ラスト・ストライク (製品版)

ACT, R18製品版の感想, ライター:エローン大君

*この感想は [エローン大君]さんに書いて頂きました。

必殺技で敵を画面外までブッ飛ばせ! 独特なシステムと中毒性がたまらないアクションゲーム

1プレイ3分ほどのお手軽ゲーム。必殺技で謎の格闘集団をかっ飛ばせ!
AMBER OWLさんの「ラスト・ストライク」の感想でございます。
本作はフィールド内に現れる謎の格闘集団を、女主人公・メルクがブッ飛ばす爽快アクション。
身も蓋も無い表現をすればスマブラ系のゲームなのですが、独自のシステムがなかなかに中毒性が高く奥が深いのですよ!
そして、ゲーム面・エロ面共に、拘り抜かれたドット絵にも要注目。
短時間でプレイできるゲーム性ながら、気が付けば1・2時間は経っている。まさに時間泥棒なゲームとなっておりますよ!

静と動のゲームシステムが秀逸なのだ 3種類のゲームモードで遊びがいもバツグン

ルールは単純。様々な攻撃を駆使して、現れる謎の格闘集団をフィールドから落とせばOK!
逆に自分がフィールドから落ちたら、HPがガッツリ減ったり、復活までタイムペナルティがあるので要注意。
自分のHPが尽きたり点数が足りなかったり、モード毎に設けられたノルマが達成できなければ、敗北アニメを見ることが出来る。
端的に表せばこんなゲームなのですが、プレイすればプレイするほど「奥が深い」ことに気付くことでしょう。

用意されているゲームモードは、

・一定人数を倒すタイムを競う「タイムアタック」
・一定時間内にどれだけスコアを稼げたかを競う「スコアアタック」
・体力が尽きるまでにどれだけの人数を倒せたかを競う「デスマッチ」

の3種類。

これに、例えばタイムアタックであれば「10人抜き~100人抜き」の4種類が用意されており、合計8種類の楽しみ方が出来るようになっています。
モードによって求められる立ち回りが違い、タイムアタックでは素早い攻め方、スコアアタックでは敵の倒し方や点数アイテムを入手するための立ち回り、デスマッチでは防御・回避を重視した動きが求められます。
1プレイは大体「3分~15分」ほど。デスマッチは99分まで遊ぶことはできますが、そこまで体力を保つことが出来る人は流石にいないと思います。

可能な限りタイムを縮めるタイムアタックはもちろんのこと、ジャラジャラとコインが溢れる気持ち良さが味わえるスコアアタック。
そして、他モードには存在する体力回復アイテムが一切出ないため、慎重な動きが求められるデスマッチの緊張感は絶品。
デスマッチモードでは、敵がいきなり本気を出してくる状態から遊ぶことも出来るので、より緊張感のあるプレイができることでしょう。

主人公が出来ることは、それぞれ4種類用意された攻撃・必殺技、そしてジャンプにガード。
ガードは多用しすぎるとよろけ状態になってしまうため、「↓+ガードボタン」で出せる「回避」(一瞬無敵になれる)も用意されています。
これらのアクションの使い分けで、どう敵を倒していくかが本作の焦点です。

敵の倒し方がかなり特徴的で、スマブラのように敵に攻撃を与えて吹っ飛ばしやすくするのではありません。
ではどうするかと言いますと、カウンターされてよろけた敵を必殺技一発でブッ飛ばす、本作のタイトルでもある「ラスト・ストライク」システムを利用して戦うことになります。
そのため、基本的には敵を倒していくテンポが非常に早い「動」がメインのゲーム。
ラスト・ストライクを決める度に、一体一体ずつヒットストップが入り、爽快感バツグン!痛烈な一撃を与えた、という手応えが感じられる瞬間です。

一方で、敵の攻撃に合わせてガードをすることで時間を止めることが出来る「ジャストガード」システムもあります。
数秒間、無防備になった敵に攻撃を叩きこむことが出来る恩恵もありますが、それ以上に「時間停止」演出も快感。
また、多数の敵に囲まれている状況であっても、一人の攻撃に対してジャストガードが成功すれば、他の敵まで巻き込んで攻撃出来る独特な爽快感も得られます。この場で動けるのは私一人なのだ……フフフ。

ラスト・ストライクという「動」のシステムを、ジャストガードという「静」のシステムが彩り、非常に面白いゲーム性を生み出しています。

惜しいところは、本作はどことなくミニゲームっぽいところがありまして、「フィールドが一つだけ」というボリュームとしては少し物足りない部分があります。
とは言え、「如何に時間を短縮するか」などのやり込み部分はきっちり用意しており、スコア詰めや爽快感ある演出を楽しむだけで時間が溶けていくので、あまり気にならないところでもあるのですが……。

敵の華麗な回避に感嘆 シンプルに見せかけて奥深い戦略性があるゲームなのだ

爽快感溢れるゲームとは言え、主人公が無双するゲームではなく、敵達も様々な方法で妨害してきます。
例えば、敵がガードを固めた時はカウンター攻撃を決めることが出来ないので、無理やりガードをこじ開けて必殺技をぶちかます必要があります。
実はこれには一つの抜け道があるのですが、通用しないどころか反撃をモロに食らうパターンもあるので辛いところ。

と言いますのも、本作のガードは空中でも可能で、空中ステップ移動や二段ジャンプの他、「空中回避」で少しだけ後ろに移動するなど、主人公が行える空中での移動はかなり自由度が高いです。
そのため、敵の対空攻撃が当たりそうな位置まで移動して、空中回避で攻撃を誘い、カウンター攻撃を決める戦法がかなり強い。

しかし、前述した通り、反撃されて致命的なまでの大ダメージを受けることがあります。
敵の見た目は全員同じではありますが、「難易度」という概念があり、プレイ中に徐々に敵が強くなっていきます。
強化されていく中で、「高速ドロップキック」の追加や、空中回避戦法を見越したかのような「高速ジャンピングアッパー」など強力な技の使用頻度アップなど、いやらしい動きが多々見られる状態に。

着地際をドロップキックで狙われることもあれば、油断したところでジャンピングアッパーを食らうこともある。
そして、1対多のシチュエーションになれば、うかつにラスト・ストライクを狙うのも危険。
他の敵に割り込まれてしまえば、自分がフィールド外に吹っ飛ばされかねません。
緊張感が常に途切れない素晴らしいゲームバランスとなっております。

このような難易度が上がった敵の動きは、プレイヤーに「こんなアクションを自分もしたい」と思わせる魅力があります。
デスマッチモードでは、いきなり最高難易度状態から敵と戦えますが、敵の回避の使い方が非常に上手いんですよね。
普通に殴ろうとしても、当てることすらなかなかできません。敵が攻撃を出してくれる=カウンターを狙うことを待つのが一番というほどです。
また、ラスト・ストライクを決めない限りは、かなりの確率でフィールドに復帰してくるのも面白いところ。
「画面外にブッ飛ばす」という分かりやすいゲーム内容ながら、丁寧なチュートリアルを用意するだけでなく、敵の動きでプレイヤースキルの上達を促すゲームデザインは非常に巧みだと思います。

本作のゲームとしての深みは、モードごとに「どのように敵を倒せばいいのか」などのアプローチが異なる点。

顕著なのが、敵を攻撃した時に出てくるコインを集めて点数を高める「スコアアタック」モード。
このモードでは、ただフィールドから落とすだけではコインがほとんど出てこないため、ラスト・ストライクを使っての撃破が前提になります。
その上で、フィールド上にあるコインを、敵の攻撃を受けないようにゲットする。
敵をどの位置で吹っ飛ばすか等でも点数効率が変わってくるので、戦略を練って立ち回りをしなければなりません。

これらを攻撃・防御の他、地上や空中移動など様々なシステム・テクニックを駆使して、高みを目指していく。
やればやるほど色々と発見があり、気が付けば1プレイ3分のモードなのに2時間ほど経っていました。お、奥が深すぎる……。

細かいところでは、自分・敵共に攻撃判定が大きい点がナイスだと思います。
これによって、ラスト・ストライクやジャストガードがしやすくなり、本作の核である爽快感を更に協調しています。
また、モード毎に「時間内に〇体倒す」などのノルマがありますが、この塩梅が絶妙。
操作に慣れていない間はギリギリ達成しづらいラインで設定されており、プレイヤーのモチベーションを上げることに貢献していると感じました。

少し気になる部分としては、「スコアアタック」モードにおけるコインの挙動。
重要な得点源になるコインなのですが、非常に横に吹っ飛びやすく大半がフィールド外に出ちゃうんですよね。実際にはテクがあるとは思うのですが、印象としては「運ゲー」に近いものがありました。
それ故に「フィールド内に金コインが残った時の立ち回り」などに面白みが出ているところもあるのですが、ある程度横への吹っ飛び具合を落としてくれれば、理不尽さを消しつつも「空中でキャッチする」など遊びの幅が生まれるかな、と感じました。

また、個人的には「キーコンフィグ」と「トロフィーシステム」が欲しいところ。。
現状でも、タイムアタックなどやり込み度は十分なのですが、如何せん飽きが来ることは避けられません。
例えば「↑+必殺技」は現状リスクが高すぎて、フィールド外からの復帰以外では趣味技に近いところがあるので、「特定の技での撃破を〇回達成する」みたいな要素があれば、ゲームを骨の髄まで楽しめるエッセンスとなりそうです。

エロは正直薄め だがドット絵への拘りは一見の価値あり

ここからはエロ面についてのお話ですが、正直な感想を言いますと「薄い」です。
本作の一番惜しい点がまさにここでして、逆に言えばゲーム面に関しては完璧と言っても過言ではありません。

本作に用意されたエロは、攻撃を食らって体力が減った際の「脱衣カットイン」&戦闘中のヌードになる描写。
そして、8種類のモードごとにそれぞれ異なったドットアニメが用意されております。
敗北(ノルマ達成失敗)した際のドットアニメは素晴らしいですが、ループアニメでフィニッシュも無いため、いささか単調気味。
その代わり、1コマ1コマストップしたり、ズーム機能を使うなどして、本作の芸術的なドット絵を鑑賞することができます。

本作はゲーム部分も含め、ドット絵に対する非常に強い拘りが感じられ、拘りがきちんとクオリティに反映されています。
例えば、敵の攻撃を食らった際の主人公のキリモミスピン、プレイヤーから攻撃を食らいよろめく敵のアニメーションなど、恐ろしくこだわっていて絶品。
ゲーム中に一番よく見る背景などの部分も、プレイヤーが必殺技で敵を倒した際はランタンが揺れるなど、演出的にも凝っています。
非常に地味は部分でありますが、敵のドット絵に関しても「筋肉の付け方」など非常に高クオリティで見どころ満点。
ドット絵の秀逸さに関しては体験版でも確認できますので、是非とも観ていただきたいです。
ゲーム部分の秀逸さについて散々語ってまいりましたが、「ドット絵の秀逸さ」この点だけでも本作品を遊ぶ価値があると感じています。

本作には、「全年齢」モードと「18禁モード」がオプションとして用意されておりまして、エロ抜きでも楽しめるよう配慮されています。
実際のところ、現状でも全年齢ゲームとして通用するゲームですし、個人的にはこのままSteamで販売しても受け入れられるレベルだと考えるほどです。

ただ、アダルト要素の点から見てみると、18禁モードを選んでも脱衣と右下のドットアニメが追加されるだけでは寂しい。
「インパクトの強い大きなHドットアニメやCGを用意する」「戦闘中Hアニメを盛り込む」などのアプローチがありますが、ドット絵に拘りを持つ本作です。
小さいキャンバスにドットを打ってアニメーションさせる。そんな戦闘中Hアニメの方が現実的ですし、「小さいドット絵でも拘りが目に見える」強みが最も活かせるところだと思います。

ゲーム的にテンポを最重視している本作において、プレイヤーの動きが止まってしまう戦闘中Hは一番盛り込みづらい要素のように思えますが、実は少し発想を変えるだけで、ゲームテンポを崩さずに戦闘中Hを盛り込むことも可能だったりします。
古くはベルトスクロールアクションにおける無敵技での脱出、デジ同人としては同じくテンポ重視なACT「ミリア戦記DX」のワンボタンで戦闘中Hをスキップできる機能でしょうか。
本作の場合ですと、「ガードボタンで戦闘中アニメから脱出できる」ようにすれば、ゲームテンポを保つ・誤操作によるストレスを無くすと一挙両得なシステムにすることができると思います。
ほんの少しだけでも「脱出までの時間」という要素が出てしまうので、ゲームバランスに関わってくる部分ではありますが……。

中毒性故の時間泥棒っぷりに要注意 ゲームボリュームを増やした直系の続編が遊びたい!

AMBER OWLさんの「ラスト・ストライク」の感想でございました。
現状ではあくまでミニゲーム的なボリュームではありますが、完成度の高さは折り紙つき。
シンプルながらも多彩な戦略があるゲーム性、ヒットストップを使った演出、プレイヤースキルの上達を促すゲームデザイン。
はっきり言って、サークル第1作目で出せるようなクオリティでは無い、非常に考え抜かれた秀作だと思います。

ただ、その一方で「ステージ数」や「キャラ」などのコンテンツも欲しいという欲張りな気持ちもありまして。
比較的安価な今作では出来なくとも、「QUEEN’s AXE」のように性能が違うキャラを用意する追加コンテンツを販売してみたり、戦闘Hアニメを入れてみたり。
「この作品をもっと踏み込んで作り、直系の続編として販売すれば凄いことになる」と感じた部分が多々ありました。
あくまで感想書きでありますので保証は出来ませんが、じっくりとコンテンツを育てていけば、数倍は売れる作品ではないかと思います。

ほんの3分遊ぶつもりが、気付けば1時間、2時間と経ってしまう。
そんな中毒性がある本作を、せめて体験版だけでも楽しんでもらいたいと思います。
チュートリアルは分かりやすいですし、ゲームプレイだって1プレイ3分程度済みますからね。
そして、あまりの面白さに時間の無駄なんて感じないはずです。
あまりの中毒性に、あなたの時間が吸われないことを心からお祈りしております。