夕暮れの箱 //桜と巡る水平思考 (体験版)

ADV,R18ストーリー良さそう

水平思考(問題)とは?

これは——からかい上手のセナさん(Lv99)という事なのか!?

水平思考』は、例えば海亀のスープに代表される通り、最近コアな人気を誇る非電源ゲーム(ボードゲーム)でも有名な手法。
(説明:”彼女は処女なのに、セックスした事があると言う。それはなぜか”という命題に対し、参加者が思い思いの質問をし、ゲームマスターの答えから真相に近付く。
「彼女は嘘を付いていますか」→「いいえ」
「挿入を伴う行為をした事がある?」→はい という感じ。

正解:彼女はふたなりだったのだ!

それを同人エロゲの謎解きに採用。しかもシステムとストーリー、二重の「水平思考」が美しい構造を見せている……とさえも言えて。

なんだか惹かれるエキセントリック謎めき女の子からの出題。嘘か告白なのか、それとも……
二重の水平思考をもって進むストーリー

主人公(名称不明)は、とある教室で目覚める。
彼はこの学校の生徒なのか?——それすらも答えを得られない記憶喪失、言わば一つの謎解きの中に放り込まれた様な気持ちのまま教室内を調べていると、
とつぜんおっぱいもつんつん、スカートもちょい短めのなんだかエッチぽい女の子がロッカーから飛び出して来た!
素性を尋ねるも、粘って教えてやっと貰えるのは、歩路セナという名前のみ。
……そして彼女の、別に(学校の外に)行きたきゃ行けば良いじゃん? みたいな素っ気ない態度を取りつつも、どう見ても主人公に構って欲しそうな諸言動……により、水平思考の「謎」が問われていく!

といったストーリー。

という訳で流れとしては、自分の正体を思い出すべく学校内を調べていく……という体裁なんだけど、その途中であちこちに歩路セナがおり、話がてら水平思考問題を吹っ掛けられていく、という寸法。

このセナのキャラ性により「自然と」、謎を解きながらなんだか恋愛の雰囲気になっていく……というのがポイントで、なにしろセナは目が離せない。
出会った当初からどうも軽い嘘を付きまくってる「(主人公は記憶喪失なので、頼りにしてるのに)信用できない語り部」感がマシマシだし、図書館に寄ったら本を高々と積み上げ、窓の外を見ようとして危なかったり、廊下では主人公に見られてるのに気付いてないのか? 面白半分に、背丈以上ある観葉植物を蹴っ飛ばして転がしてしまったり。
そんなエキセントリック少女かと思えば、トロッコ問題を例にとり、「じゃあ80億人の死にたい人と1人の生きたい人がいたら? 私は迷わず”1人”を尊重する。」みたいな哲学的かつちょい厨二入った呟きをしてるのが目撃されたり、
コンタクトレンズを失い、ふらふらしてる状態で出してくる水平思考問題というのが、「とある少女は視力が失われていく行為を繰り返し、それを分かりつつやめようとしない。何故か?」であって、まさか今までの問題は全て自分のことをなぞらえて出していたのか?……なんて不穏さが湧いて来た所で、
保健室では実際に咳き込んで、倒れてしまったり。(でも薬を揃えて飲ませると、嘘だったとか言われる。……その言葉は本当? 嘘?

そんな衒学的でどこか儚い二面性が詰まっているのがまさにジュブナイル、といった雰囲気を作る。

最初に二重の水平思考と書いたけど、まさにゲーム中、セナによって出題される問題自体と、平行して彼女(と、自分)は何者なのか、という牽引力で物語は進む…。
それに従い、彼女が残した? 意味ありげなメモ、何か真相を伝えていそうな資料などが断片的に手に入って……。

……あと、「こういった青春恋愛物語におけるお決まりのキャラ性」を通し、もしかしたらプレイヤーをもからかってるようで痺れたのは、
彼女はあっちこっちふらふらしながら、じょじょにコンタクトレンズを失っては眼鏡になり、いきなり「変身!」と叫んではロングだった髪型を結んで、ショートにしてみせる……
いや、二次元キャラにおいて、眼鏡の有り無しとか、髪型が長髪だとか短髪だとかって、けっこう重要なトレードマーク(記号性)じゃないですか?

だが、それすらも初めから「分かってない」事を突き付けるように、象徴的な見た目を変えていきながら物語は進む……。(ちなみに水平思考の特徴として、彼女は「よく考えを巡らせること」、「俯瞰して考えること」を挙げている)

そもそも好きに質問できるのが肝の水平思考を、どうゲームで再現したか
質問数が限られる中で、仮定・質問を言ったり来たりする選択肢制

また、水平思考をなんとかゲーム上に実装しようとするシステムにも感心した。
これがボードゲームなら話は簡単だが、なにしろ今作はRPGツクール製。LLM(AI)を積んで好きに質問して下さい、ってわけにもいかないしね……

そこで作者さんはまず「一般的な6つの質問」を行え(選択肢)、その後に「そこから導かれる6つの仮定」から一つを選ぶと、仮定にぶら下がった「より核心的な4つの質問」も追加で確かめられるようになる、という方式を採っている。

ただし全体で幾つ質問できるか、みたいな質問パワーが定められており(*初めの5つの質問は小さいが、核心に迫るものは消費が大きい)
全てを選ぶことは出来ない。
上から順に総当たりみたいに選んでいては、半分も聞けないだろう。
また、仮定を選び、核心的な質問で知った情報(あるいはセナの反応)から、「これは違ったかな」と仮定を撤回、違う仮定を選び直しても良い。(また違う核心的な質問を行える)。
質問パワーを全て使い果たすと、6つの仮定から正解はどれか、を選ぶ事となる。

……なるほどこれは、言ってしまえば少し凝った選択肢と多様な反応パターンの用意、あとは全ては選べないという制限……くらいの話なんだけども、遊んでみるとかなり、それっぽさが出てたように思う。GM(ゲームマスター)たる、セナとの対話感が良い。

実は水平思考問題には正解しなくても、物語は進んでいく。
ただエンディング数は3との事で、やはり全問正解すると分岐があるかな……と。

Hシーンは体験版だと1つ。なにしろ[全年齢版]があるくらいなので、H頻度はちょっと薄めか。
ちなみにCG集を一つずつめくるような形で進行していく。(過去作[魔女の護送人]もそうだったので、このサークルさんの特徴?)


体験版は40分くらい遊んだ。
今作は切なそうなストーリー重視だし、全年齢もあるしでなんというか”綺麗な”作家さんなのだろうかと思ったら、過去作のCG集とかが[なかよし親子の休日][全盲少女][いろんな異常性癖を実験してみよう]で、あッ! 油断するなっ! ってなったんだ

この作品のゲーム実況はここでしてます:

サークルさん過去作(ゲームのやつ):
[みにくい保健室登校の子]

[放課後の雨宿りフレンド]

[えっちな病気の治し方]

[魔女の護送人]

サークルさん過去作(CG集のやつ):
[いろんな異常性癖を実験してみようSiX]

[いろんな異常性癖を実験してみよう]

[全盲少女]

[なかよし親子の休日]

関連:
他の水平思考のR18ゲー:
[ウミガメのスープ〜寝取られ学園の探偵と助手〜]

まぁ推理なんだけども
[インランカンパ~淫魔VS天使VSショタ~]
もそういう所はある、そう思うのだ

GMとの対話感、
[羊王国物語]
とかかなぁ

[Dating Joyce: デッキ構築ゲーム]
もそうと言えばそう、か……?