東方煌球譚 (製品版)

その他形式,R18製品版の感想

東方煌球譚 RTX版
東方煌球譚 RTX版[WHITE STUDIO]

⇒GTX版はこっち

onlyup!のR18ライクで見事なモノを見せたサークルさんの、エロピンボール

以前の製品版感想で「ジャンルとして際立ってるのに、なかなかR18版が無いもの」としてonly up!を挙げ、それから当該作品の感想を書いたワケだけど、この手のモノはまだまだあって、例えばピンボールが挙げられる。
すなわちエロ・ピンボールである。
(…と言ってもピンボールはまだマシな方で、[芸妓玉]がある種このエロ同人ゲー界に「女体ピンボール」を打ち出し、その後も連綿と続く流れを打ち立てただけ、存在感あるだろ……とも言えるんだけど。
*そもそも元はカグラの[PEACH BALL 閃乱カグラ]からだよな、とも)

でこちらはそのonly up!のエロパロで才能に感服させられたサークルさんが過去に出された、R18題材なピンボール!(例によって90%OFF 11円……ですが、特筆すべきはGTX版と合わせると、それなりにDL数が出ている?
勘違いかもだけど、もしかしたら俺…いや俺たちはFANZA専売にかまけ、とんでもない才能を見逃していたのかも知れませんぞ……。

と早速勢いのままプレイして数時間、「…やっぱ勘違いだったか?」となったのが今作というか。(擁護すると、私が震撼した[Her Body Climber]より3作も前の作品ですし、そこはまぁ……)

ピンボールの妙味とは

造りとしては悪くない。割引で11円だけど、別に露骨に手を抜いた粗悪作品ってわけでもない。
それはGTX版のレビューでは☆5評価を付けてる人が二人も居る事からも、まぁ分かるんじゃないかと思う。

ただピンボールの妙味が無い!

ピンボールの妙味とは……(only upと違って、こっちはちゃんと[芸妓玉]、Steamのヒットゲーで[DEMON’S TILT]、ちょっとマニアックな全年齢のところで[ピンボルアの勇者]とか遊んでるから言うのだが)
なぞらえ』である。

ともすれば取り落としてしまうボールを、左右2つのフリッパーでいかに拾い、いかに弾いて、ギミックを狙うのか?
もちろん知っての通りフリッパーの中間の隙間に落ちてしまえば救いようも無くワンミスとなるから、それを考慮した上での「どこに弾いたら、どう返って来るか」、言わば攻撃と防御が一体となった考えの下でプレイヤーは遊ぶ事となる。
必然、プレイする筐体への知識が命となって来る。
あの辺の周囲は弾かれ加減が大きいな、そしてあのギミックを始動すると、次はここがラクになるな……
ある意味、「筐体の性質を周知した上で」「ある程度、狙った所に弾けるようになる」、その視座を獲得してやっと面白さのスタートラインに立てる競技であったりもする…(それ以前の段階として、ただ景気よく球が跳ね返って来てなんだか楽しい、というのも無いでは無いけど)

そして筐体を周知するという事はギミックの性質を知るという事で、かくてその筐体ごとに用意されたギミック=演出=そして物語、を全身で浴びていく事になる
だからスターウォーズのピンボールも、インディージョーンズのピンボールも、ジュラシックパークのピンボールもあるのだ。
あそこに当ててからあそこに当てると、帝国の船が出現する(っぽい感じになる)ぞ! あそこに跳ね返せば、あの曲と共にトロッコがレーンを走る(?)ぞ! あそこは檻が開くスイッチ。つまり恐竜大脱走の演出となり、ちなみにこれは筐体上のギミックじゃなくてギラギラする液晶に粗いドットやバタ臭い文字が点灯するぞ……(*めちゃくちゃうろ覚えの記憶で語ってますが)

このようにして繰り返される、「あそこはあれを意味していて、だからあそこを開けるとこういう意味なんだ」という式の『なぞらえ』。
(ここまで書いて気付いたかもだが、つまりピンボールの「遊び」としては、実はかなりの部分をパチンコがフォローしているのかも知れない。まぁパチンコの場合、そこにあるのはギミックというより液晶に映像を流すことメインかもだが……。
日本においてピンボールがマニアック扱いなのは、既にその領域をほぼ埋められているから、とも推察する)

……といった事が基本知識だが、そこで本作は躓いてしまう。
つまり、「狙った所に跳ばせない」のだ。

筐体は画面ギリギリくらい縦に長いのに、カメラアングルは打ち出した球をそんなに積極的に追おうとせず、まぁ大体固定。だから奥の方に行くと遠い遠い……(しかもそこにあるのは墓場的なゾーンで、モヤが掛かっていたり)
演出が掛かるとどんどん筐体の上にオブジェクトは増え、そしてこれらは3D処理的に割と最近のアンチエイリアス(境界)がすっきりした処理をしているので、ギミックとしてはぼんやりとした印象。そのくせオブジェクト数は多い。

…ぶっちゃけた話、今どこに球があるか、そしてどこがギミックの作動点なのかさえ、7~8回プレイした今となっても判然としてなかったり……。

(私的には本作にぜひ欲しい機能として、ピンボールに付き物の隠しテクニック、空いた左アナログキーか何か(本作はゲームパッドでプレイ出来る)で、「筐体を僅かに傾けて」ある程度球に干渉できる、その際にカメラアングルもやや変化する……が必要だったように思う。)

無闇にお金が入り、ギミック購入! 派手でとりあえず遊んで楽しい……初心者向けピンボールとは言えるかも?

ただそれでも輝く所が幾つかあるのが流石というか。

本作における「なぞらえ」とは何か、それはどうもギミックで霊夢や魔理沙、レミリアなど東方初期メンツが出現……、そのまま筐体に居座り、定期湧きする妖怪たちを倒していく……という事らしいのだが、(地味にリアルのピンボール筐体では出来ない事かな)
まずこの、「霊夢参上!」という巨大文字と共に、アメリカンフットボールで休憩が終わった後に選手が飛び出してくる感じ、待ってましたみたいに元気一杯駆けてる東方キャラというご陽気さにちょっと笑うし、そのうち「強敵出現」として、微妙にエヴァに似た人型最終決戦兵器が筐体に舞い降り、そいつらともうピンボールそっちのけで戦いを繰り広げる、なんて事も起きる。
(球をぶつけると偽エヴァが転んだり、あとギミックの場所は分からんが、やられた東方キャラを復活させたりも出来るぞ!「妖夢復活!」。
ギミックが球を助けるというより、我々が戦う東方キャラを助けるんだ!

個人的に既に述べたピンボールの妙味というのはまァ、なかなか暗くてヲタクでマニアックな話じゃないか……という想いもありまして、そんなんだからマイナーなんや! と子供に泣き付かれると、微妙にバツが悪くなるような所もある。
思い当たる節はあり過ぎるので。

今作はその意味で、なんとなくプレイしてなんとなく楽しくて、そしてプレイヤーも把握しないままスコア=お金がジャカジャカ貯まっていく楽しさがある、とも言える。
マニアなピンボールだと30分粘って狙いの箇所4~5点からなる一大ギミックをオープン出来なかったりするけども、今作はまぁ30分あれば2ゲーム出来るし。

そうしてばんばん貯まったお金で、ゲーム終了後のお店で「有利になる筐体ギミック」をどんどん購入・解放していく、なんて派手かつ初心者好みしそうな嗜好までもある事だし。(まず実物があって、その上でデジタルゲームのピンボールという視点で捉えると、この「筐体がどんどん変化していく」というのは割と思い切った、新しい・もしくは邪道、と評価が分かれる所ではあるか…)

そうして新しく出来上がったレーンに球が転がり込んだら、謎のパンティスロットの始まり!
とりあえずボタン押すまでずっと回ってるので止めてみると、3列白パンツが揃ったので+1000! 斜めにレミリアと咲夜と霊夢のパンツが揃ったので更に+2000!(*断言するが、パンツだけのアップなため、見た目に殆ど違いが無いし、目押しなど不可能! というか”揃った”と言われた後もいまいち釈然としねえ!
みたく、無闇にまたスコアが伸びるのだ。
東方キャラの「最大Lv」も店での購入対象だが、これを買い込むと、基本負ける偽エヴァとの戦いもかなり善戦するようになり、もしかしてと希望が湧いて来るし、あとギミック作用でLvアップする度に下着姿になったりパンツになったりのとにかくカットインが入りまくるし、ちょっと目を離したら放尿したりSEXしたりの過激絵となり、産んでるみたいな事なのか? 球の残機が増えたりもするし。(*ちなみに本作のR18要素はここの絵部分のみ)

そういう愉しさはあるかな……。

ただそれはやっぱり、(皆が皆体験してるか分からない経験で、口憚るのだが)あの小学生とかの工作の時間で適当な木材で作った、ビー玉を弾く謎のパチンコ台(…作ったよな??)の延長であって、いわゆるピンボール、な物には足を踏み入れて無いかなあ、と……。

初めの数回はなんとなく楽しいが、プレイ1時間ちょいもすればだいぶ飽きてくるし、またその頃には購入要素も全てオープン出来ちゃっている、といった感じ。(なにしろジャンジャンお金が入るので…)
以後はゲーム中ランダムかつ無尽蔵に入るカットイン絵とかパンツ絵を集めるとか、回想で一枚ずつ解放する為にお金を貯めよう、となる…。
中でもR18絵はめちゃくちゃ高価なガチャを回さないと開かないので、まぁもっと遊ぼうとすれば出来るが……。
(ちなみに回想で確認する限り、ランダムで挿入されるAI絵はざっと見て都合1000枚以上はあるようで、それだけでもう制約上DLsiteでは登録できない、FANZA専売確定の力の入れ方ではある……)

AI、ピンボール、そして……

AIゲームズとして感心したのは、AIだから絵がむちゃくちゃ用意できる、それでゲーム中にばんばん出しまくりましょうと建て付けを決めたとして、今回はピンボールですと。
私だとその絵を表示する場所からしてまず困り、思いつくのは作中でもやってる通り、まずギミック発動のカットイン。あとは筐体の底の部分に表示、毎回絵が変わっていく……という趣向になるほどね、と驚くくらい。
だが今作は更に筐体の「横面」、カメラアングル次第でたまに見えるかもってポイントにも霊夢たち東方キャラのLvが記された立ち絵があり、まぁそれは当然脱衣状況を反映。
でここで止まらず、発想は筐体を超え、3D空間という事を活かし始める。
つまり筐体から視線を外し、その奥を見やると、ハッキリとは見えないが先程出たカットインがPOPみたいな感じで立体配置されている……?
「ここにも出せる、まだここにも!」とばかり、AI絵の表示位置を探しまくっているのだ。
それだけでなんというか、今作に懸ける情熱が分かるようだった。

あと最後になったが、R18ピンボールとしては現在、女体ピンボールが僅かな光明として君臨しているとは初めに書いた通りだが、こればかりなのも「妙味」の観点からはどうか、と思っていたりもする。
すなわち確かに見た目のインパクトは凄く、ゲームすなわちエロ要素ではある女体ピンボールだが、そこに「なぞらえ」は無い。
全ての女体ピンボールのなぞらえは、全て女体に球を当てて感じさせる、おさわり、くらいのものとなる。
余りに具象的だから。
それでは「なぞらえ」という想像の羽による可能性を突き詰められてないかな……とも感じる。

そういう意味で今作は、女体以外のR18ピンボールの形を模索しているし、その派手さも一つの行き着く所として納得もする。

*書き忘れていたが、当方の環境はRTX 4070 SUPERだが、正直ゲーム自体は軽いと言えなかった。
というか始める前は120~90FPSくらいなのに、筐体にどんどんオブジェクトが増えるにつけ低下、最終的には20FPSを切る、「プレイは出来るものの、爽快感はだいぶ目減りする」プレイ感に……。
映像品質オプションもあるが、まぁ最低にしても重いオブジェクトが極端に重いんであって、まぁ大体一緒。
難しい所だが、ここが60FPS安定するだけでもプレイ感の評価は☆+0.5くらいは増すのかな、とも思う……

GTX版の記述↓

GTXシリーズ以上のGPUを搭載していないPCでは起動できませんのでご注意ください。
RTX版とゲーム内容は完全に同じですが、レイトレーシング(反射効果)なしの描画となります。

(自分のグラボがRTXだからRTX版選んだけど、GTX版では重いとか言われてないし、そっちを買うべきだったか? *RTXでGTX版は動くのかね?)