四季の狂剣 感想(製品版)
体験版であれなんですが、感服しました。(FLASHって製品版にセーブデータの引き継ぎとか出来るのでしょうか…)
“新しいゲームシステムを作る"ことは、実は難しくないんです。(大抵は"誰もやらなかったこと"ではなく、"あえてやらなかったこと"だと気付く事になる…)
難しいのは、その新しいシステムをちゃんと面白いレベルに仕上げる。
更に言えば、それを分かりやすいように洗練すること。
これには二段も三段も、上の技術が要る。
これが出来てる。これは物凄いことです…。
(例えば同じ"決闘"を扱った、ブシドーブレードとかと比べると分かりやすいかも…)
キャラの暑苦しさで押して来る感じ?
初めはまぁ、キャラの暑苦しさで押して来る感じね、まあ嫌いじゃないけど一般向けだし… と躊躇しておりました。
ただ、youtubeのPVを見たらこれは…? と。
あえて言うなら、SFCの幽々白書の対戦ゲーみたいな感じ? ほお…、と。
キャラに隠れて、オリジナリティと洗練度の高いシステム
興味を持って体験版を手に取ってみたら、更に認識が変わった。
確かにムダに暑苦しかったり、面白かったり… そんなカオス風味のキャラが目立っています。
だが問題は、その土台のゲームシステム…これが、驚くほどソツない。
キャラが前面に来てて、ともすれば気付かなそうなんですが、このシステムの洗練度・構築度・処理…はべらぼうに高いです。
少しずつ分かっていくチュートリアルも素晴らしい。
手練れ…というか、まるでゲーム専門学校の先生が作ったみたいな、お手本のような丁寧さ。
つい熱さにかまけ、同人だ、分かれ! とブッチしそうな所で、凄く気配りされている。感心…それしかない。
ゲームの流れ
ゲームの流れは会話シーン(デモ)→戦闘を繰り返します。
メインの戦闘が…、ゲームの中でしっかり説明され、把握していけるルールを書いても仕方ないので省きますが、日本らしい決闘というか、剣士同士の真剣勝負、という表現がシステムと自然に合致している。
(そこに外人がやって来て、"まったく違う戦い方をする"というのも面白いファクター。飽きさせない…)
以降、画像でエッセンスを伝えてみます…
戦闘は方向ボタンさえ使わない、基本2ボタン使用。しかし驚くほど多様な表現、駆け引き、緊張感…が出来ている。
(制約があればこそ見える物がある…という事でしょうか?)
一撃を与えられる間合いの取り合いから、鍔迫り合いしたり、睨み合ったり、背中合わせになったり…。まるで時代劇の殺陣のようなシチュが自然に起きる。
ゲーム性に変化を付けることになり、またバランス的にも、こういう状況が動いた後に破壊力アップ→勝敗が決まりやすくなる、と。
ドラマチックになるべく組んでいる(すごい)
これだけ多様な状況を作っておきながら、2ボタン使用という操作体系が微塵もブレてないのも職人技。
(大体は、それぞれミニゲーム風にしたりだとか…蛇足をしがち)
単に熱い演出というだけでなく、先述の"時代劇のようなシチュ"での行動が、この時のアップに影響する。
駆け引きを作る為に、ゴテゴテした新要素を入れない…。高いゲームデザイン能力。
特攻技同士がぶつかった時、お互いが少し静止して立ったあと、片方が"ぐはあ!"と血を噴いて倒れる…というケレン味も忘れていない。さすが
ストーリーと50人の(熱い)キャラたち
ストーリーも良いですね、掛け合いは面白いですし、決闘を繰り返す都合上…、漂うハードな緊迫感と謎も、物語を牽引してくれる。
模擬戦(破れても続く)と、真剣試合(終わり)で、物語とシステム的にメリハリが付いてるし。
(ゲームシステム(バランス)が、物語や演出に自然に繋がる…この辺りの手腕には本当に舌を巻きます…)
多すぎでしょw と思わないでもない50人以上というキャラも、壮大なストーリー(と突き抜けたカオスさ)を期待させてくれますね…。
まあ別に半分でも、何だったら4分の1でもシナリオは回せた気がしますがw
この熱意は同人ですね…
あえて一つ言うなら…
敵に対して負けが込むと(きちんと敗北後にアドバイスはありますが。家庭用かっていうくらいの配慮)システムにダメ出しされてる気分、俺の理解力が悪いのか…と、へこむ事でしょうか。
一見、適当やってれば勝てそうに見えますが、ちゃんと駆け引きしないと毎回キッチリやられますからね。
ダラダラプレイして、なんとなくクリアは出来ないです、ちゃんとプレイヤーも"考える"必要があるゲーム。
まぁ難易度設定で"易しい"にも出来ますし、ダラダラやってクリアできるゲームばっかなのもどうかと思いますので。このくらいの緊張感が良いですかね…
製品版プレイ1
プレイ5時間くらい。
やたら面白いじゃないですか…
>体験版のデータは引き継げませんのであしからず。
って書いてあったね…
出会った人とはほぼ確定的に決闘しなきゃいけない感じになるので、まぁ正直ちょっと気持ちが凹む…
好き合ってる男女を、両方とも切って捨てるとか実に厳しい。
“死に様"で綴られて行く物語ではある…、壮絶。
謎も上手く散りばめられ、明らかになっていく。全体を牽引する物語の要素ね…。巧み。
そんな殺し合わんでもいいやん、と思ってた所に"本能的な人口抑制"という意味付けがされたのには、びっくりした…(それもまた、外国人の解釈の一つ、というのも深い)
育成要素も本格的に走り出す、固有技を変えられたり、流派も変えたり。
とりあえず攻撃範囲を密接に、攻撃と防御だけ強化する… というチンピラスタイルを目指すのだった。攻撃が最大5とかの小さい数値なので、1上げるだけで大分プレイ感覚変わってくるねー。
どうだろう、本当に戦ってばかりだから、どこかミニゲーム的な息抜きが欲しかったかな…と思うけど、まあ3時間連続で遊んでる人が言う事じゃないですな…。
しつこい、何度も被せてくるコテコテのギャグとか、きわどいキャラとかが合間に冴えてる。結局それが緩急になってるのかも。
{怒り状態}や{威圧}、{特攻の3すくみ}とかの戦闘要素も教えられる。
けして圧勝というもののが無い、一発逆転の要素。気が抜けない緊張感の持続…
だが結局のところ、"適当でいい"っていうのも良い塩梅だなーと。
そう、奥深さをなんとなく知ってるだけでも、飽きないプレイ感覚に繋がってきますからね…
製品版プレイ2 ストーリーモードクリア
プレイ12時間でクリア。
久しぶりに脳が痺れるような面白さと…"結末を知らずにはおれない"と引き込まれました。
クリアしてから"自由演技"が可能に(40人くらいからキャラ選択できる)
何と言う作り込み…これがDL版1500円ですからね。個人的には3000円とかでも良いくらい。
まだ半分残ってるけど、私的に2013年のベストゲームになるかも…。
ってかパッケ版はだいぶ昔に出てたらしいし、エロゲじゃないけど…。
これ、作者さんが音楽も作ってると聞いて驚き(あと一部の声も)
最後のムービーの頃になると、かなり技術的にもキマってて良い感じ。ってか声もフィットする様になってた。
アッツイストーリーと演出、元ネタがなんとなく色濃く感じられるキャラ、やり過ぎのギャグ展開(…"顔グラと戦闘時のグラが違う"までネタにするとは…)
好みは分かれると思うが、これは良いなあ。身贔屓したくなる作品。
結局、個人にとって最高の作品ってスペックじゃなく、身贔屓よ… と思ったり。
一点あるとすれば、壮絶な死に様こそ肝だってのは分かるんですが、明らかに殺さんでもエエやんなんでそんな事するん、という行動を主人公が取る事があり、選択肢・マルチエンドで避けられたらなあと…
(モブキャラは出来るだけ避けられますが、主要キャラはね…)
まあそんな事言い出したら元も子も無いですが、やはり連続で死を見せられるのはきつい、それでも全然各々の死が色褪せないのはスゴいが。
(例えば会話、顔ウィンドーとセリフしか無いのに"敵の力量の描写"が出来てたり。これも職人技だと思う。ほんとに)
自由に相手を選べるゆえ、イベント見てないと、割と不自然に新キャラ出てくるのはあるかも。
一応辻褄合う出方はしますが。
まあうん、そういう細かい事も大体熱さで押し切られる…w
里観ちゃんがものすごく可愛いかったです、時間を掛けたツンデレ(しかも強い子)ですからね。
ってか女性キャラ全体にかわいい。単純に決闘とかせず恋愛度上げたい(元も子も無い)
製品版プレイ3 自由演技クリア
姫喜姉さん遠距離主軸なのに、攻撃発動までがめっちゃ遅い上、移動スピードも遅いという弱キャラ…きつかった。
(覚悟決めるとめっちゃ強くなる?)
なにしろオマケの様なモードにも関わらず、選択したキャラと因縁がある中ボス・大ボスでは会話もあり、個別エンディングも用意されている。
クリアすると隠し設定など、実績も解除されていく。
いまどき家庭用のゲームでさえさほど見られないような、魂の篭もった作り込みである。
これ1500円の同人ゲームなんだぜ…嘘みたいだろ…
プレイヤー目線だとそうして欲しいってのはあるよ、でも自由遊戯でさえ20数人居る。遊び手が思ってるよりそれは、10倍はしんどい。
本編で、那由多様とかと戦うルートもあったのだろうか?
自由演技で初めて見るキャラが結構居て、これもびっくり。
製作日記
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コメント一覧
フリゲだったら天下とってたな
あえてフリゲにこだわる必要もあるまい…