主人公は死ぬ (体験版)
センスの塊
もう10年も前になりますが、初作[烏丸劇場]は知る人ぞ知るRPG……と聞き及んでおりました。
今回、初めて作者さんの作品に触れたのですが、想像以上に想像以上というか、開始1分もしたら完全に「掴まれる」センスで脱帽しましたねえ……
価格も安く、プレイ1時間らしいですが、短い中にギュッッと演出が詰め込まれてる。
エロ目的、やり込み目的、エロRPGを購入するにはその辺りの理由があるでしょうが、これは演出目的で買う、その価値は充分ありそう。
この演出の持って行かれ加減は「天性のものだ」という物を覚えたんですが、まぁそれだと身も蓋も無いので、少しセンスの正体を解明するとして……
一つ気付いたのは『解像度の使い方が上手い』ですね…。
しかもこの解像度というのは画像の話だけじゃなく、システム、音楽における解像度というのも当たる。
音楽のノイズ、ドットの解像度。鬱系哲学的メタ物語、そんな作品の気配
▲タイトルは「事故」。それからの証拠写真
つまりタイトル画面を開くや、フォントは粗いし音楽はレトロだし、セーブ/ロードもごくシンプル(ウディタ製だとむしろこっちにする方が大変なんですが…)
こうなると内容もそっち方向を予期すると思うんですが、
OPでは何か実写ぽいスチル…というか、証拠写真のようなものが示され、それに曖昧で思わせぶりなテキストが被る。
意識させられるのは濃厚な「死後」の世界であること、だが、それすらもプレイヤーへの撒き餌かも知れない…?
そしてゲーム本編が始まってもそれらは顕著で、ゲームとしてはレトロで粗いドットの鬼ごっこが繰り広げられるなか、でもBGMはリアルな環境音で少しずつ”迫って来てる”感じに焦らされる。
……かと思えばBGMにノイズが入り(言わば解像度を落とし)……、次の瞬間には嘘と言われても全然おかしくないような、ただならぬ気分にさせてくれる。
かと思えばそんな裏切りだけじゃなく、盛り上がるBGMに相まった演出をがっつりキメ、よく分からないがとりあえずテンション上がる、なんてストレートに面白い所も。
テキストも曖昧な事を言ってるだけかと思えば、体験版の最後では、きっちりOPで言っていた意味不明が伏線回収の気配を帯び始めるというか、
「(ゲーム中の)主人公は知らないけど、プレイヤーが満たさなければならない『三つの条件』」として、ゲーム目的=助かる理由を提示(真のエンディング条件?)
物語を見ていた「我々の」目線を一段変えて来る…、その密度の高さには驚かされました
(ここもおかしな事をやってる様で、シナリオの必要な所ではきっちりテンション上げさせる、基本的な技術が窺えたり)
あとそんな粗い雰囲気とのギャップで、女の子デザインはめちゃ可愛く見える。
鬼ごっこで捕まると死ぬやつみたい、だけど……?
▲鬼ごっこ、死亡エロ
ゲームとしては(体験版範囲では)鬼ごっことかしながらあちこちに即死地点が設けられてて、まぁ死ぬ度にグロ+H絵が。
なので、リトライしながらクリア目指す感じ……でしょうか、まぁでもそれだけじゃないんだろうな、という予兆はあります。
似たのを上げれば、ゆめにっきやundertaleとかがやっぱ浮かぶんでしょうが……さて…
体験版は10分ちょっとで終わる。
エロとかじゃなく、純粋に演出みたさに購入したくなった…
現在DLsiteページにレビューが1件も無いしな…(DLチャンネルはある。やはり濃厚なファンは付く作品でしょう)
→作品ページにもレビューが付いた。良かった!
前作は全年齢にも関わらず、なかなか売れている URL。スゴイ。
・この作品のゲーム実況はここでしてます
サークルさん過去作:
[烏丸劇場 ver1.6]
[キールちゃん★彡劇場 ver1.2]
(全年齢にも関わらず、なかなか売れている)
関連:
[あたらしいゲーム]
鬱クリッカーこと
[I am Toroko]
を思い出したり。
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