タスマリン洞窟の秘宝 (体験版)
2017/06/20予告時の感想です
盗賊のアジトに潜入RPG。スパイ活動を成功させるのだ
一見では『ルゴーム砦の脱出』ライクですが、これがきちんと作り込まれた感触を覗かせつつ、独自要素の展開もありでなかなか興味深いです。
ただその独自さがじわりと分かるのが大体プレイ1時間くらいから、体験版だとセーブデータ引き継ぎ不可……
という事もあり、割と見過ごされそうなので書いてみました。
(あと[イントルーダー]と同じ作者さんだと思うのですが、歴史的にはルゴーム砦より早い、このスパイ潜入作品の複雑になり過ぎたフラグを整えたのが今作……と考えると、色々と感慨深いなとも)
普段はシスター、しかしその裏では諜報を代々請け負ってきた家柄という主人公は、国から頼まれ、このところ勢力を増している盗賊のアジトへ潜入する事に。
その目的は一つに、国の一斉討伐に向けてアジトの内部構造を把握すること、
そして出来れば何故ここまで力を付けられたのか、そのからくりを暴いて欲しい、期間は(初期設定では)20日……! となっています。
という事でそこからの流れは、ルゴーム砦というより潜入という意味では[オーレクタ砂漠の魔術師]な訳ですが、
基本はたむろする盗賊たちから身を隠して避けつつ、ここの階段と扉が開いてるな、どちらから行くべきか……
なんて危険と先の見えなさと一本道でなさにドキドキを覚えつつ「ここは牢屋か」なんて少しずつ構造を把握・理解。
この先が重要地点ぽいが、特殊な鍵やアイテムがないと進めないようだ……という場所を嗅ぎ付けたら、見回りの盗賊の背後から一撃を加えて失神させ、所持品を漁るのがスマート。
しかしそんな芸当が出来るのも風景に溶け込む「ステルス中」だからこそで、この状態では一歩ごとにMPの現象著しく、いつでもそうはいかない。
通常状態ではすぐ見つかって尋問されるので、ここはエッチな誘惑で切り抜けたり、(一応、シスターに偽装しているので)言い訳してみたり、
常に複数の道・解決・スリルが提示されるなか、自分の判断で進むのが楽しい……という基本的な形はなかなかちゃんとしています。
武勲・NPCとの親密度・補給物資で更に奥深く……?
更に言うなら特定の人々に「親密度」設定があり。
これは例えば、現地で出会った他国のスパイに抱かれる事で(親密度アップ)情報交換ができる……といったもので、
そうした手練手管によって当然、生まれる情報量の差は「武勲」としてカウント、この値でED分岐もしそうなプレイ幅を出してたり、
武勲が上がれば褒賞金も貰える、すると金を使った新しい解決も可能に……といった仕様もあり。
あとは4日に一度、本国の補給隊との連絡が付いて、回復アイテムからサブ的な重要アイテムまで(例えば寄り道的な所を進める鈎付きロープ。頑張れば現地調達も出来るのですが、ここで埋め合わせする手も)
物資の補給を受けられるなど、ただの”ルゴームフォロワー”に留まらない、拡がりを感じられるのではないかと思います。
スリルよりフラグの楽しさかも? 根本で分かれるゲームデザイン
そしてここからは賛否ありそうな独自な所なのですが、
そもそも主人公は「盗賊のアジトに潜入したままサバイバル」する訳じゃなくて、実はいつでもワープ魔法で拠点に帰る事が可能。
物資補給こそ限定的ですが、減ったHP・MPなんかは宿舎でぐっすり寝れば全快(ただし日数には注意)。
そもそも先述してる「親密度」ですが、実はこの拠点の兵隊・隊長らにも存在、普通このテの潜入ものだと、現地で手に入れた”瑞々しいりんご”は貴重な回復アイテムだ……って所ですが、今作は帰って彼らにプレゼント(親密度アップ)という扱いだったりも。
そしてお誂え向きに拠点には入浴施設があり……、初めこそお風呂時間がかち合って焦っていたのが、親密度が一定を超えてからは「一緒に入りましょう」と混浴、
更に上の段階だとストレッチにかこつけて、乳や局所を触って来る……という、つまり段階エロを展開。
あと体験版の最後では、盗賊アジト内の一般の人々が働いてる現地村に辿り着き、接触を開始する……と、ここでも親密度と情報を得る為の対人エロが発生しそう。
すなわちここが根本で分かれてる所なのですが、
ルゴームシリーズの軸に”TRPGらしさ”があるのに対し、
こちらは”スパイ潜入”のエッセンスか、淫乱度や様々な値でフラグ管理・段階エロを発展させる為の潜入、となりそうな感触がありました。
こうした差の結果、例えば誰しも疑問に思うでしょうが
「えっ、潜入でドキドキって状況なのに、いつでも拠点にワープできちゃうの?」
って事なんですが、これがまさしくそうで、
例えば盗賊に見つかってしまって戦闘、これがかなり手ごわいので戦闘エロの果てにダウン、これは完全にレイプされてしまいます……という段階で”ワープで逃亡”するのが今作の主人公。
(体験版でも「この部屋だとワープが使えない」という場面があったり、多分のちのち普通に犯される状況も発生し得るとは思うのですが。
ここも淫乱度的な値の判定がありそう……?)
他にもヘアピンのピッキングはどうやら回数制限無いようだし、あとこれは細かいようで重要だと思うのですが、自分の行動が上手く行くかのサイコロチェックもなし。
危機的な状況で行動が上手く行くかは、道中少しずつ蓄えていた「運」値をここぞと消費できるか……といった、スリルというよりフラグ条件を満たせるか式ですね。
なので言ってしまえば、色々刺激的な状況を漂わせつつも、結局はお膳立てが整わないと行く所までは行けない……みたいな感覚がやや気になったのも事実。
盗賊に負けて拉致監禁、いきなり全然違うアジトのど真ん中から再スタートする……みたいな、計画が一気に変わって慌てる所は無い訳です。
拠点とアジトの往復なので、どうしても同じ場所を言ったり来たりするとか、テキストも瞬間表示して欲しい所が諸々あったり、細かいテンポのもたつきもあって、
ゲーム開始時の印象でルゴーム砦を期待しちゃうと、その差に躓いてしまうかなと。
ただ作り込んであるのも事実、腰を据えてプレイするほど、行動の自由とフラグによる物語の達成感というか、このゲーム独自の部分がじわじわ魅力的になってくる……。(なので体験版とは少し相性悪い?)
これはこれで面白い、そんな作品かなと感じてます。
ディスカッション
コメント一覧
イントルーダーと同じ作者様だとすると…あそこの過去作はいくつか遊びましたが、誤字脱字が多くてちょっと萎えちゃったりたまにフラグ管理のおかしな所が有ったりなど、微妙に惜しさがあるイメージが。
女の子のイラストは可愛らしいですしシチュエーションはけっこう好きなものが多いのですが、それが故に前記の欠点がどうにももどかしかったり…。
と言うかこの手のアニメ塗りって個人的には大好物なのですが、技術が必要なのかセンスが必要なのか手間がかかるのか、理由は分かりませんがあまり見かけないですよね…もっと流行ってほしいなあ。
今回は他の作品から学んで、フラグ管理しやすい造りにしてある…と感じました。
(それでも探索進行×親密度の管理は、後にいくほど大変そうですが…)
文章のノリ的になんだかちょっと面白い所ありますが、誤字はそれ程多くなかったので、
もしかしたら制作は別の人なのかな…?
何て表現したらいいか分かりませんが、こういうアニメな感じ、ほとんど見掛けませんよねー。
横からですけど、体験版の時点で「あっ…」と思うほどフラグ管理はガバガバですよ。
盗賊Aをステルスで始末したら盗賊Bをもう始末した事になっていて襲えないとか
(両方から鍵を入手しないと先に進めないにも関わらず!)
何より戦闘中エロが惜し過ぎる出来で、戦闘中はエロ攻撃ではなく拘束攻撃をして来て拘束が完了したら凌辱モードに移行するってのは素晴らしい案だったと思うんですが
完璧に緊縛されてても簡単に脱出できてしまうのでこちらが全面的に協力しても最後までヤられるのは不可能に近いという有様。
何度もやり直して大変な不運に恵まれて脱出に失敗し続ける事に成功しても、緊縛され、縄が食い込み、男性器を捻じ込まれた先に待っているのは
「盗賊の攻撃!マリーは118のダメージを受けた!マリーは倒れた!」→REMOVEによる離脱
(凌辱中にエロ攻撃をして来るか通常攻撃をして来るかはランダムであるため)
体験版始めて数分の時点では物凄く期待しただけに、深い溜息を吐くしかありませんでした。
ただ作者さんがバグ修正に迅速に対応してるようなので、完成版でまともになってるかもという期待は捨てられません
幹の部分は素晴らしいのに痒い所に手の届かない残念な出来のままなのか、化けているのか。こちらの製品版レビューに注目したいですね(チラッチラッ
> 盗賊Aをステルスで始末したら盗賊Bをもう始末した事になっていて
そうでしたかー、道中、「ん?」と思う細かい所はありましたが、幸運にもそこには遭遇しなかったので見落としてました。
どんどん複雑化していきそうな本編では、どうなりますかね…
> 何より戦闘中エロが惜し過ぎる出来で、
ここですよねー。正直なところ探索に直接関係しなさそうなエロで、その発生しにくさから、予告記事ではオマケみたいな扱いにしました。
でもここも結構、エロボリューム取ると思うんですよね…、どうするつもりだろ…。
> こちらの製品版レビューに注目したいですね(チラッチラッ
う…見透かされてる! 「興味深いけど、予告で知った気になって済ませちゃいたい…」という怠惰な気持ちを!
製品版をプレイさせて頂くかは…、まあその時の忙しさ次第、という事でひとつ…。
案の定バグというかフラグミス乱発でした。
どれがバグでどれが仕様なのかわからないから報告のしようもないという・・・
ううむ…、フラグ修正待ち…が賢いのでしょうかね。
面白そうなゲームなんですが。
ホップビールが名前変えてゲーム作ってるサークルなだけあってデバッグしないで販売するからバグだらけ。未だに無限ステルスとか出来ちゃうしもう無茶苦茶。プレイしてると疲れてくる。
バグで変な挙動すると、けっこー萎えますよね…。
2回修正入ったみたいですが、たぶんまだ直ってないよなぁ…と外野から見ております…!
イントルーダーとかもまあ、そんな感じでしたし…、試みは面白そうなんですけどね…。
エロイベント回収まともにできませんよこれ・・
条件満たしてるのにひとつまえの段階エロしか見れなかったりとか・・
フラグ管理めちゃくちゃですね・・
まぁ案の定、でしたか…
丁寧に管理ミスを潰していけば、なかなかの傑作になりそうな予感もあるんですけどね…。