マンドレイク -ERODE 0- (製品版)

RPG,R18製品版の感想,ライター:さたける

*この感想は [さたける]さんに書いて頂きました。
低価格でCG枚数ボリュームたっぷりのミニRPGを多数発売しているサークル「7センチ」から、シナリオ重視のエロRPGが販売されています。
熱いシナリオはニトロプラスなど商業ゲーだと人気ですが、同人エロRPGだとあまり購入の動機になりません。そのためフェチやシステムをアピールする戦略になり、エロ優先の無難なシナリオになります。
ただ、魅力あるシナリオは支持され続ける傾向があり、絵無しRPGの「Spiral Legend」シリーズは、シナリオの魅力で初作から人気が続くサークルです。
人気作「もんむす・くえすと!」「バッドエンド・コレクター」もエロと融合した質が高く熱いシナリオが魅力です。
エロ中心RPGサークルさんからこのようなシナリオ重視のRPGがリリースされた事は面白い現象だと思います。

ストーリー重視のエロRPG

俺Tueeeな男主人公が美少女を犯してから、心も盗んでいく冒険譚です。ランスシリーズのようなノリに近いですね。
ゲームは一本道タイプのRPGで、メインストーリーを進めながらダンジョンを攻略します。エロはほとんどがメインストーリーに組み込まれて街探索エロなどは無し。一部特定モンスターの戦闘で勝利した後にエッチシーンなどの展開も。装備はドロップアイテム中心で無理に店購入の必要がない、街中のマークを辿ればメインイベントが始まる(サブイベ無し)などRPGの要素を意図的に薄くしています。もう少し配慮するならダンジョンをもっと小さくしてもよかったかな。
戦闘とダンジョン探索がついたノベルゲームに近い形式で、物語に注視できるよう設計されたRPGです。ノベルゲームと比較して「街の雰囲気や地理・地形を掴みやすい」「モブと会話を楽しめる」などRPGの利点もあります。
ノベル系RPGとしては有難いエンカウント無効アイテムを序盤から入手。私はこれでクリア。一部ボスに大苦戦ですが、一応エンディングまで確認。たぶん、これが適正バランスで、簡単にボスを倒すなら経験値をためる事を想定した難易度。クリア後は複数のおまけモンスターがいて、これを倒すのは流石にレベルが必要でしたが。

俺Tueeeeな熱血ストーリーからサスペンス風味の展開に

本作の主人公はほぼ最強設定で性欲の固まりです。格闘家との勝負にタイマンを張り、世話になった男に恩で返すなど友情・熱血な内容が全般に渡って描かれます。エロだけRPGへのアンチテーゼの如くエロに関連しないストーリーにも力が入っているのが特徴ですね。作者の低価格過去作は短編シナリオのエロ中心型作品なので、そこからの脱却も目指して開発したのかな。

かっこいい
▲数枚はエロ以外の熱血シーンが。

物語は「奴隷区からの脱出(体験版範囲)」→「エルフ娘の村を襲った人物への復讐」→「ある人物の危機を救う」の3部立てです。中盤以降、熱血に加えてサスペンスが加わります。
本作は曖昧に未来予知できるキャラがおり、主人公は近い未来の「最悪な結末」を知ります。しかし「他人に教えれない」条件もあります。この状況で未来を変えるために奮闘します。誰が黒幕か?行動理由は?などミステリー風味になります。奴隷区から世界設定の伏線が散りばめられ、物語の進行と共に判明していきます。

サスペンス
▲ヒロインちゃんの村を焼き払った犯人探し。犯人が女性っぽいので、お仕置きまでが仕様。

物語の作り込みは明らかに過去作以上で、エロにとらわれず作りたいゲームを作っているなと感じました。

無理矢理「風味」なエッチ……そして仲良くなってからのお別れエッチ

女の子が襲われていれば助けてその後レイプ。女の子と戦闘になれば勝利してその後レイプ。本作は沢山の女の子が登場しますが、初体験がレイプになる女性は2/3ほど。
ただ、エッチ後にコメディになったり、抱かれる事を嫌々だけど一応女の子側が受け止めていたりして悲壮感はあまり感じません。女性達もレイプされた後、何故か許して一緒に冒険します。女の子が痛がる描写が嫌いな方向けの作品ですね。

コメディ1 コメディ4 コメディ5
▲レイプされた後のこのコメディ感

レイプ1 レイプ2 レイプ3
▲レイプシーンでも、主人公は「イイ女」「可愛い」「魅力的だ」!と声をかけながらセックス。甘々風味。

で、レイプ魔な主人公だけど、女の子が悩んだら助けてあげ、大事なシーンでは圧倒的な力で守ってあげてと何気にかっこいいんですね。外見もイケメン、そして、世間知らずだけどひょうきんとした憎めなさを持っています。
だから初対面最悪なのに、自分でも気づかず主人公に引かれる女性達。だんだんエッチに慣れてしまう身体。心情の変化でヒロインのエッチスタンスも変化していきます。心情の変化は本作のポイントなので、主人公に惹かれる過程のイベントがもう少しあると嬉しかったです。

切ない
▲メインキャラ。ストーリーが進むとこんな表情も見せます。

一緒にパーティーを組みヒロインが嫌々ながらもエッチをしながら信頼を積み上げた主人公と女性達。しかし出会いがあっただけ別れもある。男女含めた各キャラ全てに一連の「出会い」と「別れ」、「再開」があります。

試験管1 試験管2
▲レイプした主人公と再会しまた犯される。そして上司の命令で仕方なくパーティーに。これも一つの「再開」です。

恋心を自覚できていない感情、だけど別れたくない。どうしても別れるなら最後にエッチをしたい。そんな感情が伝わってくる最後のセックス。主人公がエッチしたキャラは1名除いて全員主人公に惚れるので、別れる時はまあ1人1人すごい事に。別れをどれだけ感動的にするかに重点がおかれています。

別れ

本作はこの、レイプ魔の主人公に犯される(和姦もあり)→一緒に冒険して好感度アップ→好感度と共に心情が変化→別れの流れをエッチ含めて様々なパターン(キャラ)で体験できるゲームとも言えます。別れまでを含めたエロゲーも珍しい。
12人分の幼少の頃の出会いと別れ、そしてゲーム直前の主人公と再会できるヒロインの喜びを描いたセンチメンタルグラフティの前日譚小説を思い出しました。

綺麗にまとまりながらも、次回を期待させるエンディング

エピソード-ゼロ-はプロローグ的な位置づけで、今後、壮大な話になりそうな雰囲気を漂わせながら終了します。主人公の過去など一部謎が残りますが、この地方の物語は綺麗に終了します。ストーリーが中途半端にならないので、その点は安心してください。
「今度は主人公が危機になったら必ず助けにいく」、「またいつか再開できる」など今作キャラとの再開フラグがしっかりと。また、ペッティング止まりで未セックスキャラが2人。今作でキャラや設定を掘り下げた分、次回作も面白そうです。
私はエンカウント無効アイテムを使用して2時間ぐらいでクリア。イベント数28個、基本CG45枚。エッチキャラは10名+戦闘エロ4名。メインヒロインのエッチシーン7個。サブヒロイン2名は2,3個、1イベントで1〜2枚の基本CG。個人的には熱い物語と少女達の心の変化が良かったです。