マージャンゼツリンオー (製品版)

テーブルゲーム,R18製品版の感想

ふとした時にやりたくなる二大代名詞として、「エロ麻雀」と「エロアニメ」があると思うのです。
本作はその二つが楽しめる作品……として前から注目はしていましたが、体験版も無いし、なんだか評価も低めだし、何となく敬遠していたんですね。
しかしある日、殺人的な夏の暑さだし半額だしとか諸々が重なり、衝動的に購入。
いざプレイしてみると、そこには悲しきエロアニメの宿命が眠っていたのでした……(記事の最後に書きます)

麻雀×アニメ×エロパワーでロボット起動! ”脱衣じゃない”18禁麻雀だ

表紙
▲表紙。良いアニメ塗りです(女性隊員は3人いるようですが、今回赤い子以外は空気です)

さて本作は一言で言うなら、『本編アニメのエロ部分を15秒~1分くらいのダイジェスト的にぶつ切りにして、二人麻雀の勝ち負けに応じて流す』
作品となっています。
つまり敵側の悪い博士が和了れば、何か爆走する新幹線? とおぼしき中で、女性たちを陵辱するアニメが、
プレイヤー側が和了れば、正義のロボット、ゼツリンオーの女性パイロットがコクピットでオナニーしたりする、という次第。
そして一回和了するごとに、悪の博士の犯し触手プレイは前戯から本番へと進みますし、プレイヤー側もオナニーじゃイケないみたいな所に謎の男が登場、ペニス挿入の本番へと昂ぶっていきます。
(歯切れの悪い書き方ですが、なにしろ本当に説明も無く、犯されるシーンが流れるだけなので……。
ダイジェストだからですが、せめて本作用にもう少しテキストを用意しても良かった気が)

二人麻雀
▲ゼツリンオーが起動できるかは麻雀の勝敗に掛かっているのだ。どうせなら点棒・和了回数と言わず、お互いの機体のエネルギーをゲージ制にしても良かったのでは(高い役ほど溜まる)

麻雀としては、それぞれ点棒25000点からスタート(二人麻雀なのに普通に原点持ち)
もしハコに出来たら、その時点で全ての動画を立て続けに流して終了ですし、
(脱衣麻雀を参考にしたのか)例え一翻の小さい和了でも、どちらかが7回和了った時点で終了です。
つまり、どうやら性パワーでそれぞれの機体が動くらしく、7回めのエロムービーが終わった時点でパワー全開、必殺技で相手を倒す! という展開なのでした。
勝つとお手伝いさんがアニメ動画で脱いでくれる、なんてのが業界の標準な中、ロボットの勝敗が麻雀に掛かっているというのは、なかなか面白い試みではと評価できます。
二人麻雀もほとんど進歩が無いジャンルに見えますが、根幹の麻雀部分はともかくとして、シチュなどでこういうアイデアを練れるのだ、と勇気が貰えますね。
(最後に書くように、恐らく苦肉の策だったのでしょうが……)

割とちゃんとしてる麻雀部分。ただボリュームが……

しかし問題はボリュームで……、25分弱の本編アニメを端折ってる訳ですから、
要は、和了分の7つのムービーが敵味方で計14、そこにエンディングなどが数種。
早い話、敵は一人、勝利・敗北条件を満たすまでの半荘デスマッチ一回のみです。
(せめて長持ちするよう、原点持ちにしたのでしょうか……)

敵和了 主人公和了
▲対局中の演出は少なめですが、リーチでBGM変わったり、和了時にセリフが。「高め」を反映したセリフも

二人麻雀にしてはイカサマも一切無し。
なぜかバックグラウンドで喘ぎ声がずーーっとループしてるなどの独自要素がありますが(先述の通り、エロパワーを溜めてるって設定は分かるんですが、正直気は散る……。オプションでOFFに出来ますが)
基本は地道に打つしかない渋さ。
あと渋さついでに触れて置きたいのは、二人麻雀というとFLASHやJavaアプレットでテンプレート的な物がありますが、恐らく本作、自作のプログラムかと思われます。
よく観察してみると、自分が親と子の時では、勝負前の牌山を取る位置が変わってたり、ばらばらな牌姿を一瞬挟んでから、理牌後の手牌を表示したりも。
エロ麻雀で謎の本格さ、なんてムダなこだわりを……。そういう姿勢が資金難に……(おっと、最後に書きます)

負けムービー1 負けムービー2
▲悪の博士側が勝つと陵辱が進んでしまう! 収録されてるムービーはちょっと低画質かな……

まぁルールをしっかり把握すれば、要は”(役に関わらず)7回和了すれば勝ち”ですので、速攻あるのみ……と分かるんですが、そうなるともう運否天賦なんですね。
私は初めに2回挑んで、2回とも負けてしまいました。
あとプレイヤー側だけ「相手をハコに出来た時のみの特別なムービー」もあり、速攻だけではその条件を満たすのは難しそう。
ここはなるほどやり甲斐のある所だぞ……と言いたくなりますが、
まぁ裏技としては本作、オプションもなぜか謎の充実で、「赤牌あり」に出来たり「敵の難易度調整」などもあります。(一戦しかないのに……)
それらを駆使して3回め、無事に完全勝利エンディングを迎えられるのでした。
(……というか、実は「最初からエロ動画が全てオープンになってる」のは、さすがにやり過ぎな配慮な気もするので、せめてもう少しやり甲斐を保つ仕組みが欲しかった……)

本編に思いを馳せるよもやま

これをプレイした後、本編のアニメも気になったので観てみたのですが
大体は想像してた通りの設定、ただロボット物のエロパロなノリが結構楽しく、
まじめな顔をした隊員たちが全員スケベ衣装でやり取りするとか、
ゼツリンオー変形の作画凝ってるなぁとか、
パイロットたる主人公が恥ずかしがりながらオナニーするんだけど、全然パワーが溜まらず、(いかにもロボットアニメ的な、オペレーターが詰める司令室からモニタリングされてて)エロい感じの女司令から「もっと大胆に! 羞恥心を忘れなさい!」と指示されて身をくねらせる……とかエロさもあり、なかなか良い出来でした。

勝ちアニメ
▲プレイヤー側が勝つと、機体の中でなにやらエロが。おっぱい作画にこだわりだ

エロのダイジェストは見ちゃってましたが、前振り込みのエロさってありますし、あと麻雀の方のアニメは恐らく容量を抑えるため、けっこうコマを省いてたり? 低解像度になってるんですね。
エロアニメ的には乳房のたわみなどに相当気合が入っており……そうですね、アニメのバイブルブラックとかを思い出す感じがしました。
amazonとかを見ると、当時もかなり高クオリティーのエロアニメとして、評価されてた様ですね。
低予算・低クオリティーが当たり前なエロアニメの中で、これは嬉しい事でした。
ただそれだけに、思いっきり”つづく”って感じで終わってますけど、これ続編大丈夫かなあ……
という事で、気付いてしまったエロアニメの悲しき宿命。
その後の運命を辿ると、なぜか2はDLsiteの同人としてリリースされており、しかも動画作品じゃなく、アニメ作画のCG+ノベルになってるんですね……。
(冷静に考えるとプロ作画で基本CG100枚以上のノベルって凄いですが)

ゼツリンオー
▲たちあがれゼツリンオー! 本編もよろしくね……!?

そこで急にこの麻雀の立ち位置が見えてくる訳で、
つまり本来予定していた予算などが打ち切られ? それでも続きを作りたいのだと一縷の望みを託して、アニメダイジェスト+麻雀に踏み切ったのではないでしょうか。
資金の足しにしたかったと。
今ならクラウドファンディングといった手段もあるでしょうか、
まぁこんな時代もあったのだ……という事で、何か感慨深い気持ちになりました。
勢いで買って、勢いでクリアしたら驚いた、ある意味半額期らしい買い物でしたね……。