です。強引な描写でも女の子の方が興味深々。エロRPGに多い痛い強姦シーンなどが苦手な方が安心してプレイできるゲームです。女性ユーザーさんなどには良さそうだなと感じます。



▲テキストウインドゥがないため、CG全体を見渡せます。ただ、テキスト色とCG色が同化してて見にくいシーンもいくつか(視力が悪い私だけかも)
また、特定の敵は戦闘中にセクハラ攻撃をしかけてきます。エクスタシーゲージが溜まっていき、満タンになると絶頂になって戦闘が不利に。

なお、強制を除いてエロイベを1つも発生させず、戦闘中に絶頂せずにクリアすると、何かご褒美があるらしいです。また、難易度イージーでは見れないシーンもあります。一般向けゲームを意識しているかな。
回想は全部で21。1シーンの基本CGは1枚。私は難易度イージーでクリア時間は10時間とちょっと。一部のダンジョンはキャンセル機能があるので、それを駆使すればもっと速いと思います。普通のRPGにエロがついてくるパターンのRPGです。RPGのシステムが相当凝っているので、「RPGはエロだけじゃない!」と思った場合は楽しめると思います。
ディスカッション
コメント一覧
ありえないことだとは思いますが、もしかしてファイアーエムブレムのことを言っているのでしょうか。ファイヤーエンブレムなんて代物は寡聞にして聞いたことがありません
報告ありがとうございます、修正させて頂きました。
ただミスの指摘はありがたいのですが、普通に教えて頂ければ…、なんかメチャクチャ嫌な気持ちになったので。
ご指摘ありがとうございます。普通に勘違いしていたみたいで、他でも同じ間違いをしていて本当に助かりました。
RPGなのでFEほど本格的な戦記物ではないのですが、それでも戦記っぽいストーリーが混じってきて、セリフまわしなどの雰囲気はFEを思い出しましたね。
ネットでは「ファイアーエムブレム」を不正確に記述すると、鬼の首を取ったよう指弾されるというが、これがそうか……オソロシイ
人の好きな物を貶めて、先にメチャクチャ嫌な気持ちにしたのは貴方でしょう。素敵なブログだと思っておりましたのに
例えばたたける様などと呼ばれて何も感じないのであれば、そもそも感性自体が違うのでしょうが
作品タイトルを違えたことについては表記ミスであって、貶める意図はなかったと思いますよ。
もちろんのこと名前を間違えるのは失礼にあたるのでお怒りになる気持ちはわかります。しかしそれを表現するには言葉が強すぎたようにも感じるのです。
とりあえず落ち着きましょう。
> 5
ですから、その事を普通に指摘すれば良いと思うんです。
「人の好きな物を貶めて」「嫌な気持ちになりました」って。
そうすると、”すみません、表記ミスでそういった意図は無かったです”となるのではないかと…。
ミスをあり得ないと言うのは、感性がだいぶ異なるように感じますが、混乱を生んでいるのはその伝達の方法だと思います。
繰り返しますが、誤字の指摘はありがとうございます。また誤解を生んだのなら謝ります。
まあタイプミスって事で流しましょうよ。
悪気があって そうブログ書いた訳ではないはずですので。
ゲーム自体は作り込みが
凄いと思いました。
よくここまで作り込み出来るなと
思いましたよ。