【言語解読ホラーADV】文字化化 (体験版)

2024年12月9日ADV,一般向け凄い

乙女向けホラー！　化け物が話す未知の言語を解読！？
これがSteamヒット世界か……

全年齢ですが、Steamでかなり売れている作品が、DLsiteにも同日付けで登録されてたんですよ……！
DLsiteにしてもこういうのは大事にしないといけないと思うんですよね…。（だいたい全年齢の売れゲーは登録が後回しにされるか、もしくは登録されなかったりするので）
Steamだと体験版は珍しい……ですし、DLsiteは割とちょっと見てみるのに便利なんじゃないか、とか推し方は色々あるんじゃないかと…。
（言いつつ、本作に関してはSteamでも体験版あるみたいなんですけどね…）

しかも今作、ホラー……ってのは分かりますが、ホラー男子と恋愛（？）を謳い、乙女向けなんてタグも付いており。
乙女向けホラー……？
ホラーに乙女も益荒男もあるものかいっ！　とプレイしてみたら、なるほどなるほどと、これがニュアンスが分かるという。
しかも根本に据えられているゲームシステム……、『怪異たちが話す言語を読解していく』という仕組みに引き付けられ、
ADVとしては背景スチル等もしっとりとコワく、素晴らしい。
なるほど、さすが一般部門で売れるゲームは一味違う、と存分に堪能できそうな雰囲気があるんです。

異形だらけの世界で、少しずつ未知の言葉を同定していく。迂闊な返事は命取り、化け物たちの感情を推し量れるか

▲ゲーム開始、いきなり迫る脅威の這いばい男！　何言ってるか分かんねー！

▲親切なフードの男に、まずは基本的な単語を習う……まさに文字化化。

廃ビルの如き、見知らぬ場所でいきなり目覚めた主人公（自称、美少女……）
いきなりキモめの男ににじり寄られ（這いばい男）、
逃げ出した後は、比較的紳士と見込んだ「フードの男」と話し込み、
ここで自分を指さし未知の言葉を、そして私（ヒロイン）を指し、また未知の単語を放つ……というシークエンスが素敵。
つまり、こうして未知の単語に、大体こういう意味か……？　と文字入力して、意味を当て嵌めていくのだ！
（言語学において現地人に聞き取りする際の、初期アプローチだ！）

▲ナリは怖いが、恐らく感情にまつわる多くの単語を教えてくれる首だけ少女。
　こういう発見の際の演出も非常に細かく素晴らしい

コツとしては、まだ確定できない段階でも果敢に仮称を当て嵌めていくのが大事、ぽいかな（後から修正もできるので）
その結果立ち上がる、「言ってる事がなんとなく断片的に分かる感じ」の面白さ……、
あるいは、怪異たちが口にする言葉が少しずつ分かり、何だか”血が通う存在”になっていく趣き。
あるいはチャプターをやり直し、あぁあの時こういう事を伝えたかったんだ……と分かる、とかも悪く無い。

▲恐怖・隙間男がなにがしか取引を持ち掛けて来る……。
　良く分かんないままニコニコ頷いてると酷い事になるぞ（未知の場所の基本だ！）

と言っても基本、ここは怪異だらけの場所。
言葉が分からない内はそりゃ危険だらけで、扉を開けたら隙間から覗く「隙間男」になにがしか問われるので、ニコニコ笑顔で首肯してたら、心臓をぱっくりイカれて死亡でした。
（なおゲムオバってもすぐ直前からやり直せる親切設計なので、そこは安心。ついでに死にながらも「心臓」という未知の単語を持ち帰る……）
体験版の第一章だけでも、何言ってるか分からんないんで首だけ少女のお願いを断って先に進んだら、同行者無しにいきなり他人のエリアを訪ねた事になり、即拷問死させられたり（絵面がちょっとフェチ）、
いきなり這いばい男が何か言いながら覆い被さって来たんで、貞操の危機！！　とばかり押しのけたら、どうやら危機を告げてたらしくて、他の怪異にブッ殺されたり。

そういう「言葉が分かる事で、事前に危険を回避できる」という感覚も新鮮で面白いかも知れない……。
（逆に言えば、言葉が分からなくても一度死んでからやり直せば、ある程度進めそうな辺りも親切で良い。探偵モノの犯人入力パートとかそうですが、文字入力が正しくやれない故に詰まると、割とトラウマになるよね……）

「言ってる事がなんとなく断片的に分かって来る」と共に、異形が”血が通う存在”に……。
初手イケメンもいいが、良い所を見出していく（関係性の）乙女向けと見つけたり

▲バールを手に入れて、物陰に潜み……。近付く這いばい男を一撃するナイスシーン

▲殴られてあからさまに凹んでみせる這いばい男であった。声を掛けると……、実はいい奴なんか…？

▲物音がしたと思ったら、後ろから付いて来てる這いばい男。喋ってる言葉が分かれば誤解も解けるのだが……。

▲突如覆い被さって来る這いばい男、貞操の危機なのかっ　その真意とは……！

乙女向けとしては純粋にダークな美しさ纏うキャラもおりますが、今作の本線は割と「見付けて行く」事かしらと思いまして、
こいつ、髪はベトつきがちだけど、その隙間から覗く瞳はよく見たらちょっとカワイイじゃんとか、
多分この首だけ少女はこいつの妹で、もしかして妹想いのお兄さんなのかなぁとか、
初見の印象は最悪な這いばい男が、意外にもおふざけが過ぎるだけで割とワンコ系か……？（＊言葉の解読が進むと、あなた　ひとり、わたし　まもる　とか言ってるのかな、とか分かる）
なんて、まさに文字化化という本作のコンセプトに合った、
色々想像し、良さを見つけ出していく、たまにキュンッとさせられる所がある……そんな所が乙女向けの由縁かな、と捉えました（マニアックだ…）

あとホラーとしては、新しいキャラと出会う時は大概ジャンプスケア的なびっくり要素もあり、なかなかホラーもしております（もしかして、吊り橋効果な所も狙ってる？）