荒野の雷鳴少女 (製品版)

その他形式, R18製品版の感想, ライター:エローン大君

*この感想は [エローン大君]さんに書いて頂きました。

刹那の差で掴むは栄光か、それとも絶望か ウェスタンチックな早撃ちゲーム

兎散さんの「荒野の雷鳴少女」の感想でございます。
本作はウェスタンを意識した早撃ちゲーム。純粋に「画面や音からの反射速度」を求められるワンクリックゲーとなっております。
ですが、酒場に貼られた手配書から賞金首を選び、ただただ早撃ちのスリルに浸る……だけのゲームでは無いのです。
本作のウリは「賞金首達を取り巻くドラマ」。賞金稼ぎである主人公「キャロル」が出会う賞金首達にはそれぞれの理由があり、やがて一つの結末へと収束していきます。
刹那を見切り、正義の賞金稼ぎとして真実を撃ち抜く。シナリオ面にも要注目な一作です。
もちろん賞金首達に敗北すれば、キャロルは様々な凌辱・拷問を受けることに……。
様々なパターンのエロシチュが用意されておりますので、こちらも楽しみたい一作です。

許される失敗は2回まで 君は人間の反射速度の限界に挑めるか

本作は、荒野を旅する賞金稼ぎ「キャロル」が、様々な問題を抱える街「ペイルシティ」の市長に頼まれ7人の賞金首達を倒していくというもの。
ほとんどウェスタンなストーリーでありますが、ゴブリンの存在だけがほんのちょっぴりファンタジーという感じです。
ゲーム内容は、「FIRE!」の文字が出たらマウスをクリックするだけ。
相手より早ければ勝ち、遅ければ負ける。非情なまでにシンプルな内容です。

主人公は、2発までは撃ち負けることが許されます。
その際には脱衣カットインが発生。徐々に服がボロボロになっていく様子が描かれるのが魅力の一つです。
しかし、敵との連戦があったり、耐久力が高い者がいたりと、ただ反応速度だけでなく集中力の持続も試されることもあるのが、本作の難しいところでしょう。

ゲームバランスに関しても、ただ早撃ちすればいいだけと見えて、実は結構よく考えられているのも凄いところと言えるでしょう。
人間の反応速度の限界は一般的に0.2秒程度。もちろん、それ以下を叩き出す人はごまんといますが、完璧に出来る人はなかなかいないと思います。
本作ではいわゆる雑魚戦を除き、「その限界に少しの猶予を持たせたギリギリのライン」を突いてきます。
連戦などで集中力が切れている中での早撃ち勝負となると、非常に辛いものになることは間違いないでしょう。

もちろん、加齢などによって反射速度が落ちている方もいらっしゃる(※私も含む)と思いますが、難易度を下げるという形で「0.4秒とかそのぐらいでも普通にOK」という救済措置がございます。これはありがたい……。

自分の銃声が聞こえながらも、ほんの刹那の差で敗北した時の悔しさ・無念さはなかなかに凄いものがあります。
0.03秒差で負けることなど当たり前のゲームです。シンプルだからこそ、ガチになってしまう。そんな魅力がたまりません。

賞金首達を取り巻く物語。群像劇の末にある「真実」を見届けろ

ゲームとしてはシンプルな早撃ちゲームですが、一番の見どころはストーリー。
前述した通り、手配書は好きな順番で選ぶことができ、また各手配書ごとに3つのステージが用意されております。
ステージごとに違う敵と対峙し、賞金首を追いつめていく過程が描かれるシナリオ。
例えば、体験版で戦うことができるターゲット「荒野の盗賊」は、商人の馬車を襲う賞金首。ただシンプルに出会う敵を倒すだけですが、最後に重要なアイテムの存在が示唆されます。
そして、その横にある手配書「牧場の襲撃者」は、牧場に嫌がらせをしていくうち、行為がエスカレートしていったゴロツキ達がターゲット。
ネタバレになるので伏せますが、勝利していくことでとある事実が明らかになります。

やっていることはほとんど変わらない「荒野の盗賊」は生け捕り推奨、一方で「牧場の襲撃者」は「殺してもOK」。
一人の賞金首だけを見ると一見何の変哲もないこと物語ですが、たった2枚の手配書を見ただけでも「疑惑」が出てきます。
これらの「疑惑」が、一本の線で繋がった時、貴方はとある真実にたどり着くことができるでしょう。
これはいわゆる群像劇。「どうしてこんな設定があったんだろう」と思った部分まで絡みついてくる、物語終盤の畳みかけるような鳥肌モノの展開は要注目です。
ちょっとしたネタバレですが、「主人公にも撃たれた後に脱ぐキャラがいる」のも地味にオススメしたいポイントだったりも。

「脱衣」絡みのちょいエロな演出ばかりが目立ちますが、「敵のモーション」も一つの魅力。
例えば、ボスは基本的に耐久力がありますが、一発撃たれると明らかに早撃ち前のモーションが変わる。
そして、最後のトドメを決めると、膝をついたり倒れ込んだり、様々な形で楽しませてくれます。
とある賞金首の敗北後の動きなど、恐ろしく凝っていた上に、ストーリー的にもバックボーンが凄いキャラだったので思わず感動してしまいました。
もちろん、こちらが負けた際の敵のモーションも異なっておりますので、その違いも楽しみましょう。

全体的なゲームとして見てみると、「シンプルで分かりやすいルール」、「一つの線に繋がった先にある熱い展開」など、かなり推しどころのあるゲームであります。
ただ、例え後述するエロCGがあったとしても、本作は「1000円弱」のゲームであります。
早撃ちゲームと言うシステムや、ボリューム面を考え、人によっては躊躇してしまうかもしれません。

しかし、それでも私はこの作品を推します。
本作を遊んで良かったと思ったことは、第一に「1000円弱で良い映画を観ることが出来た」ような感覚。
そして、もう一つが「キャロルの早撃ち勝負」であり、プレイヤーである私と賞金首の一騎打ち。
そう、この素晴らしいストーリーの主役は私たちプレイヤーなのです!
「操作する部分」だけを取り上げればゲーム面のボリュームは弱いですが、「体験する映画」として捉えれば、きっと満足していただけることと考えております。

さて、惜しいと思った点を挙げますと、雑魚敵とボス敵の間で要求される反射能力に極端な差があり、ゲーム的にメリハリがないこと(連戦で集中力が欠けることを利用すれば、ある程度メリハリは付けられたかもしれません)。
そして、モーションが全体的に「ぬるっ」とした印象の動きで、西部劇の早撃ち演出でありがちな「ぐらついて急にバタンと倒れる」ような、「メリハリのある動き」が無いのも勿体ないと感じました。
あと、もう少しだけボスごとのモーションのバリエーションを増やしてくれたら、もっとストーリー・世界観に没入できたかも……?

敗北、それは屈辱と絶望を意味する 様々な恥辱や拷問が描かれるエロ部分

本作のエロ部分は、「敵に敗北する」ことによって見ることが出来る形式。
いちいち撃ち負けなくても、わざとフライングして敗北することで、簡単に見ることができます。

内容としては、「基本CG+ちょっとしたテキスト」。
キャロルがとことん犯されまくるようなものもあれば、情報を吐かせるために拷問されるものもある(※グロとかは無いです)。
CG的には全15枚・差分CGは無しという感じですが、短いながらもテキストがありますので楽しむことが出来るでしょう。
(体験版でどういう感じのエロか、確認していただければ分かりやすいと思います)

CGを見る毎に回想モードに追加されていく方式なのですが、肝心の回想モードではCGしか見ることが出来ず、ちょっぴり感情移入がしづらいところが惜しく感じました。
また、CG回収のために雑魚相手にもわざわざ負けないといけないので、できればクリアできたら自動的に開放モードを全解放してくれたら嬉しかったですね……。

一番のウリは「物語」。 ウェスタンな雰囲気に浸りながらのプレイがオススメ

というわけで、兎散さんの「荒野の雷鳴少女」の感想でございました。
ワンクリックで遊ぶ早撃ちゲームというシンプルな内容ながら、物語やモーションで「魅せる」。
様々な演出面が光る作品でした。「賞金首を狙う」という行為の連鎖だけでここまで描けるのは凄いです。
あと、反射速度が遅くなっちゃった人でもクリアできるようにしてくれたのは、本当にありがたい……。ありがたい……。

エロ面に関しても、強姦・恥辱・拷問など様々な種類のシチュエーションを用意。
イラストとしてもなかなかに良い質となっておりますので、こちらも楽しめることでしょう。

一番の魅力であるストーリー面の良さは、体験版では分かりません。
様々な賞金首の物語を追って初めて楽しめるシナリオでございますので、体験版で雰囲気を掴み面白そうと感じたら、是非手に取っていただければと思います。