ピンボルアの勇者 (製品版)
体験版プレイ
[ピンボルアの勇者]https://t.co/N3uA7LqHuO
ファンタジー世界でピンボールだわーい! 役物に当てて仲間を解放したり、大型のボスを倒したり。始まりの草原から更に深淵のダンジョンを目指して撃ち出したりするのだ! 単純で面白い全年齢ゲーですねー— 111 (@becomegame) 2020年4月24日
ピンボール、いつも「いやフリッパーの中央は開いてる訳だから、そんなモン運やんけ」とか思うのだけど、やる程にだんだん跳ね返り角度、どういう勢いの時にどう跳ね返せば良いか掴めるようになって、実際長く生きられてポイント稼げるようになるので、不思議ですねえ…
— 111 (@becomegame) 2020年4月24日
ファンタジー舞台とか、DLして遊ぶものだと考えるとつい、「このステージ(台)をクリアしたい」とか「物語を彩る立ち絵会話が」とかのやり甲斐を考えちゃうんですが、恐らくそんな事は無く、ポイント稼ぎ重視なのも硬派だなあと…(実績解除とかはある様子?)
— 111 (@becomegame) 2020年4月24日
▲いかにもファンタジー、RPGという感じの草原。勇者を球にしてピンボール開始だ! フリッパーで弾いたれ!
▲最初はコツが掴めず何度か球(勇者)を落としちゃうかと思いますが、分かって来ると激しく打ち出し、ダンジョンや森の入口などを確認。
障害物を壊したら仲間が増えて3人体制になったり
▲でかいボスとぶつかった時は攻撃モーションを取ってズバッとダメージを与える! こんな所も楽しい
▲試しに森に向けて撃ち出してみた所、別ステージへ移動……!(そういうピンボールね)
ここは一定時間滞在、りんごが落ちまくって稼ぎまくれるボーナス面の様子。これには思わず勇者もレベルアップ……!
▲洞窟は更に奥へ奥へと行けるルート。
▲びよよーんと何度も跳ね返り飛ばし、ここのボスのHぽいお姉さんにアタック! あとここも稼ぎボーナス部屋があって、やたらと稼げるチャンス……!
▲洞窟を抜けると草原の後半ステージに合流。そして更に洞窟に球(勇者)を入れれば、今度は”魔龍の洞窟”と……?
高得点だけじゃなく、ステージクリアみたいな事もあるのでしょうか
▲体験版だと一回3分。ピンボールらしくハイスコアを競うのだ。楽しい。
楽しい弾み加減はやはり動画で確認するのだ:
体験版だからか、3分の時間制限あり? 5、6回くらい、わーいと遊びました
まぁ全年齢ゲーとしてDLsiteは主戦場じゃないとは思うんですが、つい応援したくなります……
製品版プレイ
デジタルゲームでピンボールというと、昔のwindowsの標準ソフトくらいなんじゃないかと思ったりする、
そして日本では、ともかく実機でプレイした人自体がそんなに多くないんじゃないか……というくらい、マイナーな存在で(この理由は日本特有の事情も絡めて、後に考察します)
ましてその面白さの深い所ともなれば、かなり曖昧模糊としているのじゃないかと。
体験版では時間制限がある中、ポストエフェクト的な、ふわーっとするハデハデしい効果が賑わいまくり、「とにかく楽しい!」という気分を煽ってくれたものだけど、
製品版にてじっくり向き合ってみると、その面白さ……とあと欠点、もより明白に掴めたのでした。
JRPGぽいファンタジー題材でピンボール! デジタルならではの長所も手伝って、遊ぶ程に発見が
▲リンゴが沢山落ちて来てポイントを稼げる「タリンゴの大樹」ステージ。
仲間が封印されてる石を壊すと実はここだけ、スライムとか鳥が仲間になる……(ドラクエ5的な、魔物を仲間にするモチーフ?)
ちなみに本式のピンボールでは「台揺らし」がテクの一つとして挙げられたりもしますが、さすがに今作はデジタル、そこは無いぞ
さて実は製品版を買って2・3回遊んだ段階で実はウワサの大ボスなんかは倒したりしちゃえるのだけど、ファンタジー舞台と言えど、RPGと違うのは、別にラスボスを倒したからと言って終わりではないのだ。
ボスなど意匠の一つにしか過ぎない。
30分も遊べば、未経験者からすれば「絶対こんなの運だろ」みたいに思えるフリッパー(跳ね返し用の2つのバー)の間に落ちる玉でさえ、狙った所へ弾けるように。
(いやもちろん、フリッパーの合間に落ちたら防げないのだけど、そもそもそこに落ちるようなプレイをするのが悪い、下手ということ)
そんな視座も見えてきて、そうなると全体……デジタルゲームですが『台』ですよね、
台全体を見渡し、ここに何があるだろう? と狙って投げ込み(打ち返してみて)、予想外の展開を迎えたそのドキドキ・楽しさというのはあって、
単に玉をビーンビーンと弾いて気持ちいい、という原始的な楽しさだけでなく、その一枚上、「これが噂に聞くピンボールの楽しさか……」と呟いたものだった。
▲最初のグリン草原とごく似ていながらも、禍々しい砦やフリッパーで逃した下にボーナスステージを備える、裏面的扱い(?)の、グリン草原・西に到達したぞ
そして実機のピンボールならば、そこに様々なギミックをこらしてここぞとばかり演出に凝るし、それが『台』としての評価なのだろうけど、本作はデジタルゲーム。
言うなら広さも無限、演出も可能性無限という事なのだ。
例えば体験版だとほぼ気付かないと思うけど、
実は奥へ・奥へとラスボスを目指すだけじゃなく、実は「左側」、横側にも台は広がっていて、その名も「グリン草原・西」へと抜ける道があり。
これがスタート位置(グリン草原・東)と似た見た目でありながら、微妙に左右逆になってるような構成、
見れば禍々しい毒気を放つ「魔壁の砦」、そしてフリッパーの下なんていう掟破りの位置にボーナスステージが。
一目で”うおお、とんでもない所へ来たのかこれは?”というのを悟る構成ですね。
▲樽とかに突っ込んでは破壊する村ボーナスステージ(勇者の所業を分かり易く伝えてるとも言える)
時折、鍵なども落とすようだが……?
他にも恐らく玉を一定以上の速度で弾き返した時のみ起きる、ボス×3体が突然襲う突発的な「魔物の強襲」ステージ、
ふらふらと頼りなく動き回ってる突風の中に玉を放り投げられた時のみ移行できる竜巻ステージ……。
(そしてピンボールの都合上、必ずしも狙いを定められる訳じゃなく、面白そうなそれらの機会を取り逃がし、「次こそは絶対その先を見たるっ」みたいな気分になる訳です……)
実機であれば様々な意趣・ギミックをこなすのがその『台』の評価となる、と既に述べましたが、
なるほどこれはデジタル上でないと起こせない条件であり別ステージ遷移、というのをやってくれて居たのです。
本作はUnity製で、実はノン・プログラマー……つまりグラフィックに偏った? スタッフ体制とも聞き及びましたが、
(……そんな経緯を聞くと、Unityにおけるインディーズゲーの見本的なプロジェクト例として、何かで表彰されても良いのでは、とかも思う……)
そんな風にして、つまり
「ピンボールの面白さとは、軽快な動作と、面白い演出である!」
と意気込んだ取り組みが、見事に噛み合っていたんじゃないかなぁ、と思わせるものでした。
(一応挙動にも言及しておくと、ピンボールとして多少強引さを感じる所はあるものの、きちんと納得の行くものでした。
逆にもし本チャンのプログラマーが在籍したなら、どこが変わっていたのか、とかも個人的な興味で知りたくもある……。最後に述べる欠点が変わったりもするのでしょうか?)
▲グリン草原・上空なんてステージも……?(結構レアだと思う)
元々アメリカが発祥であろうピンボール、
そこにJRPGでお馴染みのファンタジー満載な『台』が登場だ……というのが本作のメインコンセプトの一つでしょうが、
その真価に思いを馳せるなら、”演出の意味が(日本人には)とてもしっくり来る”という事でしょうか。
初期ステージとは配置が真逆みたいになってるグリン草原・西なら、思い浮かぶは、ゼルダの伝説とかの”裏世界”。
そこから行ける毒々しい魔壁の砦なんて、明らかに只ならぬ所へ来た、用心せねば、とプレイヤー側で物語の意味を汲み取ってしまうものです。
魔王の幹部であろう……ボス3体が襲って来る(そのうち一体はサキュバスみたいな女の子)
なんてのも、これがもし、アメリカ的なセンス、
宇宙船から飛び出してきたエイリアン3匹で1グループだったりしたら、
やっぱ今いち乗り切れないというか、このピンボール台の上での物語を感じにくかったのでは無いでしょうか。
ピンボールの遊びの本質は『見立て』? そして日本でマイナーな理由は……
そこで、髪をリーゼントに固め棘付きのジャケットを着たアメちゃんが場末の酒場で楽しんでそうな(完全に偏見)この遊戯の一端が分かった気がしたのは、
つまり玉を景気よく弾く原始的な楽しさに、僅かばかりの腕(でもそのテクニックは大半が共通していて、新規の台に入る際の敷居を低くするもので)
そしてだからこそ、台ごとの『個性』の違いを楽しめる……、言葉にすると何かチープでイヤですが、そういうものじゃないかなと。
例えば私も朧げに知っているものだとスターウォーズなんかの台があって、
なんでしょう、待機中はあのSF大宇宙なBGMが鳴り、また指定の所にぶつけるとR2-D2の機械音声みたいのが鳴ってボイボインと点数が増える、
みたいなギミックがあったかと思うんですが、
そうやって決められたルールでの「物語の見立て」を楽しむというか。
なるほど、本作のデザイナーに偏った体制と相性が良い筈だし、それはファンタジーというコンセプトなら、我々には殊更に感じられる筈だと……。
▲玉が一定スピード以上になってると? とつじょ発生する「魔物の強襲」。
他ではドット表現だけど、実はここだけ大きく表示できるからか、イラスト表示にしてたり、細かいんだよな……
それで思うのは、アメリカならスターウォーズですが、
もし日本がピンボール台を製造するなら、ドラゴンボール(フリーザ編)とか、北斗の拳とかどうでしょうと(*調べたら、実は北斗の拳のピンボールはある様子)
もうこういう題材を与えられるだけで、じゃあここの意匠はこうしよう(ドラゴンボールを集めた事を示す7つの点灯スイッチとか、秘孔炸裂のギミックとか……)
とかなんとか、想像が捗りますよね……。
あぁ、そういう楽しさだったのかぁ……という発見があったものです。
そしてフとここで、なぜピンボールが日本だとマイナーかという所に行き着いちゃうのですが、つまり日本では……「玉を弾いて、キャラの演出とかを楽しむ」別の遊戯がそこら中、どこにでもある訳で……、という事なんですね。
しかしもっぱらそれをプレイする人は、恐らくその遊戯的な側面よりも、”ギャンブル”としての魅力に惹かれているのだろう……と思うと、
手触りのある遊びという物が、何か痩せているよう、少し悲しくもある所です……。
(実際、ギミックとしてはピンボールの方が凝っているのでは? とか、果たして賭け要素無しでパチンコを何時間も遊べるだろうか、とか思う物ですが……)
短い時間で凄く楽しいけど、飽きやすかったり、ボリュームは欠点か
▲数々の難関を飛び越え、今、魔王が真の姿を現した! 巨大ボスに挑め!(*本作はピンボールです)
閑話休題。
さてそんなデジタルゲームならではのこだわりを見せた本作ですが、欠点と言えるのもそこで、「慣れちゃうと全然終わらない」んですね……。
死亡条件は従来の通り、フラッパーから玉を取り落とすこと……なんですが、なにしろステージが実機では有り得ないほど広い。
「奥の奥のステージで、更にボーナスステージに遷移してプレイ中」なんてことが頻繁に起きる本作では、どうしても死亡リスクってのが遠のきやすい(奥のステージで玉を取り落としても、前のステージに戻るだけ)
そうして長くプレイしてると、自機+1のアイテムも割と出る……というカジュアルさなので、もう慣れてくると、1プレイ45分とか余裕でプレイしていられます。
(ゲームセンターだったらブーイングものですね…)
モチロン、気を抜けばお宝一杯のボーナスステージから一転、初めのステージに戻されちゃうかも……といった構成にしているのも分かるんですが、
もともと100円突っ込んで5分遊べれば上等(ただし短期的には超楽しい)という感覚だったピンボールという遊び。
デジタルの力を借りて拡張したのなら、プレイ時間が長くなる事にも、もう少し解決が欲しかった所ではあるでしょうか。
(実績集めとかもありますが、集めてもステージ的な変化は無し、やがて目的が「まだ見ぬ演出」だけになるのも、やや飽きやすい所ではありますね……。
実績で玉(勇者)が変えられる様になるとか、プレイ回数に応じてスタート位置が変わる、くらいの大胆な事をしても良かったかも知れない……)
▲最高得点 実はここの楽しげなイラストも複数あるようだったり。
累計プレイは2時間、スコアは57万点、実績は12/16まで解放。
一つの台でボーナスステージ等を広げまくったのは確かに圧巻ではあるのですが、
中サイズの物を×3台、今日はどれで遊ぼうかな、となれるボリュームの持ち方の方が、より満足感を得やすかったかな、という気はしましたね…。
(魔王の幹部を司った3つの台で○点以上出すと、最後に魔王の台が解禁される、とか……?)
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