蛾の産卵期~最後の村~ (製品版)

SLG,R18製品版の感想

施設の建て増し、そして村を襲う巨大女……?

ハイ『体験版の無い、気になるゲームをやってみよう』枠です(いま名付けた)
今回は[蛾の産卵期~最後の村~]。

なにやら「自由な建築」を謳ったSLGライクなサンプル画像に、これは[BLACK-MARKET]のように隣接する区画を建て増していくタイプか? と期待。
私もTHE タワーライクまとめみたいなDLチャンネルの記事を作成している事ですし、大いにそそられました……。
……しかも注目なのは他のサンプル画、
THE タワーの名の通り、この手のゲームは高く高く(あるいは横に横に)建築していくのが壮観でありやり甲斐な訳ですが、まるでその建物をあざ笑うかのように、大型の女性ボスが襲来する……!? これですよ。
それに不吉なこのタイトル……。
既存のジャンルをなぞりながらも、逆手に取るような脱構築感に軽く痺れるものを覚え、こういうのはやってみたいと。
レッツプレイでございます。

横視点RTS。
毎夜さらわれる村人たち、その末路は……

で、遊んだ結論から言うとTHEタワー型というより、「横視点のRTS」というべきものでした。
そもそも区画ごとに建物を増築する、ああいうのではない。
画面上部に並んだ豚小屋や井戸、風車(風力発電)なんていう建物アイコンをクリックで選び、資材が足りてれば、どこでも場所指定してトテカントテカン。
あまつさえ建築位置を上空に指定、すると物理演算に従い、落下した建物が建物の上に乗ったりして面白い……なんて光景も見られるのでした。

なにしろ作品ページにほぼ説明が無い、そもそも付属readme自体が無いってくらいなんで、そのストーリー背景もルールも、(まぁこの手のゲームに相応しく)プレイしながら把握していくのが肝みたいな所がありますが、
どうやら画面上ではセクシーなふわふわ下着を纏ったお姉さんに見えますが、人類は今、この巨大蛾たちの大量繁殖に絶滅寸前まで追い込まれており、プレイヤーが操作する事になる村も、残り人数4人という所からスタート。

昼間は安全ですので、住まいらしき家をクリックすると村人が飛び出して随意に歩き出し、豚小屋の世話をして肉ゲット、なんか蔓的なものに向き合っていたかと思いきや植物ゲット、などなど資源を集めていく様子が見られます。(*ちなみにネタバレですが、クリアするのにほぼこれら肉・植物資源は必要無し)

だが毎晩夜になると、空中から「奴ら」が現れ、村人はがっしと掴まれ、巣穴に連れ去られてしまう。
夜中の作業は危険だと家に籠もらせても、奴らはそれを不満に思ってか建物にガシガシぶつかって耐久度を削ってくる……

やがて分かるのは、哀れな犠牲者を別画面で確認できること(*本作唯一のエロシーン)
連れ去られた犠牲者は逆レで中出しを迫られ、そして次の夜に襲来していくる巨大蛾もどんどん増えていく事に……。

そこで防衛設備の必要を感じ、村の近くにある採石場や木材が採れる林などの意味も分かって来る。
これらの物資を集め、「矢台(蛾が近付くと弓矢を放つ)」、「灯台(誘蛾灯のように奴らを吸い付け、電流バチバチ)」などを建築して迎撃準備を整えられるか、と。

ここまでで「ようやっと分かって来た」ってレベルですが(*既に為す術無く一周目が終わってたりする)
そこで改めて震えるのは、当初から「ボス襲来まで5日」と文字が刻まれてること。
そう、本作は毎夜繰り返す蛾の襲撃にも負けず、来るべきその日に向かって本格的な防衛体制を構築するゲーム。
もし5日の間に充分な撃退装置を用意できないと、その時訪れるのは……絶望……蹂躙……といった有様。

そんな、左右の画面スクロールのみZCキー(キーボード)、あとはアイコンクリックのマウスのみで進めていくリアルタイム型のSLG(横視点RTS)なのでした。

3周くらい挑んでクリアしましたが(大体プレイ1時間30分くらい)、
最初こそ「なんぞこれ?」だったものの、まぁ慣れて来ると『最低限の物資調達のRTSの勘所を抑えた作品かな』と感じました。
説明不足な所もありますが、プレイのコツ(クセ)を掴む度に、じんわりと面白くなって来る。

具体的にはリアルタイムSLGとして「放置で見ていれば良い所と、ちょっと手を掛けなきゃいけないところ」の塩梅がなかなか絶妙かな。

攻略。襲撃にそなえ、防衛施設を建築せよ! 反撃の時だ!

家から飛び出した村人は自動で素材採取を開始しますが、このアルゴリズムがなかなか謎に満ちており、「住居から出撃すると、画面左に向かって進む」が基本行動。
防衛の要になる施設には石が多く必要なんですが、採石場は画面から向かって右側にある、という一癖ある設計。

そこでアイコンから「←→矢印の看板」を発見。
(特に説明されていませんが)これを設置することで上手く誘導してやる、あるいは移動スピードを後押ししてやる、というハックを覚えるのでした。

また基本的な事として、何もしないと不眠不休で動き続ける村人たち。
スタミナバーが減ると動きもガクンと遅くなるので、適度に家収容ボタンをONにしなきゃいけない。
スタミナは1秒でも家に収容したら全快するので、即座にキャッチ&リリースみたいな事に。
自分のやった操作で露骨に資源獲得量も増える……。

そうして時間経過。
夜は危険で、家に籠もり蛾から姿を隠すべし……というのが基本方針ですが、でも、夜も働けたら資源獲得量が倍増するのは目に見えている。
防衛施設を上手く運用すれば、蛾も襲ってこれないのでは……? というのが仮説として浮かび上がる。
やってみた所、まず蛾がなかなか防衛施設に近付こうとしないし、なにより「電気消費量」がかなり大きく、せっかく蓄えた資源=電力があっという間に0に。
防衛施設は事実上のダウン。
隙だらけになった村人がさらわれまくってしまう……というのは、誰しも一度は経験する事でしょう。

そこで電気生産量が少ないのがアカンねんとばかり、脳筋プレイ。
鬼ほど(画面のレイアウトが許すほど)風車を建ててみたり、その為に木材を獲得しまくってみたり。
あとそもそも、ボス以外は「高圧電流ポット(爆弾のように蛾目掛けて投下する)」をヒットさせると、かなり低コストで倒せるじゃないかと……

やがて蛾を倒すと捕まっていた村人を救出でき、最終の5日目を迎えるまでに我が村は15人くらいの大所帯になっていたり。

……といった発見(&ハック)の連続、資源獲得ペースがどんどん倍加していくポイントが幾つか設けられてるように見受けられました。
あわあわしていた一周目は見るも無惨な敗北でしたが、コツを掴めば「順調! 順調!」というのが見た目で(出来ていく建築物で)分かる。
楽しいよね、資源RTS……。

三周目にはこれ以上ないほどの防衛施設村を作り上げ、蛾クイーンが登場するや矢射まくり、無尽蔵の電力で放電浴びせまくり、となったのです。
(”なぜ世界がこうなったか”を悟らせる、「卵を産みまくる巨大蛾」という特殊演出&攻撃もあって驚きましたが、正直それをあんまり堪能する暇もなく撃退……!)

細かい所で気になる所はあるものの、おおむねコツを掴めば面白い(エロシーンは1つのみ)

まぁ細かく言えば、

・建築をキャンセルするボタンを押すと(ボタンが小さいからか)ステージ上のクリックも反応、そこに新しい建物が建っちゃう
とか、
・水やら肉やら資源は色々あるものの、そもそも初めからある設備で事足りるし、使い所も無くてほとんど空気
村人が毎晩さらわれ、蛾がどんどん増えていく恐怖感はなかなかコンセプチュアルだけど、そうなったらほぼ挽回不能で、逆に上手いプレイを心掛けるとそういう事は一切起きないバランス(やや極端か)

とか色々ありますが、総じて成る程ちょっと楽しかったかな、というのがありました。

現在☆評価は4.00ですが、まぁエロシーンらしいエロシーンが殆ど無いからで……。
むしろSteam辺りの、ゲーム性重視のエロゲ? みたいなタッチと捉えるべきかなと。

DLsiteの基準で言うと、むしろエロシーンが1つだけなのに4.00ってのは案外高いのかな、と。
実際ゲームとして規模も小さいですが、コンセプトは魅力的。
なるほど、こういう一作だったのね……。

サークルさん過去作(ゲーム):
[立ちんぽ女の受精記録]

[進撃の怪獣娘]

関連:
こういう感じはあるよね:
[ボクの領地がかつて魔女たちが住んでいた島…だと!? V1.1]

[紫森リチュアル]

SRPGだけど遊んでみたらなかなかやるぞ……感、
[女子高生たちのエッチな大戦略]

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