狂想のヴァルキュリア (製品版)
2017/06/24予告時の感想です
独自プログラムのRPG。期待することは……?
いわゆるツクール系ではない、独自プログラムでRPGを制作するぞという時に陥ってしまいがちな罠として
「”プログラムならでは”の独自性にこだわる余り、何かごてごてと分かりにくい、奇抜なシステムになってしまう」
あるいは
「(自分のプログラミングで再現できる、という所で満足しちゃうからか)丸っきりツクール製の後追いのような物を作り、
しかもテストプレイの検証数が圧倒的に足りてないので、細かいとこが妙に遊びにくい」
といった典型例があると思うのですが、しかし今作に置いては、まずは落ち着いた造り、その上でじっくり、これはツクール製ではちょっと煮詰めにくいかも……
といった楽しさを追求していて、一段上の制作になっていると感じましたね。
歩きを廃止した、クォータビュー視点のRPG。いかにも珍しそうですが
システムとしてはマップ上の気になる場所(樽とかのオブジェクトや、道の切れ目など)
をクリックすると、オブジェクトなら戦闘やアイテム入手などのイベントが発生、道なら隠れていたその先が明らかになって、更にマップが広がる……、
それらを逐一繰り返しては、移動先を選んで進んで行く感じ。
操作はマウスオンリーって事もあり、いわばRPGの「歩き」を排除した形ですね。
他にも視点が(基本)クォータビューであったり、
戦闘シーンでは一回の行動につき3スロットをセット、これは戦闘コマンド2+補助コマンド1なので組み合わせを考える、ただし行動力代わりのTPもそれだけ消費するので注意……など、
なかなか目を惹く”独自さ”もありますが、それら全体を考えても初見だと
「プログラム作品にしてはちょっと派手さに欠ける、割とオーソドックスだな?」なんて思うかも知れません。
他には、経験値で職業技能Lvを伸ばすと適したスキルを覚える、
メインクエストに辿り着くまでに路銀稼ぎ用のサブクエが割とあって、
ふむふむ、他の冒険者とパーティーを組んでみる……なんて筋書きもあるのね、でもまぁツクールでもそれなりにあるよねそれらは、みたいな。
むしろどちらかと言えば、冒険の舞台が、忌避の病を患った人々が流される島……
という諦めたような雰囲気もあって、どこか朴訥とした印象さえ受けるかも知れません。
実はじわりと探索・冒険。遊べる手触り
ただこれがじわりと面白くなる要素を持っていて、一番大きいのはやっぱ、変わった移動方式でしょうか。
「移動先をクリックすると、その場所を物語るメッセージが流れた後に、マップが広がる(視界が広がる)」
と逐一確認する流れ。
そして新しく拓けた先に意味ありげに転がった骨や、古木を見つけると、お、これは何だ、とすぐさまクリックできる。
すると骨は敵の偽装していた姿でしたでイベント戦に苦戦、
そうして回復アイテムが不足しがちなバランスの中だと、薬草とかを大量に拾えるイベント発生が嬉しかったり。
心なし、単なる歩行式のRPGよりもその効果一つ一つが大きい。
結果、
「もうちょっと先を見てみたい」
「でも結構危ないバランス、一旦退却するか……?」
みたいな、割と何度も踏破にトライしつつ、未知の場所が危険そうなら引き返す、探索・冒険の”感じ”がかなり出てます。
ツクール系では形式が整っている故に、おざなりになりがちな所を、煮詰め直せてるなぁと。
(ちなみにもう判明してる場所にはクリック一発で戻れるので、引き返すのは簡単……とここでは探検とは逆、繰り返しの挑戦に沿った仕様に落とし込めてるのも上手い)
そう思うと、その周囲を固める所もしっかり作られていて、
例えばややオーソドックスかと思っていた戦闘、
1対3とかになると普通に死にかねない手応えのある難易度で、ここでも「敵のTP」が見えているので、その残りに応じて敵の次の行動を予見、危なさそうなのから先回しに倒せば有利に立ち回れたり。
その意味で職業技能Lvのアップも、これが一つ上がるとガクンと能力が段違いで嬉しい……のも勿論ですが、
例えばスキル「先読み」が可能になって、次の敵行動を予想するまでもなく表示されるようになって、感覚もまた変わったり。
(この先も段階段階でこういった強化があると思うのですが、ただ能力値が増えるのではなく、システム的な手も加わるスキル……というのは、少しツクールではやりにくいだろうなと)
あとサブクエストで言うと、初めの町で組んだ冒険者と他のクエストも回りつつクリア、報酬も山分けで半分持って行っちゃうし、あぁこういうNPC雇い入れもあるRPGなのね……と安心し切ってたんですが、
ふととある山小屋に近付いたら急に休憩したいと言い出し、了承したら結局は裏切りイベントで、駆け付けた盗賊もろとも一人で斬り伏せないといけなかったり……。
これもツクールだと「裏切りクエストの1個前から仲間になる、怪しさ満点のキャラ」になりがちじゃないかな……と。
(仲間キャラが裏切って驚きというより、そういう一つのエロイベント、それ用のクエストみたいな感じに)
という事で、一つ一つは「少し深い」「少し予想外」という位なのですが、それらが折り重なると、マップの見てない所に何があるか気になる、今は倒せない寄り道クエストのボス、もっと強くなって何としても倒したい……
そういう一段遊べるRPGへと昇格している、と思いました。
エロシーン。敗北異種姦多め、他にストリップやふたなり等の肉体異常も?
エロシーンは主にそうしたサブクエストでの敗北エロ。
じゃっかん異種姦多めか、主人公が呆然となるまでガツンガツン犯される事多しかなと。
ただシチュ的にはそうでも、テキスト的にはやや短め、描写はそれ程ハードでもなさそう……かな。
(ただ体験版の時点でも結構エロシーン数多くて、そこには期待)
代わりに気になるのが、繰り返し犯される内にゲーム中のSAN値、すなわち正気度が減って可能になるという
スラム街の踊り小屋で、貞操と正気を引き換えに金を得ることが出来る
舞台を繰り返すごとに、彼女は過激なパフォーマンスを覚えていく
でして、これは体験版でもサンプルとして拝めるのですが、
いかにもポールダンス&ストリップ的なCGが、どういった痴態を客に見せるかという選択肢でかなりの変化、
前向きなら股間を開いたしどけないポーズで、後ろ向きなら卑猥に挑発する感じで屈み、差分の組み合わせでピースしてみせたり、もちろん脱衣ストリップも……。
これには現時点でもニッコリというか、かなり期待する物がありました。
あと
3つの身体異常、ふたなり、卵孕み、分身
といった肉体異常もフェチに訴えかけて来るよね……というのはあり、
(特に分身シチュ、マジメに旅してる主人公とは別に、どこかで男に媚びを売ってる分身が居るってシチュ、ちょっと奥深いマニアックさで珍しいような)
ツクール系以外で同人エロRPGで戦うというのはどういう事か、分かっている感じで、安心して遊べそうでしたね。
予告でも感じた、「少し深い」を最後までしっかりマジメに貫いた、良く遊べるシステム系のRPGだと思います。
良いのかなーと思いつつ、ゲームプレイ的には有利にもなるんで、敗北エロ等に甘んじてたらSAN値がみるみる下降、
最後の最後にその値での分岐があり、これがちょっとバッドぽいエンドでモヤモヤ、
もう一周させて貰えるならもっと上手くプレイ出来るぞ、初回はアサシンスキルに偏らせたけど、二周目は割と空気だった魔法スキルでも戦ってみたいし……と、普通「周回」って退屈なんですが、これはもう一度遊ぶのも、やぶさかではない感じですね……。
久しぶりにじっくりハマれるRPGでしたし(5時間一気にプレイとかした)
「オモシロかった」と言えるものでした。
後にまで残る選択、スキル反映の分岐。丁寧に作った味がする
面白さのタイプとしては、「さぁどうする」と判断を迫られる場面が多くて、
例えば序盤ですが、いかにも強そうな大ボスが道を通せんぼ、
正面から挑むか?
脇道からこっそり行けば、見つからなさそう……?
あるいは引き返して、別のクエストをもう少しこなすか?
といった情報が提示されるなか、脇道を選ぶとここでアサシン系の「索敵」スキルを持っているかの分岐、
つまり持ってれば無事にボスをスルーして進めるけど、そうでないとバレ、不利な状況で襲い掛かられる……といった事ですね。
(他にも緊迫した場面での「交渉」スキルや、そういう使い方するんだみたいな、消費アイテム所持で分岐あり……)
こうした”目的達成の手段が数種類、ほぼ確実に用意されてる”
”しかも自分の伸ばしたスキルで細かい有利不利の分岐が発生、有り難みを感じる”、ですね。
とある師団が管理する鍵を入手するのに
「正面から突入」「潜入」「エロで交渉」
の三通りがある訳ですが、自分はしゃらくせえとばかりに突入でクリアしたんですが
(このプレイを成功させるため、脳筋に研鑽を重ねた……。敵にもよるけど、下手にガードするよりこちらの先制の一撃で粉砕して「示現流!」とか内心楽しんだり)
まあ荒っぽい展開の代償か、後に師団長がボスとして邪魔してくるわ、
手配が掛かり街中で襲われる事態にもなって、ああこういう、”その場の少しの変化だけで終わらない、後にまで影響残す選択肢って良いよね”……と。
だからこそもう一周、別の展開で遊びたいって思う訳ですが。
こういうある種めんどくさい事を、ちゃんと最後まで通したことの偉さ。
独自プログラム製のRPGだとあんがい、システムを組んだだけで満足、
バランスとか微妙に大味……ってのもありがちですが、きちんとここまで丁寧に詰められているのは素晴らしい。
(というか、前作のスケルタル・リョナACTも見た目から特徴的、
今作はRPGですが「独自プログラムはここに凝ったらちゃんと面白さが出る」って微細な強みまでも抑えてる幅な訳で、ゲーム作りのセンスにちょっと尊敬……)
ツクール製のRPGとあえて比較するなら、「移動シーン」とそれに基づく自分で調べてる感が薄くなる、
つまりイベントと戦闘をほぼ交互に体験するようなものなので、
「用意されてるものを辿ってる」と思わせないのが要、でないと非ツクール製でやらかしがちなスカスカしたRPGになってしまう……、
その為にイベントの楽しさとして選択と分岐を、
強くなる楽しみとして、自分の成長スキルが濃く反映される戦闘、そして分岐……という事でしょうか……。なるほど。
(この部分に、更にエロまでも作り込んだら[プリンセスサクリファイス〜供犠姫フィーナの冒険〜]のようになるかなと。戦闘はこの作品の方が面白かった印象がありますが)
エロシーンは薄味? ここはまだ手探り感じる所も
エロシーンはまぁ、絵も少し薄味ですが、
エロに入る前の前振りの弱さ、淫乱化みたいなキャッチーな所はほぼ無いので寂しい所か。
敗北エロがメインですが、他にもダンジョンで狭い穴を調べたらつっかえて壁尻、宝箱を開けたらガス噴射で睡姦、宿屋に泊まったら淫夢……
など発生箇所・シチュは多岐に渡る。
エロシーン数は36なので、結構多めかも。
(そもそも一周目だと21しか埋まってないので、まだ未知数でもある)
恐らく大体どれもノベル型のエロシーン。
(ゲーム中に連動する形でのエロはほとんど無し。その点で、ポールダンスストリップは選択肢もあって特殊で良いんですけどね……まあここだけみたいなので)
エロシーンはある意味安定していて、だいたい体験版でエロのノリが分かれば、どれもそんな感じ。
ただ終盤からもう一人女の子が協力してくれるので、その絡みで輪姦とかのシチュが少し増えたのは嬉しいかな……
終盤に固まってた良いエロ。ふたなりレズSEXだ、買春だ
+4時間、計10時間で2周めクリア。
あと1時間掛けて31/36までエロシーンを回収……したのだけど、
個人的にクる、凝ったシチュが終盤に固まっており、エロに対する印象が変わった。
エロ、全然薄くなかったね……(スロースターターではあるかも)
例えば微妙に隠れた所にあって一周目では逃してた「ふたなり」化、
度々入る悶々とした表現や良し、既存のシーンにも(テキストや責めの変化こそ無いものの)CG差分として反映されるし、
あと一周目で「地味なレズっけありますねえ」と思ってた協力者にムラムラ来て、我慢できなくなってSEXとか拍手である。
しかもシーンも一つで済まず、割とSEXらしい前戯2・本番2体位を備えている。(以後、気兼ねなくエッチに誘えるようになるのも良い)
かと思えば、普通にモブだと思ってた女性娼婦に話し掛けてみたら、まさかのふたなり状態の悶々ゆえに買春という事態にも(浮気だ)
こういう変化は良い。
あと前周ではどうもSAN値の減少が気に掛かり、お金が必要な時しかやらなかったストリップも、最後までやってみるとぶっかけ・手コキ・生本番ショーみたいな予想以上の過激化。
しかも挿入されつつも、あくまでショーのていなので、いつもの踊り系の選択肢が取れる(それに合わせた差分変化も)
が個人的にツボでした。グー。
あと予告の時点でおぼろげに考えてた「この設定(不死)だと、死んでも輪姦とかし続けられるよね?」
がAルートのラスボス敗北で実装されてて、ここの力の入り方は目が見張る物があったり……
実は回想でも、CG表示でふたなり・表情とかを色々カスタマイズできるみたいな、ここにも「ちょっと深い」部分に取り組もうとしてましたね……。
で、SAN値を気にせずエロを見てると、めっちゃお金と経験値が溜まってラク。
序盤から凄く駆け引きを感じるゲームだし、ついそれに付き合いたくなりますが、一周目はエロ見まくるのが正解かも……?
(ただやっぱ、初見の敵を考え抜いた末に倒す充実感も捨て難いのよね……)
魔法極振りで挑む2周め。意外な解法も用意されてた
2周めは魔法全振りで挑んだ。
なるほど物理ガードをお構いなしに通せるから有利よねとか、もしかして相手をよろめかせる確率も高い? とか分かるんですが……、
それにしても全体魔法が今いちフニャフニャ、
「魔法跳ね返し」とかも攻撃系で同系の「カウンター」と比べると、跳ね返す回数は一回だし相手の能力依存だから今いちダメージ伸びにくいし、ちょっと冷遇されてませんかね……という苦戦ぷりだった。
もしかして初回では何だかんだ平均的に他能力も伸ばしたけど、二周目では本当にただ魔法だけを上げたのがマズかったのか。
魔法撃ちたくてもTP全然溜まらないし、
終盤に物理回避の「パリィ」覚えさせたら凄く安定したしね……
(そもそも魔法力を上げると「魔法跳ね返し」を覚えるけど、魔法極振りなら魔法耐性も高いわけで有り難み薄、物理系のガードこそ必要なんだ……)
偏らせ過ぎもダメ、過ぎたるは及ばざるが如しのバランスである。(いまさら)
ただ二周目で新しい解法も見つかって面白かった、
魔法に偏らせまくった報い、普通なら成功するだろう任務を失敗、エロへと発展したり。
かなり強い、ターニングポイントだろう巨人兵のボスも、この時点で魔法極振りしてると実は戦わずにスルーできる選択肢が……(でないと多分、倒せないだろうし)
と、「なるほど、ここまで作られてるのか」と感心できた。
闘技場って魔法禁止だったのかとかも改めて気付けたけど、うんそうなると、やっぱ稼ぎにくくて冷遇を感じる……
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません