淫界人柱アラカ~JK退魔師ホラー探索RPG~ (体験版)

RPG,R18シコれる,ストーリー良さそう

*体験版ver0.05での感想です

ホラーってもっとエロの可能性あるよね

以前より、例えば[除霊配信]なり[言霊使い雛代結為歌の事件簿]なり、エロRPGにおけるホラーってもっとエロい絡ませ方が出来るのでは……なんて思っていたのですが、そこに現れたのが本作。
前作[妻獲り迷宮~シェラリィドの異種姦終身刑~]で大ヒットしたサークルさんであり、
またそのヒットの一因は、ノクターンノベルズ出身というシナリオライターさん、つまり「物書き」の才能発露ではなかろうか……
という、今までのエロRPGではなかなか見られなかった切り込み方がありました。

今回はどういう『仕掛け』があるのだろうか……と、予告でプレイしてみたものです。

淫界となった廃ビルで消息を絶った彼女の足跡を辿る……。”嫌な興奮”がじわじわと湧き起こる構造

ゲームの流れとしては「その手があったか」とは思いつつ、分かればごく簡単(それだけに意図が分り易い)。
つまり、異界へと繋がった廃ビルの除霊に向かい、消息を絶った退魔師の彼女を探すべく、
サイコメトリー……”物に触れると対象物の過去の記録を辿れる”能力を持った主人公が、遺留品であったりを辿って行く……というもの。

この時点でピンと来る人も居るかと思いますが(というか表紙絵の時点で……というか、余りにもピーキーでフック、よく出来てる絵よね…)
要は彼女を探すというのはお題目、平たく言えば”どう堕ちて行ったか”をつぶさに辿っていく事になる、という。

それでもまぁ、初めの方で得られる記憶は穏当な彼女との思い出(もしくは彼女から見た貴方との思い出か)。
彼女の内面描写あり、ボイスありで喋ってくれる。
ただそこで言ってるセリフが「私は強い退魔師だからまず敗れないけど、相性の悪い異界だったら……例えば淫界とか」みたいな不安であったり、淫界って? って疑問には「まるで動物園みたいに人間を展示している所もある」とまで述べるという。
そしてサイコメトリーが終われば、目の前に広がってるのは依然不気味で、この世ならぬ物が潜んでいる廃ビル、そこで消息を絶った彼女……という状況に戻るわけです。
(ちなみにもしOPで選択肢「廃ビルに入らず引き返す」を選ぶと、”彼女の現在を知る事が無かったのでHappy END”という、もう前振りがこれでもかと散りばめられている……)

つまりまさか、まさか、とじわじわ嫌な予感に迫られつつ、でもまぁその”見えてる結末”に正直、妄想も下半身もドキドキと昂ぶらせる。
前作[妻獲り迷宮]でもこのテイストはあって、それが成功した訳ですが、
今作はホラーでもって、『名状しがたき不気味な物に墜とされた彼女(もしかしたら今この時も?)』『どうしても頭をチラ付く、人外から放たれる予想も出来ないような手練手管』
というエロさに噛ませてみせた訳ですね。

(ちなみに現在のエロRPGで堅い人気があるのは寝取られRPGですが、一重にその人気はこの、「嫌な予感がじりじりと迫り、結果、下半身が熱くなる」という構造を持っている為ではないかなと。
このサークルさんは前作より、エロさの本質として、”寝取られ以外でもそれは出来るんだ”と取り組んでいる様にも思えますね……
*本作も竿役が特定でなく、何より不定形の化け物なんで、NTRというよりはホラーが前面に来ているかなと)

前振りの昂りを暫くやるのかなと思ったら、すぐにシコ体勢へ

そしてプレイ約10分弱。なるほどこういう事がやりたいのだなぁ、という事は、この『前振り』でそこそこ時間取られるか…(NTRと同じく……)と決め込んでいたら、そこはもう振り切り。
作品の説明文によれば

忙しくても、疲れていても、安心! 開始3分でエロシーン! 5分に1度はエロを見られます!

となったのも好印象でした。
もはや堕ちた結末が半分見えちゃってる彼女、前振りからのいざエロシーン……。
ここでは悪霊にヤラレて、容赦なく激しい喘ぎ声を挙げ(ちなみにこれでもまだ「過去の映像」……)、まさに今までのドキドキとした妄想に答えるシコぶりを見せてくれるのでした。

エロシーン千変万化 ”悪い流れが予感できる”からこその興奮と、飽きへの対策

ただここまでプレイして思ったのは、「さすがに流れがコテコテ過ぎる」「要は、初めから半ば見えてる所を辿って行くだけでは?」ということ……、
つまり(これまたNTRと同じくですが)彼女が堕ちているかのドキドキがハイライトであって、
いざ悪辣な心霊に責められてる描写を突き付けられると、それでもうある種冷めちゃうというか。

本作がコンセプト(のみ)が冴えた作品だけに留まらず、きっちりと大ボリュームに耐えうる作品だなぁというのは、そこに二つ、三つと対策をきちんと練っている事ですね……

エロシーン嗜好もしかりで、もし私だったら心霊・オカルト縛りでエロシーン○○個書けとなったらネタ切れで為す術も無いわけですが、ここの所の引き出しもまた凄い。
つまり”悪い予感通り”であるから興奮する今作、そこにいかに”予想外”を重ねるかという問題だと思うんですが、
まず想像以上の陵辱度ってので一つ。
(便器に顔を沈められ、更に頭から小便を掛けられ、終いには「便器の様に扱えばその物は便器の様になっていく」、「そうあれかし」と願うが如くと、ただ凄惨でなく、曰くありげなオカルトぽさも絡めてエロ説得力を増す姿勢……)
あるエロではまさかのゲームセンターのUFOキャッチャーみたくされる彼女。
エロシチュとしてのバラエティ・シチュの意外さというね(しかもUFOキャッチャーで掴むのはヌイグルミじゃなく、むしろ奇怪なヌイグルミ達が卵巣を操る……と陵辱ホラー度も忘れない)

あと細かい描写として、主人公が不用意な探索で死ぬとそれを感知するらしい彼女、「その心の隙間に入り込む」という強調があって、苛烈な肉体快楽責めだけでなく、きちんと心理責めの様相も見せるベーシックな上手さであったり、
あとはいつもの様にサイコメトリーしたら、過去の記憶から「これ以上見るな!」と警告を受けるみたいな意外さであったり。

シナリオを書く作家さんは複数の様ですが、よくここまで高いレベルで纏めたなと。
嫌な予感によって昂ぶっていたワクワクは、いつしか「次はどんな想像を超えて来るエロが」というワクワクに昇華、前振りの期待にがっちり応えるエロシーンになっていたと思います。

心霊廃ビル探索としてもきっちり……

また本作、RPGの探索としても飽きさせなさに向き合っていて、例えば見つかる陵辱の記憶もメインヒロインの彼女だけじゃなく、あちこちでモブが犯されるエロがあったり。
既に述べましたが、サイコメトリーであちこち読み取ってると、ふいに死亡バッドエンドENDに繋がる事もある危険さだったり(でもこれによって見られるエロもあるので、どんどん調べよって事でしょう……)
今ならまだ引き返せるというメッセージがあったので、試しに廃ビルの外に出てみたらそのまま帰宅END、後日、ダンボールに入った謎の肉物体が届けられる……といった意外さからの尖りエロに出喰わしたりも。

(またこれはやや特殊な言及かもですが(でも特殊さこそが本作の本質ぽい気も)
あちこちサイコメトリーで調べてると、流れ的には「バッドエンドの突発的なEND(状況的には完堕ちに近い)」と、「彼女の堕ちていく過程のエロ」を交互に見る事になるのが本作。
言わば完堕ちエロの後に、それより弱い嬲られエロを見る……訳ですが、この嬲られ自体も「あぁこのまま行ったらあぁなる(堕ちる)わな……」というか、やけにしっくり来るもので。
説得力が増して、よりさっき見た物がエロく感じられるというね……、調べる順によっては順不同なので狙っていたかは分かりませんが、そんな巧妙な構造に感じました)

ただ個人的にちょっとなという所はあって、ホラー部分、特にそのツクールでの演出。
前作[妻獲り迷宮]が言わば逃げ場の無い悪夢と肉壁ダンジョンであったなら、
今作はホラー廃ビルだという事で、どこかから聞こえてくる唸る様な音、赤ん坊の淀んだ泣き声、明滅する照明、鏡に謎の影が映る……なんて事もやってくれるんですが、やっぱりそこはツクールの歩行グラサイズでやる悲しさというか、効果音頼みか、グラ的にはちょっとチープ……とも感じてしまったり。
(他が素晴らしいだけあって、要求水準も高くなってるとは思うが……)

しかしある場面でスチルをクリックして残留思念を調べるのだ……という箇所を持って来たりして、そう、主観視点チックの方が怖いよな、とか頷いたり、後は現在の体験版では少し触れるのみですが、なんと当該の彼女を操作する女主人公パートもある様子。
形になった物を見て凄い凄いと感動に震えるのは簡単ですが、
本作のこの辺りに『流れが見えてる物語ゆえの問題点』を意識し、試行錯誤してるのを感じて、
ゲーム制作者でもある私、ちょっとほっこりしたり、きちんと練っているなぁと感心したり…。(穿ち過ぎ?)

女主人公パートまでも採用 大ボリュームでエロまくりのバラエティ!

あえて更に言及しますが、特にこの女主人公パートというのは、かなり迷われたのではないかな、と思います。

なにしろ消息を絶った彼女の末路をサイコメトリーで辿って行くという、ドキドキとした妖しい淫靡さがあるのが本作。
しかしそこで、さんざん苗床的な扱いを仄めかした彼女自身を操作できるというのは、かなりコンセプトが危うくなる行為ではないかと。
(本編の流れが分からぬので何とも言えませんが……。
男側が何か頑張って仕掛けを解いた後に、彼女が一時的に解放された、というゲーム特有のステップを挟めば腑に落ちるかもですし、あるいは体験版の描写を見てみると、どうも死に続けてる? ようにも見えて、何か設定の妙があるのかも)

ただそれでも称賛したいのは、今作は体験版でのHシーン数からも分かる通り、前作からぐぐっとボリュームも価格も増した作品なんですよね……
ホラーによる”曰く(いわく)付きのエロさ”をほぼ完璧にやっていながらも、その上で、大型作品に期待されるバラエティの豊富さ、そこの欲求もきっちり満たす。
正しい舵取りをしているなぁ、と感心しました……

そんな点で、前作で人気だったエロステータス変化の継続や、
あと初めは意味が分からなかったんですが、
「□□は□□を受けながら□□をひりだした」やら「□□は全身を□□しながら□□を数え続けた」といった、何か伏せられた”記憶”のテキストが手に入ったり(これ、近年のエロRPGにおけるフレーバーテキストの重要さも抑えてる訳ですね……)
とかにも頷けたり。

体験版プレイ時間はHシーン結構しっかり見て、30分くらいでしょうかね。

余談 大量の文章を楽しんで読ませる為の仕組み、要素

初めの「物書き」の才能重視の話に戻るのですが、
本作、ゲーム内のコンセプトを越え、一層偉大な業績に感じられるのは、
いかに”文章・多くのイベントを効果的に読ませるか”という視点で練られた構造かなと。
その為のホラー雰囲気、サイコメトリーみたいな特殊構造、探索の要素。
外注の絵師さんやシナリオの調整が効きやすい構造ではと(またそれが”制作上の都合”を一切感じさせる事なく、本当に無二の効果を挙げてる事が、真の凄さなんじゃないかと……)

私が前から思ってるのは、既に戦闘が無いエロRPG、一つの街でエロイベ見て回るエロRPG(ADV)ってのがある訳で、
エロRPGがこのまま進めば一つの分派として、ノベルというか、昔からあるシコ用のADV(吉里吉里製で、ボイスありで、立ち絵での会話を見た後に選択肢が幾つかあって、長エロシーンへ入って……)と合流する(実質、もうしてる?)のではって思ってるんですが、
その時に重要なのは、エロRPG界から持ち帰った、”よりシコくなる流れや仕組み”。

余りにタイムリー過ぎますが、先日私が予告で書いた[Island Parasite]といい、
「いかに飽きさせなく、膨大な文章を味あわせるか」、その為のシステムや要素をいかに頭を使って生み出すか、そういう風になっていくのかなーと。
……つまりこの作品に感じる「希有な才能故に、何か他の作品より一段も二段も上を行っている様なオーラ」は、そういう事なのかなぁと。
そう書くと、何重にも凄さを噛み締められるかなって……。

製品版の感想は以下のサイトさんが書かれていました↓

関連:
このドキドキ煽り(侵食)が上手いのは

[異世界通信]
でもあるのよね


[祓魔少女シャルロット]
とか(ちょっと心霊エロあり、絵きれい)

[クベルの首枷病]
とかも思い出した