今週のまとめvol.38 “女主人公モノ”の歴史

今週の作品まとめ

(ブログに書かなかったけど)気になった作品

全部、体験版触った程度ですが。
[りとる すうぃーてぃー]
100円で遊べるリアルタイム3DACT!
体験版ではえろい所は見られぬものの、やはり気になる…(3Dを活かして、力尽きてからの集団陵辱とかされて欲しいよね…)
世はまさにリアルタイム3D時代、これは確かに"遊んでおくか"って感じになるかも。
オンラインRPGぽいUIと情報量の多さは、初めギョッとするかも(慣れたらそんなに使わない気が…)
過去作から一気にモデルの造形も変えてたり、作者さん的にも手探りだと思うので、売れたら続編出そう? 製品版の感想書いたよ
[ラブホマリ〜新世紀R18〜]
まあヨガチカ系。[エロマンダー〜コックピットの中にまで入ってきてレイプするエロシュー!〜]をややパワーアップ、一歩進んで半歩下がった感じ。
ヨガチカはバカになるのを恐れないので、案外たまに良いアイデアが出るのと、
複数のライン制作で、思いついたことをすぐ形にしやすい状況にあると思う。正直、羨ましい。
(その体制をどう支えているのか謎だが…)
言いつつ今回も、"お尻後方ミサイル"とか"オナラターボ"とか、抑え切れないアレゲな感じが…
(新しいアイデアで勝負したい時は、既にある作品よりもずっと洗練しなければ、理解されない…)
前から言ってるけど、エロSTG特有のポイントがあるとすれば、それは"強制スクロール"だと思う。
例えば女主人公の横エロACTでも、現状は敵に接触したらおもむろに犯されモーションへ移動、ゲームテンポが止まるけど、
STGなら"犯されながら、負けずに進む(ズボズボされながらも進む)"が表現できるってこと。
[倒忍伝 〜淫界のくノ一〜]も似ていて、独特の面白さとエロさがあるし、そして実は[WITCH GIRL]のゲーム性もかなりSTGに近くて、輪姦重視。
複数の敵キャラに輪姦されながら、なんとかふり払いつつゴールを目指す…
その可能性は十分あると思うんですよね…。
[聖ルーシア学園☆盗撮日記]
過去作見るに絵描ける人が、なぜ素材絵を…と思ったけど、"学園の子全員、誰でも、あんな場所でも盗撮!(90キャラ)"にこだわったからなのね…。
その意気、妄想のストレートさや良し。
透明人間になって潜入とか、ボタン一つで着衣が透ける赤外線撮影とか、抑えきれないリピドーを感じる。
素材絵と侮ってたら、実際に盗撮した時のローアングルの肉付き…には不覚にもグッと。
パンツからちょっと見えてる、当て布みたいのって何?
生理用ナプキン?? とか考えると…興奮が煽られるよね…

DL同人講義

今回は今までのエロRPGの歴史について。
年表をがっちり調べた訳ではないので、突っ込み歓迎。
(こういう風に、そろそろDL同人エロゲの歴史の編纂みたいな事をした方が良いんじゃないですかね…。
wikiとかが良いかも知れないけど、とりあえず自分はこの音声をまとめる、ちょっと工夫したwebサイトを作ってます…)
まぁ歴史を後から見た時に、こうなったからこう変わった、って白黒ハッキリ付けた因果関係にしがちだけど、実際にはもっと多様な要素が混じりあって、ゆっくり変わっていく…って曖昧さを、こじつけてる所があるかも。

“女主人公モノ"の歴史


2014年現在では"(エロRPGで)女主人モノ"と言ったら、淫乱度や中出し回数みたいな計測があって、装備を脱ぐと全裸に、その状態で町人に話したりするとエロ…
といった物を思い浮かべるだろう。
だがもちろん、そこに至るまでには数々の変遷があった。
エロRPGのごく初期(2010年前後)にはそもそも、RPG=主人公に感情移入して楽しむもの、という既成概念があり、
そこに女主人公キャラ…となると、"犯される方に感情移入するってこと? 何、ゲイなの?"みたいな風潮さえあった。
しかし一般RPGでも、例えばドラクエ4で女主人公を選択して、
“あのシチュは冷静に考えるとえろいよな…""あそこでああなったんじゃないかな…"
と人々は、妄想を逞しくしていたのである。
まさにこの一点。妄想を形にする、というのがエロRPGに限らずエロゲの根幹であって、歴史を俯瞰すれば、
その時々の常識(既成概念)やツールの制限に迂回させられながら、最終的にはそこに向かおうと試行錯誤していく、と言って良い。
(そして妄想が叶えられる頃には、新しい妄想が出てるのだろう…)
そして実際にゲームが形になる時には、恐らく想像するよりもずっと、ツールの仕様が影響を及ぼしている。
かように常識に縛られず、エロゲの本質…自らのエロ妄想に従って走った人々から、やがて"敗北エロ"が生まれた。
普通に考えて(?)女主人公がモンスターに負けたら、その場で犯されるだろ! と。
ツール的にも、戦闘の勝敗条件というのはとてもやり易かったのだ。
(逆に、"一度に負けずに勝っても、敗北エロシーンを回収できる"という利便性には数年を待たなければいけなかった。
ツール上で勝敗が分かれてるからこそ、"勝っても集まる"という事に辿り着きにくかった)
積もり積もった妄想はもちろん、敗北エロだけに収まるものでは無かった。
美少女なんだから当然(?)"ゲスな男に罠にはまられ、弄ばれる""交換条件でカラダを要求される"とかあるだろ…! と。
かくてこれらは敗北エロと合わせ、ストーリー進行上でそういったエロが待ち受ける…という形で実装されていく。
女性キャラが弄ばれる敗北エロといった所がひとまず叶えられると、違う方向性の妄想を試すものが現れた。
これは"女の子らしい秘め事をさせられる"事に興奮を覚えるものである。
お人形の着せ替えに近いかも知れない。
かくて、トイレやオナニー…そして衣服の着せ替えが生まれた。
特に着せ替えは、"全ての装備品を外す=服を脱ぐ"というツール上の仕様を利用して、動的に(コマンドとして)組み込まれていく。
これはごくシンプルで、強力なアイデアの発露であった。
“ならイベントだけじゃなく、街中でも脱げるようにしては""全裸状態で話しかけたら、当然それなりのイベントが起きるよね?"
という妄想が改善を導いていく。
そうしてストーリー進行上だけでなく、"好きにキャラを動かして、イベントを見る"というタイプが浮上していく。
だがそこにも、違和感を抱くものがいた。
“いや、(お人形としてじゃなく、女性主人公の視点で考えたら)いきなり街中で全裸になるやつはおらんでしょ… それなりに、何かされた後じゃないと…"
同時期、敗北エロは"中出しされた回数"を計測し、ステータス画面に表示してる作品があった。
じゃあ同様に"犯された回数"や"Hされた回数"を条件にしてはどうだろう…と、かくて現在の<淫乱度>の存在へと変化していく。
もっとも初めの頃は、回数を測定すると言っても、フラグ代わりに使っている作品が多かった。
エロイベントを一つ見ると淫乱度が10アップ、次のエロイベントの出現条件は淫乱度が10の時…なので、ほとんど数値表示も雰囲気だけという。
その事にもやはり違和感、不満を持つものが居て、
“自宅でオナニーばかりして、処女のままドスケベになる子が居ても良いじゃん!"と。
かくして同じエロを何回見ても淫乱度アップ、エロイベントの順番が固定されない…(自宅オナニーで既に淫乱度100にして、淫乱度条件40より先に、70のエロイベントを見るかも)という改善をされる。
そうなるとまたも不満。
“感じまくるエロイベントの後に、うぶなイベントが発生するのはおかしい!"と。
こうして淫乱度を反映して、エロイベント差分…と変わっていく。
…この"更なる妄想""不満の改善"が連なり、一つの脈々とした歴史を作る…というのもまた、DL同人エロゲの顕著な所だと思う。
2010年をエロRPGの初期と置いたが、今は2014年。
ここに来るまで、実に4年しか経っていないのだ。
果たして商業エロRPGで、ここまでノウハウが爆発的に重なっただろうか?
2014年近年の話に入る。
最近では、淫乱度という計測はややナリを潜め、例えば"アイドルランク"・本人の意志とは無関係に周囲を誘惑してしまうフェロモン値(本人自体はスケベではない訳だ)といった違う指標、
あるいは、サド度・マゾ度、淫乱度と"発情状態"を分ける…
という複数の数値で、それぞれのエロさ・フェチズムを表現する作品などが見受けられる。
だいいち淫乱度というのも大雑把で、いくらビッチでもフェラ度が高くて、パイズリ度が低い子も居るかも知れないし。
寝取られという嗜好なら、旦那への愛と、本人の性感度という二大軸で、揺れる気持ちとそれに反し感じてしまう、を表現できる…といった塩梅。
更に面白いのは、計測する値が女性キャラだけに留まらず、町のモラリティだとか、主人公への噂度…といった外部の数値にも広がっていたり。
性に厳格な町から、いつの間にか公開セックスOKな街となり、主人公もエロへ…もしくは襲われる…といった可能性が見える。
(*ただ淫乱度というスキームもやはり偉大で、変わらずそこをやる作品もあるだろう。
特に絵が上手い作品なら、そこだけやってればイケる感もあるし…
なので自ら"絵のハンデがある"と自覚する人ほど、こういった歴史を汲み取った、発展的な作品を作る傾向にあるかも)
もう一つ、数値計測+町中でのエロコマンドという所に気付いた時もまだ、一般RPGの常識に縛られていた所がある。
それは"戦闘"というものだ(町で売春したお金で武器を買い、ダンジョンへ潜る…という構図だった)
ここに来て"ツクールのデフォ戦闘に飽き始めて来た"事もあり、"そもそもエロRPGなのに、エロ要素の無い戦闘って要るか?"という疑問が、戦闘要素の無いRPG=ほぼ見下ろし視点のADV…という作品へ駒を進ませている。
(そもそもの端緒が、敗北エロ="戦闘で"、負けたら犯される…から始まったこの界隈を想えば、"遠くへ来たものだ"という感慨が深い)
プレイヤーが自力で数値変化させた所を、絵や音を使い褒めてやるというのは、ゲームの根本たるものだ。
ドラクエで、レベルアップ時に祝福される。ザコ敵を一撃で倒せるようになって、強くなった事を実感する。
ARPGで、強そうな武器を買ったら主人公の見た目も変わって欲しい。
その武器で攻撃したら、敵がより遠くへブッ飛ぶようになって欲しい。
そう考えると、淫乱度が上がりエロイベントが増す…というのは、一般のRPGからごく離れたようでありながら、その根本は繋がっており…エロRPGという、新しいジャンルの位置を考えさせられる。