へべれけ! 〜すすめ 赤軍少女旅団!〜 感想(製品版)

SRPG,R18製品版の感想

武藤FPさんは[プレグナント・ブレイブ ~ボテ腹勇者の仔作り大戦略(タクティクス)!~]のメイン制作を担当した方であり、今まで一般向け戦線でも戦ってこられた方である。
一応、[ふりーむ! ゲームスクール]の二期生でもある。(*"受講生から寄せられた感想"参照)
まさに満を持した作品、と言えよう。
というか戦争ゲーになると、むしろ今までのキャリア的に、ガチでやりそう…w なのだが、そこは[萌しむ ヨーロッパ美少女戦線異状アリ!?] みたいな美少女ノリで、触りが良い感じに。ガルパンぽくもあるかも知れない。
これは勝つる!? という訳でやってみました。

概要

SRPG部分は派手さは無いものの、手堅く、奥深い面白さ。
[プレグナント・ブレイブ]は個人的にはマップが少し広く感じ、途中から面倒臭さが出ましたが、これは戦略面で拡充され、改善されています。
(拠点がマップ上に幾つもあり、確保した最前基地からならどこでもユニット生産可能に。
また後述する戦略性のおかげで、ただ移動するだけ、という事が無い。割とどこでも、戦略に晒される場面が多くて緊張。)

ボイス有りで、SRPG中でも華やかさが違ってきますし、エロシーンの実用度もアップ。
立ち絵も良く、女の子同士の絡みもへべれけーで楽しい感じ。
また、戦史を扱った同系統の作品が"知らない奴は帰ってくれ"となりがちな中、
チュートリアルも分かりやすくしつこく無く、難易度設定もあり、
戦史を学べる{授業}は本編と切り離してる… と、遊びやすさの気遣いも相当なものです。

ツクールXPだけどVXぽい歩行キャラ大きさ。"ユニット"ぽい感じ(見た目がちょい地味…?)

私はこれ、実は体験版だけのつもりだったのですけど、実際SRPGで勝ち進んでキャラが育つと…
まあ、楽しいし、続けたくなりますねw
遊べば地味に確かに、楽しさが募ってくる作品。
まず体験版を手に取られるかが肝心、と言えそう…。
(その意味では有名サークルさんからのリリースであり、また出産というエロ嗜好を抑えた[プレグナント・ブレイブ]の方が訴求する…のかも。)

エロ

エロシーンへ突入する方法は二種類のようす。

 みるからにエロ格好の女の人をパンパン。なぜか仲間女性士官を尋問に立ち会わせ、複数女性ボイスが楽しめるのだった

ステージ直後に、捕まえた敵将を尋問(エロ)するという"お約束"と、もう一つはポイントを溜めるとメニューから選択できる、味方士官への{Hな特訓}。

ほう、処女なのに淫乱エロおさげ娘だと…

こちらはユニット強化も出来て、一粒で二度美味しいのでした。

戦争感あふれる、なかなか奥深い戦略

今作は戦略的に、"視界"に重きを置いていると言えます。
敵・味方それぞれに"ステルス"という値を持っており、これが減ると見つかってしまう(見つけられる)。
実際にフィールド上の敵が見えなかったりするので、歩兵を前線で歩かせているといきなり敵の群れに遭遇、あるいは急襲されて手痛いダメージを食らう事も。
これにより、視界の広い斥候兵で探りつつ… という戦い方をするように。
また、違うユニットでは攻撃範囲大の"榴弾砲"を放つ事で、敵のステルスを下げたりもする。
(当てる為の射撃ではなく、敵の位置を探る為の射撃という訳ですね)
まさに"それっぽい戦争感"が出ているシステムです。

他、SRPGではよくある、"移動して背後を取って攻撃"が強くならない為か、"移動後の命中率は半分"という制約も。
プレイヤーに取って余計な手間を防ぐ事にもなり、また常に敵が出るかも…という緊張感を与える事で、戦略性だけでなくプレイ感覚も向上させてると言えます。
(SRPGのゲーム性は、戦略性 VS 面倒臭さという構図だと思う。続ければ面白さが累積するジャンルなので、そこの解決はかなり大事。
例えば面を開始して、仲間ユニットをたくさん動かす。それを3ターン繰り返しても敵に接触しないと厳しい…。面倒くささが勝ってしまう。)

その戦略を自然に学べる、という事がゲームとしては相当大事

デザインとして巧みなのは、これらの戦略性を自然と学べること。
(要素を多くすれば面白くなるけど、取っ付きにくくなるのはSLG系の課題な訳です)
初めのステージでは突撃兵がやたら強いと思ったけど、森の中だと移動力が削られまくり隣接が出来ない。
次に榴弾砲は範囲が極大なので気に入りましたが、今いち当たりづらい。だけど戦車とか建物相手には強い…
戦車は一般兵相手には無類の防御力、移動力が高いから前線に出して抑えに使えるぞ…
と、各ユニットの特徴と運用をハッキリと考えていけました。
特にくどく説明された覚えは無いのですが、気が付けば実際の戦争っぽい編成に!

ウォッカは通貨です

システムとバランスが上手く噛み合い、学ばせるのが上手いステージ設計。
制空権を握ってるステージで空爆しまくってワクワク、だが森に逃げられると厄介だなー、と見ていたのが、次のステージでは防衛戦、今度は敵の空爆警報で自分が散会して森に逃げ込む、という事を実践していたりね。
また"司令部の隣にユニットを置けばHP回復"というシンプルで通りが良いような実装と、"移動後の攻撃は命中率が落ちる"という事へ導く為に、突撃兵の攻撃方法が移動後は変化したり(1面から居て、射程が短いのでそういう場面が起きやすい。学ぶに最適)
ダメージを受けてる兵士の攻撃力低下を示す為に、文字色を灰色にする、という細かい所もきちんと。
きめ細かいゲームデザインの仕事をされているかと思います。

細かいこと

●武器購入場面で、これから買う武器が強いか弱いか分からないかな…。
●次のシナリオになると、2年位いきなり経過、友軍だったドイツと敵対してたりするので、歴史的経緯も2、3言は説明して欲しい…かも?
({学校}で分かるんだけど、あれほど本格的じゃない感じで…。)
●キャラがちょっとテンプレというか、意外性をあんまり感じないかも…?
まあプレイ中は気にならなかった、今覚えば、ですが。
おさげの淫乱マゾみたいなギャップがもっと見たいかも。
キャラ性というより、描写の問題か…?

製品版プレイ1 

5時間ほどプレイ。ノーマルモード。
少しインパクトに欠ける所もあるけど、総じて丁寧に作り込んである、という印象。
(ゲームバランス、SRPGのUIとか)
地味ではあるけど着実な駆け引き、戦略感があるとも言える。
指定ターンまで守りきる防衛戦・お互いに拠点の奪い合いが熱い、航空爆撃し合う前線での戦い・敵を圧倒的に追い詰める(と思ったら敵の伏兵が本拠地を狙ってたりする)
といった大枠に、
生産ポイントが毎ターン溜まる・始めに与えられた中でやりくりする、といったタイプ違いで戦略とプレイ感覚は変わっていく。
(ターン数を稼ぐため、じょじょに末端の拠点を捨てて、移転しながら戦う、とか面白い。
あとはこっちが攻めてる時に拠点が攻められ、あえて兵を均等に分けず、本拠地はギリギリ抑えられるだけ、攻め手に全力を尽くす、とか。
ノーマルモードならダラダラやってても、やがて少しずつ有利になっていくけどね…)

実写…!?

ルールとしては、"敵のHPを減らすほど攻撃力も減る"ってのは良いな、と改めて思った。
倒せないまでもなんとか減らさなきゃ、と頭を巡らせるもんね…。
索敵せずに突っ込むとがんがん撃たれて死ぬ辺り、バランスはかなり良い…と言えそう。
採用するルールとバランス一つで、戦略感やムードがまったく変わる。SRPGは面白いね…

派手さが無い? ゲームテンポが淡々としてる

派手さが無いと書いたけど(逆に自分のゆきゆきてモンスター軍なんかは雑過ぎるんだが…)
製品版以降も、体験版のテンポとそんなに差が無い感じ。
戦史を元にしてるので、そんなに熱くなるシナリオ展開や陰謀とかも無く。
新しいシステム導入とかも無い。
女の子キャラも、体験版で全て出てるかな…

ドイツ野郎め、ウォッカを盾に取るなんて…! なんて非人道的なことを…!

ただ驚いたのは、一時的に仲間が捕虜となり、ドイツ軍を操作する立場になった事かな…
SRPGに付き物の、ユニット個別強化する楽しみがそんなに無いかも。
一応エロで個別強化できるけど、なかなか任意の方向に伸ばす…って訳にいかないので。
武器を自分で改造・開発できたら、面白くなりそうかなあ…と思ったりする。
戦車だけやたら鍛えて、21世紀の戦車で戦うとか…ワクワクしないですかね…?
あと何気に武具購入が面倒臭くなったりも…特に銃器マニアでは無いので、区別が付かない…
(まあ仲間が多いSRPGだと大体そうなるけど。
武器購入の代わりに兵種訓練ができて、その時に予め上げておいた開発度を条件に、
勝手に武器が進化して持ち替えられる、とかが良いんだろうか…
面倒臭くない程に全体で管理、しかし個別強化できる雰囲気は出す…と。)

エロ|もしかしてSRPGに熱中するとエロって邪魔になる?

尋問に屈しない仲間女子に、遂に薬物の魔の手が…

体験版であったかも知れないが、SRPG中にメインヒロイン? の子が捕まったら陵辱エロが開始されたのだった。
ちなみに他の女子がやられても起きない。おっぱいだからか。
普通にちゃんとしててエロいハズなのに、あんまソソられないのは何故だろう…?
実は自分のSRPGも"エロシーンは飛ばした"とか言われてて、もしかしてSRPGの戦略部分とエロって、人は簡単に頭が切り換えられないのか?
確かにSRPGやってると、エロシーンがうっとうしい時がある…先に進みたくて。
とか思ったり。うーん。
個人的にエロシーンで言えば、体験版1つ目のエロみたいな、Hシーンで女性ボイス同士の掛け合いが見たかったかも…。

戦争物+女子ではあるけど、キャラ萌えに繋がってないような

ミリタリー×女の子というと、昨今のアニメノリが浮かぶけど、そんなに"萌え"っぽいアプローチは無かったりする、実は。
キャラデザインはかわいいけど、キャラクター描写としては…。
女の子同士のハートフルや、過去、彼女達の持ち物(ちっこい子の水筒みたいのとか気になるのに)
ともすれば禁断の百合になる事もないし(ドイツ側はレズぽいが)
あるいは、主人公にみんな何かしら惹かれててハーレム、とかって事も無い。
また"無骨な銃器を操る女の子"が萌える、という所もあるのだが、彼女達はまあ職業軍人なので、別に兵器に何か愛着がある訳では無さそうである。
というか兵器+女の子 がフェチズムたっぷりに、同時に描かれる事はあんまり無かった。

製品版プレイ2 クリア

プレイ約10時間。
全15話(面)、ノーマルモードなら再戦で鍛えなくてもクリアできた。
キャンペーン参加のパスワード入力でおまけ戦闘があり、ドイツの伝説級の将校が出てくるそう。
(ミリタリー好きにはむしろこっちの方がメインか…?)
余談だがイラスト面は[プレグナント・ブレイブ]と同じ方式で、タイの方。
プレグナントよりもっと日本ナイズされてた感じ。完全に気が付かなかった…。
[淫乱勇者セフィのRPG〜世界を救うエッチな冒険!?〜]は台湾の方と言うし、同人もそういう時代なのか…

エロ|シチュは多いが特に際立った嗜好は無いかな

Hな特訓は一人2回までエロシーンがあり、均等に割り振れば全員分みられる。
他に敵を捕まえての尋問…といったシナリオ上のエロもあり、エロシーンは思ったより多く感じられた。

ドイツ軍と講話、条約に調印したのに兵士の前で公開レイプ劇! いかにもエロ同人だ なぜか他の女の子カットインが付き、ダークなのかほのぼのなのか分からねえ

Hな特訓は、じょじょにエロくなってる…という所があんまり強調されてなかったか。
2人に奉仕させるハーレムエロ的ものも一部あった。
シチュは多いが特に際立った嗜好は無いかな、と(エロSRPGはそうなりがちだが…)

しっかりとした駆け引き、戦略

SRPG部分の戦略としてはさすがここが本業と言う所か、よく作られていた。
1マップ内で自拠点を守る隊と敵拠点を攻める隊が分かれていて、平行して考えなければいけないステージや、
召喚が出来ず初期配置のユニットだけで乗り切る補給が大事なステージ、
固有ユニットが使えず召喚ザコユニットだけで乗り切るステージ、
ドイツ軍の首都攻略では市街に隠れる見つけにくい敵を、生産と爆撃に物を言わせ制圧する… と、よく雰囲気が戦略と共に出てました。
(ミリタリー好きなら脳内補完して更に楽しめるかも)
初めの頃に撤退を余儀なくされた面で、後々の反撃時に雪辱を晴らす、というのも歴史的な展開と相まってなかなか感慨深い。
(思えば自分のSRPGはこういう所が無いので素直に感心…。勉強になる。防衛戦とか無かったね…。)

最終戦、見た事も無い戦車が…すわ、ドイツ軍の最終兵器か!? しかしそれは初期型の菱形戦車だった! 勝利は近い!

なにげにSRPGとして快適に遊べるよう、UIも細かく調整されてる。
([ブクナンブ・ブレイブ]や自分の[ゆきゆきてモンスター軍]と比べても。
例えば移動の時は範囲外にカーソルがいかない、攻撃範囲内に敵が居ない時は{待機}にカーソルが合う…
敵の周りの移動量が制限されるZOCもきちんと実装。
なにげにSRPG、実はバグが出やすいジャンルだと思うのだが、そこもキッチリ管理。
目立ちにくいが高品質)

変化しないキャラの関係性はどうだろ

SRPG部分の盛り上がりやHシーン的に考えても、キャラ描写に"意外性"が欲しかった所。
(戦ってる時の会話イベントとか、それなりに盛り込んでいるとは思うけど、ちょっと印象に残らない)
最初のキャラ印象で最後まで行っちゃう、毎回へべれけ(悪酔い)ネタで押し切るってのも…
例えば乱暴なオリガなんか、意外に女性らしい所があって萌える、ってのは鉄板の描写だと思うのだけど…
意外性もそうだが、戦線の広さの割にキャラが少なめな気もした。
(と言うか自国の女性達は、大体立ち位置一緒になるので。例えばソ連側にスパイとして潜り込んでる実はアメリカ人、とか居たら異色なキャラ立ちになったのでしょうが。もちろんHな特訓で主人公に惹かれて、任務との板挟みになる。
スタッフロールでポリーナの爆破ネタを自粛と言ってたけど、首はともかく片手、片脚くらいは展開としてアリなんじゃないかと思う。突撃兵だし。
ドイツ側の二人はレズって所をもうちょい深掘りすると、面白いとか。
初めの頃からちょっとずつ気配を出して、遂に結ばれる、みたいな感じで。
隊の中の誰かが昇進するとかも良いかな、と思うし。)
女性キャラ増やすとボイス的にも大変だろうけど、スターリンやヒットラーみたいな歴史上のキャラを出すのは、ミリタリー好きには邪道なんだろうか?
自分なんかは普通にテンション上がるのだが…
クリア時に脱出を計ったドイツ女性士官の後日談も気になった…
独ソの歴史が学べる{学校}フェイズの方が実は会話が多いという事で、こっちをちゃんと見れば良かったのかも?
(この力の配分間違えた感じは好きだ…w)

細かい事

●攻撃前の戦車の方向%(一般的に戦車は側面が一番薄い)、命中率の確認が大事かも。
事前に確認しておけば、全然当たらなかったり、当たってもダメージが極薄でイライラする事が無くなる。
●Hな特訓の時は何気に、名前だけでは区別が付きにくかった…
発売まであと一週間