作者さんより「特にひいきせず、素直に批評して下さい」と製品版を頂けましたので、私自身も確かに少し気になっていた作品でもあり、さっそく書いてみたいと思います。

一度快楽堕ちしたバトルヒロインのエロRPG……と捉えると悪くない


まず一見するとこの作品、表紙からしてかなり目を惹くクオリティ。
対魔忍二次創作でもあり、これは大売れ間違いなし……となってもおかしくなさそう。

しかし実際のところ、良く観察してみると
微妙に細かい所がぎこちなく見えたり、説明文・サンプル画像でいかにも中身が薄そうに思えたり、
試しに体験版やってみた勢も、OPで
「あれ? なんか……思ってた重厚さと違うかも……」となる、
あるいはサークルの対魔忍RPGとしては3作目ですが、過去シリーズもそう爆発的に売れてない事から、
”絵だけキレイで中身がスカスカ”な作品も多いこの界隈、何か怪しまれて、敬遠されてるのでは無いかなと思います。
(あと詳しい人は作者さんの初RPG[監獄街のマナ]のカオスさが記憶に焼き付いてるでしょうか……。個人的にはコレくらい斜め上だと、むしろ珍重したくなるのですが)

絶頂に耐えるさくら 絶頂に耐えるアサギ
▲OPからお馴染みの快楽3000倍を強調、道中もムラムラが抑えられなくなっては再び快楽に沈んでいく二人です

自分もはっきり同じ先入観を持ってたのですが、これがプレイしてみると割と「悪くない」。
(抜きん出て良い訳でもないので、胸を張ってイチオシとは言えない所ですが……)

まず今作を楽しむ為の一大テーマを掲げておくと、これは『一度堕ちたバトルヒロインが、蘇る快楽に身を焦がしながらも進むエロRPG』です。
元々、原作からしてそんな感じではありますが、ことこれをエロRPGとして考えてみると、[風紀剣士アサギ]が少し匂わせたりしますが、あくまで設定のみ、
意外に、冒頭できちっと堕とされた過去が語られ、(お馴染みの)感度3000倍や、ふとした刺激ですぐ快楽地獄が蘇り、意志が折れてしまいアヘってしまう……とまで手を掛けた作品は、そうそう無かったのではないかと思います。
色々ありますが、ここだけは終始徹底していました。

シャッキリポン1 シャッキリポン2
▲しかし同時に「ただ美味しい料理を食べただけ」でも使われてしまうアヘ顔

もちろん上記の展開は、例えばシリアスの方がギャップがあり興奮する気もするけど、微妙にふざけたノリだったり(過去シリーズからすると、これでも抑えめになってる気がしますが)
場合によっては突然アヘってギャグぽく見える、といった欠点もあるのですが……。
(あと自分も原作は一作目しかやってないので怪しいですが、どうも「アサギ……かなあ」という感じがするのも事実(これは二次創作の難しさだと思うので、最後に書きます))

過去作から、実用度が増してるエロシーン。意外に繊細な地の文、そして向上してるエロスチル


さくらオナニー1 さくらオナニー2 さくらオナニー3
▲一人で弄っても身体の疼きが止められず、例の退魔スーツも汗で透け……、良い差分。(関係ないけど、一瞬だけ切り替え前の画像が表示されたりするので、読み込みや切り替え方式を考えた方が良いかも……)

ただそれも、Hシーンを見てる内に「これはこれで良しか」と納得させる力がありました。
つまり”いったんエロに陥るや、ここまで淫乱になるのか”という状況をギャグと捉えるか、それともエロとして興奮できるか……で分かれるでしょうが、
例えば地の文、アサギ達が変態淫乱化したセリフを吐くので、逆に冷静なこのナレーションこそが重要ですが、
ここできっちり
「完全に発情し切ってるのに、一人遊びでは絶頂したくても絶頂できないカラダ」
「イクまでの異常な昂ぶり」
を、あるいはかつて自分を調教し、隙を突いて倒した巨魁・ウェヌスを思い出し
「憎い相手をブチ殺せた勝ち誇る気持ちと、同時にその強敵が身体に残した、快楽調教への恋しさ」
という心情を語るなんて、雑な初印象からは意外なほど、きめ細かい仕事ぶりでした。

一つのシーンで、スチルを立て続けに使って盛り上げる事も度々あり、また実は、絵の質も過去作から少しずつ向上しているように感じました。
(無理やり合成したような粗さが気にならず、素直にキレイだな、上手だな、と思えるカットが多かった)

今までは正直、色々と気を惹かれつつも最終的には「しょうもないエロ」という印象が勝っていたのに対し、
今回は十分に「実用的」「使えるエロ」になっていると思いました。

レズ1 レズ2
▲……結局、二人してレズり合うことに。好きなシーン。全部がこのくらいの出来だったら素晴らしかったんですが、エロシーンの長さはまちまちかな……(全体に3,4割くらい短いのが)

個人的に良いですね、と開眼したのは2つめのエロ……淫乱発情したアサギとさくらのレズからですので、体験版では是非ここまで含んで欲しかったなあ……という想いがあります。
(*実は体験版と製品版では展開が違う。
体験版だとすぐに街の潜入に辿り着きますが、製品版だとその間にエロあり)

洗脳された後もしばらく続くストーリー。ほぼ一本道ADVではありますが、光る所あり


ヨミハラ全体マップ
▲街にようやく辿り着き、全体の施設を把握。なし崩しにこれらを経験する事になります……(コロシアムだけイベント無かったような)

体験版範囲だと「いったい悪魔の街に潜入した対魔忍が、どんなエロい事をするんだ」
と期待が昂る所で中断されていますが、ここはまぁ、割と行き当たりばったりに話が進み、
「要人と接触する為に、高級BARに入る必要があるみたい」
「高級BARに入りたかったら、俺様に奉仕しな(エロ)」
「エロを終えて建物から出たら、突然なにか騒ぎが起きてるので行ってみる(NPC小エロ)」
「騒ぎに巻き込まれて莫大な賠償を請求されて、なぜかストリップで返済することに(エロ)」
とシーンが展開、要は巻き込まれたり、発情して流されたりで遠回り、いつの間にか悪魔の街のエロ施設を一つ一つ辿るのでした……という感じ。

街娼婦会話 街BAR会話
▲街を歩き、BARにて聞き込み……。かつて敗北調教された悪魔の街に再び潜入…という事なので、かつての痴態を噂するモブもいたり。こういう所、もっとあって良かったか

いわゆるミニRPG的な、数々のエロイベントから任意に選べて、何回かこなすうちに値が蓄積、反応変化……みたいな事は無いです。
(淫乱度変化させようにも、既に感度3000倍のド変態ですしな……。
発情を抑える薬が限られていて、選択肢の度にどんどん減っていく……とかは出来たかも知れませんが)

戦闘も少しありますが空気ですし、言わば決められたルートを辿る”ほぼ一本道のADV”に類するのですが、
ただこの枠の中で面白い見せ場を作ろうというのはあって、
「(いかにも二次創作的に嬉しい)朧クローンとのボス戦闘」
「本体朧にトドメを刺すべく、ビルの屋上から高速で落下しつつ戦う」
みたいなキメシーンをやってみたり、あとエロとしても
「バックから挿入されたメス犬ポーズで、目的地まで歩く」
といったキー操作を取り込む所も一部あったり。

結婚式
▲これから洗脳が始まる……

そして「一度堕ちたヒロインの潜入劇」が序盤〜中盤までの楽しみなら、
終盤で迎えるもう一つの山が「エロのハード化」で、具体的には敵が女性を洗脳・記憶改竄している組織であると発覚していきます。

そこで行われるのがズバリ「主人公たちが洗脳された状況で繰り広げる、変態ストーリーがしばらく続く(バッドENDではなく、これが正規ルート)」で、これはかなり珍しく、ウリになる所ではないかと。
(もちろんそのままだと終わっちゃうんで、とある解決が図られます……、
ここが唯一、過去シリーズとの絡みになるでしょうが、自分は知らなくてもほぼ問題なしでした。
正直侮ってただけに、この辺りはちょっと驚きました。

実はここ、体験版でも『プレイヤーキャラがチェンジすることもある』という形で匂わせてるんですが、本編プレイしてないとそもそも意味してた事に気付かなかったり。
やはり体験版範囲で、さくらのみ動かす状況でのアサギエロとかが必要だったかなと……)


クリアまで3.5時間。
Hシーンは回想によれば35でした。
(基本CG56枚はさすがに立ち絵も含んだ数ぽいかな……?)

アドバイス……的な


さて「批評して下さい」との事で、どうすれば良かったか……を考えるのですが、難しい所です。
例えば”ゲームとしてもっと面白くしたい”のであれば、定石はあるので、まあ一般的なゲームデザインの本とかを読んで納得行くまで作れば次第に面白いゲームにはなっていくのでしょうが、
ことエロRPGだと、面白いゲーム=必ずしも売れるとは限らないで、コストに見合わない可能性も高い。

朧マネージャー アサギ歌手
▲謎のマネージャーの格好をした宿敵・朧に促され、そのまま歌手&オナニーショーな事態とか……

”もっと売れたい”という事であるなら、これはそもそも他の作品との競争もあるので、人気サークルでも無い限り勝負は水もの、
そして大体その場合になされるアドバイスは「売れてるゲームと同じような、あれとかそれをしろ」になりがちで、これまた高い壁。
(例えば上の感想では盛んに「エロシーン(いわゆるノベルタイプで綴るエロ。スチルと文章のみで進む)」と
「エロイベント(RPGの流れの中で、エロがある。移動しながらの立ち絵エロ・戦闘中エロなど)」を分けて書いてるのですが、
これはエロシーンがADVでも出来るのに対し、エロイベントはエロRPG固有のもので、まだ競争として有利に立てる、市場的にトレンドだから……と言えます)

結局はいち感想書きの批評より、購入してプレイして下さっているユーザーの声を聞いた方が、それがそのまま支持してくれるファン層にもなり、定量的に正しい方へ行く、とも思います。
ニッチかメジャーか、求められる道に適したやり方も見えてくるのではないかなと。
(ただあくまで正しいのは”定量的に”で、声のデカイ1ユーザーに振り回されたりもしますが……)

朧戦 ウェヌス戦
▲ボス戦はなかなか燃えますが、戦闘としては基本、スキルの強さがちぐはぐ・戦略性薄い・強くなる要素がLvアップ以外無いとかであんまり……(少しだけあるダンジョンのザコ戦闘が退屈)

その上で言えるとすれば
「削れる欠点は削って」
「良いと思えるポイントを増やす」
が基本方針かなぁとは思って(”ゲームとして面白い”はこの良ポイントの一つに過ぎない)
例えば本作、本当にアサギの二次創作RPGやりたいなーという人に届いているだろうか……? という疑問はあったり。
(そういう意味では、DL販売より即売会とかの方が売れ行き良さそう?)

あやふやな話になりますが、個人的には同じ対魔忍でも[街の檻 〜洗脳され嬲られる対魔忍〜]の方が初見では「ソソられる」感じがして、結局アサギって、男の視点でブチ犯してぇというのが大事なキャラじゃないかな……とか思ったり、
原作がADVの、女主人公RPGとしてはもっと内面描写も必要だったか……? とか。
(RPGの二次創作表現、余り煮詰められなくて申し訳ないんですが……。
本作で言うと終盤一つだけ、朧が後ろ向いてる時に話し掛けると「さすがに舐めすぎ」で斬り殺されるカットインが入るんですが、何かそこが妙に楽しかったですね。
ゲームとして動かした事に、ちゃんと二次創作キャラがそれらしい反応を返してくれるというか)

他キャラプロマイド
▲プロマイド(差分立ち絵の表示)は買うか、街のあちこちに隠されているのでした

単純に買って貰うまでの導線の話、体験版の流れとか、
この感想で述べた「ウリ」……、一度堕ちたヒロインのRPG・洗脳の果てに結婚……みたいな所も、あまり強調できてない気がしますしね。

ただ表紙のインパクトからして、何か一つ噛み合ったら売れそうな雰囲気はあって、あるいは(初めに書いたような)ヘンなイメージが付いちゃってる事がもう足枷、
もしかして別サークル扱いで、オリジナルの格好良い戦うヒロインのRPG出したら案外、すいすいっと1000DL超え……という気もするんですよね。


エロRPG情報局2さんも製品版について書かれていました。